
1988年7月、雄山閣出版から刊行された真尾倍弘(1918~2001)の第1詩集。
ここに収めた前半の作品は幼いころ両親から聞かされた話である。
動物本能の帰趨性というのか、忘れ果てていた幼時をその風光などとともに思い出すことがあって、そんな時に書いたもの。だから回帰への願望といえるのかも知れない。
出典のはっきりしたものはその典拠を記したが、他の話も何らかの伝承があったものだろう。また明らかに父親の寓話ではないかと思えるものも感じられ、私の創作をも含めて一冊とした。
私は自分の想念をこのような表現に託そうとする時がある。
(「あとがき」より)
目次
- Ⅰ
- 夢幻譚
- 酒泉
- 慚愧
- 若い樵の話
- 一口ばなし
- 桃源境
- 嫁さま
- Ⅱ
- 萩の庭
- なんじゃら川
- 失魚
- ごくらくの湯
- 狐火
- 屁哀
- 幻化
- 煩惱熾盛
- ある男
- 羞恥
- 会話
- 泥酔讃
- お化け屋敷
- 虹
- Ⅲ
- あるとき
- ニヒリスト
- 人魂の繰り言
- ある犠牲者のつぶやき
- 掌
- いまはむかし
- あやつり人形
- 映像
- 終りの寸劇
あとがき