
1960年3月、書肆ユリイカから刊行された武田隆子(1909~2008)の第3詩集。装幀は朝倉摂、写真は本間敬将。
北国の冬の季節は、雪の上に、ナナカマドの赤い実がかがやき、ストーブが赤々と燃える部屋にいても、窓の外の雪のつもる音がきこえる。木の枝の雪の落ちる音がきこえる。私のなかにも雪は静かにつもる。
私は、その雪をそっといだいて、星の下をどこまでも歩く、道々出会った人*は、赤く熟れない、青いままの私に、憧れや、望みや、捨身の道まで贈って下さった。
また、南の海をふるさとにもつ人から美しい桜貝を、北の海辺に住む人から砂浜の石をいただき、いま、この、かすかな炎の一巻を多くの方々に捧げ得ることを感謝します。
(「あとがき」より)
目次
・夏の旅
- 対話
- サビタの花
- 霧
- 傷痕
- 即物的な
- シナの木の花
- 風の道
・冬の旅
・夢の旅
- ネブカデネザル王の夢を夢みよう
- ミヤコワスレ
- 歪み
- 返信
- 流れ
- 通過駅
- 夏の日
- 六月
- 河はなにごともなかったように
- ハト
- ノラ・クロコ
- 蜘蛛の子はどこへ
- 色と匂い
あとがき