消息不明 泉谷栄歌集

 1996年1月、漉林書房から刊行された泉谷栄(1941~)の歌集。装幀は田川紀久雄。

 

 私は心も身も病人です。
 最初は喘息にとりつかれ、その苦しさは肺を冒しました。
 その後は堰を切ったように、病気の悪人どもが襲いかかってきました。
 まず動脈硬化と高血圧症と高脂血症です。軽く考えていました。まもなく血栓症にやられました。その時、右眼の明りを失い、ついでに左眼網膜症ということになりました。それが原因かどうか知りませんが、アンニュイの日々が続き、うつ病にかかっていることを知らされました。
 また入院です。しかし、竹の子のように病気があとからあとから追ってきました。
 糖尿病です。心筋梗塞です。うつ病の再発です。めまいして階段から転倒、左肩から腰までの複雑骨折です。最近、もう一つ加わりました。副鼻腔炎です。
 結局、連続して8年入院したことになります。
 病気になる前は、詩論を書いていました。一気に四、五百枚書いていました。しかし、今は苦しくて詩論から遠のいています。
 代わりに、体調の合い間をみて短歌を作ってみました。田川紀久雄さんに強引に送って読んでもらいました。元気づけてくれました。その上、田川紀久雄さんの発行している『漉林』に連載を、という誘いがありまして68号から現在、6号まで続きました。三三二首(うち二〇首は『妖』二号に掲載)書いていました。
 そこで今度は、田川紀久雄さんに短歌集の発行をお願いしました。快くうけてくれました。本当に深謝です。
 田川紀久雄さん、ありがとうございました。
(「あとがき」より)

 


目次

  • 私性の飛沫
  • 読みの迷宮
  • 血の白書
  • 心のかぜ
  • 魂の不時着
  • 錯視の記録簿
  • 消息不明
  • 非在の遠近法

あとがき


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