紫木蓮まで・風舌 阿木津英歌集

 1985年9月、沖積舎から復刊された阿木津英(1950~)の第1歌集。装幀は田中淑恵。付録栞は、岡井隆安永蕗子、河野愛子。新装版。元版は1980年の短歌研究社版。現代歌人集会賞作品。


 この歌集『紫木蓮まで・風舌』は、わたしの二十四歳から二十九歳までの足跡である。日々不定の形態をとる「わたし」というものの、歌による足跡である。
 昭和五十四年に、「紫木蓮まで」三十首によって第二十二回短歌研究新人賞を受賞し、翌年、短歌研究社に、この歌集出版に際してひとかたならぬお世話をいただいた。
 当時のわたしは、わたしの歌の読者などいるはずもないと思っていたので、解説を田井安曇、栞を岡井隆安永蕗子、河野愛子の諸先進にお願いできたことは、この上ない喜びであり、また自らに対する小さなおごりでもあった。
 幸せなことに、思いをはるかにこえて、この歌集は多くの人の胸に宿ることができたもののようである。「わたし」を受け取ってくださる人のいたことに、わたしはふかく慰められた。
 しかし、初版は小部数の発行であったため、その後、多くの読者からの問い合わせに対してこたえることができず、心苦しい思いをしてきたのだが、今回、沖積舎の沖山隆久氏のご厚意により、新装本として発行していただける運びとなった。
 新しく装った『紫木蓮まで・風舌』が、さらに多くの見知らぬ方々の胸に、与うかぎり届いて欲しいと願い、またそういう方々に出会えることをこののちのわたしの励みにもしてゆきたいと願っている。
(「あとがき」より)


目次

・紫木蓮まで
木蓮まで
・青き花束
昔むかし
草の螢
茱萸と梅
烏賊の足
空の滑り台
・火喰鳥
天翔る
無花果
・農機具工場にて
火喰鳥
鬱と花
・海潮
海潮
蜘蛛の子
・すかんぽと月

暑夏

秋の光
風舌
ズボン
月の滴り
・旅隊(キャラバン)のうた
一日
旅隊のうた――オマル・ハイヤーム
冬鴨

解説 田井安曇
あとがき


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