
1991年10月、私家版として刊行された磯田ふじ子の第2詩集。刊行時の著者の住所は神戸市東灘区。
「あとがき」を書こうとして、二か月費やした。
結局、すべて破棄してしまった。
書けば書くほど、詩と同じ位置に迷い込んで、イメージのはざまから抜け出せない自分を見つける。
おそらく、これらの詩が、言葉のコラージュであって、直接に語りかけることを拒んでいるからではないかと思う。
私はもっぱら、感度のいい、言葉の受信機になろうとしていた。
謎を掛けるスフィンクスであったつもりが、いつしか「あとがき」という解答を探しあぐねる旅人に入れ替わっていた、という未完の話の結末は、これからの私の宿題になってしまった。
詩の大部分は、1987年、ちいさな詩の例会(水曜会)の人たちとの出会いをきっかけに書き出したもので、その人たちとの出会いがなければ、この詩集もきっと生れなかっただろうと思う。
いつも、面白い、と感じるのは、自分の意志を越えた何か見えない偶然の力によって、出会ったり、別れたり、その結果、思いもかけない方向に行ってしまっている自分に気づいたとき。
この本は、そういった過程でのささやかな産物です。
目次
・夢と鎖
- ディザイア
- ラフレシア
- 光の首
- ナルシスの手
- 魅力
- 樹違い
- 夢の中で育つ
- 洪水
- ノスタルジア
- HENRI MICHAUX
- 夜
- 狂気
- 憧れ
- 物語の中
- 1988年
- 夢につかまる
- ゆめのくさり
- 夏の夜の透明ダンス
・春の動機
- シャーマンU
- 誕生の日
- ラビリンスのうた
- ラジオソング
- 十七時三十分
- 土
- 冒険
- 砂漠のうた
- 二瞬
- 窓
- ポップス
- I(アイ)
- ララバイ
- 庭と道路
- 緩衝地帯
- 春の感情
・鉱物願望