青蛙 保高一夫詩集

 1973年6月、横浜詩好会から刊行された保高一夫(1931~)の第7詩集。挿絵は津島亜細喜。著者は東京生まれ、刊行時の職業は横浜市役所勤務。

 

 強い人間なんてあまり信じたくない。小さい頃、病弱だった僕は男のくせに弱虫で、皆からいじめられ、本ばかり読んでいた。いわゆる<青びょうたん>と言われるほどの弱者育ちだった。
 はたちになってからもタバコは奥わない、酒は呑まない<マジメ人間>とも言われたが、喫うのが恐わかった呑むのが恐わかっただけで、二十一歳になって始めてタバコを喫ってからは、酒のほうなどは、毎日、午前〇時前には帰宅したことがないほどに呑みまわった。そうした悪い習癖は今でも残っていて、こわごわと手をつけたものは、ひとなみにできるまでやる執念を身につけてしまったようである。
 詩の雑誌を高校二年の時に仲間で出したのも、そう強い動機があったわけでなく、始めたらやめられなくなり、気がついたら十五年も詩を書き続けてきたというわけである。
 十八歳の時に出した処女詩集「侘しい夜」の序文で<現代の難解な詩に挑戦し云々!>と、ずいぶん偉らそうなことを書いたが、今でも僕の詩に対する考え方は<わかりやすく読者に語りかけることのできる>ものでなければ、と思っている。
 この詩集におさめた作品は、ここ十年の間に書きためた作品から拾った。百篇近い作品の中で、だんだんあれもこれも気にくわなくなり、残ったのがこの二十篇である。
 最後にこの詩集を出すことにあたって、妻の盈子、友人の津島亜喜、並木滋君、横浜詩人会の山田今次、長島三芳さんはじめたくさんの方々に大変お世話になりました。心から感謝申し上げます。
(「あとがき」より)


目次

  • 雨は人間の声を降らす
  • サルビア
  • どこまでが夜なのか
  • こぶしの中で風車がまわる
  • 侵略
  • ノラの塑像
  • 感傷
  • 孤島・沖丿島

 

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