
1995年9月、編集工房ノアから刊行されたたかぎたかよしの第4詩集。付録栞は中西弘貴「往還のかたち」。刊行時の著者の住所は明石市魚住町。
本詩集は、ここ三年間、昨年までの作品をまとめたものである。
何とはない暮らしの、足踏みやなぞりや折り目を見ているうち、ふと、背後に気付かされた。「背後の一日」とは、しかし、そこに確かな一日を見たわけではない。区切りある生の照り返しに過ぎなかったかもしれない。
そこは、自分の居る情景の綴じ目であり、宙の最も身近な縁りであった。そこに消えたからとでも言うのか、父を思った。
作品配列は、二十四時の光の陰りに沿ってみた。夢の暗さは定めかねたが。
本年に入って、大きな事変が続いている。以前にまして、自分に見えるもの、見えないものが気に掛かる。そんな中で、母が逝った。
今、「背後」と呼んでいるそれは、おそらく今後も、私を離さないだろう。私は、自分が記憶としなかった幾つかのできごとに、気付かされるかもしれない。
(「あとがき」より)
目次
- 駆足足踏みをしている
- ここも磁場
- 日なたにいると
- 隙間を覗く
- 昼は
- (欠如)
- 雨の後
- はっとふり向く
- その後
- 先刻
- 獲物の見える風景
- 川の手前
- (欠如)
- 指先で線をなぞる
- 写真の人
- 見慣れた数字
- 天窓の下
- 折る日々
- (欠如)
- 鹿の写真
- 一を数える
- Si
- 境界辺り
- 白に触れる