子種 有賀喜代子

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 1958年11月、中央公論社から刊行された有賀喜代子(1909~1998)の第1著作集。第1回女流新人賞受賞作。装幀は高橋忠弥(1912~2001)。

 

「子種」は婦人作家の作品としては稀なほど女性の「性」を突放して冷やかに見ている。ここによび出された一人の老婆は、女性の肉体のいとわしさと、家に対する妄執とを語るために「楢山節考」の老婆とは全く正反対な方向に向いてのろいの言葉を喚きつづける。長男の嫁と次男とを土蔵に押しこめて外から錠をおろし、「子種を貰ってくれ!たのむ!」と叫んだその叫び声には家の制度の中に潜んだ悪魔のこだまのような無気味さも添っている。古い農村の因習に新しい照明をあてた新農民小説でもある。(平林たい子

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  • 子種


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有賀喜代子―わたしの気になる人⑪(ちきゅう座)

 

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聖盗賊 金石稔詩集

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 1971年8月、書肆山田から刊行された金石稔(1947~)の詩集。画像は35部限定版。

 

目次

序・肆拾肆品

綺華楽の黄昏

  • 嬰児怨楽 I
  • 嬰児怨楽 Ⅱ
  • 嬰児怨楽 Ⅲ
  • 地球軆譚 I
  • 地球軆譚 Ⅱ
  • 地球軆譚 Ⅲ
  • 結昏頌華 I
  • 結昏頌華 Ⅱ
  • 結昏頌華 Ⅲ

聖盗賊

  • 少年婚
  • 睡葬楽
  • 風媒譚
  • 穢舟
  • 曝書
  • 碑銘
  • 咒恨華
  • 昇天賻
  • 聖盗賊

緑の怨楽・後書

 

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少女達の野 鈴木志郎康詩集

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 1989年1月、思潮社から刊行された鈴木志郎康(1935~)の詩集。装画は門坂流(1948~2014)。

 

目次

  • 光、凝る 野ノ録録タル(コピーに取って……)
  • オレの側と極小の黒烈光 野ノ録録タル(そのそばがひどくまずかった……)
  • 処女の乳首 野ノ録録タル(『海の波』という本は……)
  • その夜
  • 東廻り 野ノ録録タル(沖縄本島石垣島……)
  • 徙説・沖縄の雪 野ノ録録タル(書くことばに詰まると……)
  • 詩人語り
  • 乳房のレジェンド 野ノ録録タル(垣花樋川を忘れることができない……)
  • 鯰まで 野ノ録録タル(一体何だったのか……)
  • 傾斜(obliquity)の気分
  • 渦巻まで、女は
  • 頴割舟
  • 諸手指者
  • 三度
  • 顔の裏側
  • 蜂とおむすび
  • 水の喩
  • 価値の問題
  • 見掛け上の力、股は、胡瓜の気稟
  • 線分の漫談
  • 野ノ録録タル


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植字工覚え書 太田朴翠詩集

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 1984年5月、太田朴翠詩集刊行委員会(代表・城侑)/詩人会議から刊行された太田朴翠(1935~1983)の遺稿詩集。

 

 詩集『植字工覚え書』は、昨年一月に急死した太田朴翠の最初の詩集であると同時に最後の詩集である。よくできているかどうかは、本づくりにうるさかった朴翠自身に聞いてみないとわからないが、彼の詩の愛好家や人間性にひかれている人なら、多分、よくできたとほめてくれるのではないか。
 詩集の制作には、詩人会議と彼が勤務していた光陽印刷の仲間の共同作業であたった。なかなか、うまい造り方に見えるかも知れないが、こうした分担ができるところに、まさに朴翠詩の特徴があるのではないかと思っている。彼が詩の主題として、活版印刷とはなにか、印刷労働者とはなにかと、鉛公害を一身にうけながら、現代の労働の本質を問うたことが、こうした詩集の成り立ち方と結びついていると考えるからである。
 ぼくは個人的にも、何回か詩集をださないかと朴翠にすすめたことがあったが、遂に彼は自分では手がけなかった。こうして詩集ができてみると、朴翠には、やっぱりこういうつくり方が、ふさわしかったのだと思っている。
 ところで、彼が亡くなって、ぼくははじめて知ったことだが、太田朴翠というのはペンネームで、本名は加藤愽だった。これは短歌をやっていた頃のペンネームだといわれているが、彼は詩の面でもいわゆる「戦後詩」と呼ばれた時期、つまり「詩は批評だ」という概念が、ひろく一般的に通用していた頃の、ひろい意味での現代詩の影響をうけていたことを、ぼくに話してくれたことがあった。
 この詩集には、最近のほぼ二十年間に書かれた作品が選ばれているが、彼の詩の魅力の一要素である自虐的な一面は、そうした彼の詩の出発と深いかかわりがあるのではないかと思っている。
(「まえがき/城侑」より)

 

目次

まえがき 城侑

第一部 植字工覚え書

  • 植字工覚え書
  • 神経がやられ始めました
  • 一人前の活版屋の職人になりたい
  • 暗い職場のなかで
  • 夜っぴて働いて朝を待つ
  • 活版屋の職人にだけは嫁にやりたくない
  • カッパンやのショクジコウ
  • 植字工の仕事は……
  • 十五年ちかい経験をもった植字工が退めていった
  • 始業ベルから昼休みまで
  • 誤植〈植字工覚え書〉

第二部 おれと息子とザリガニと

  • 花を植えるあなたに
  • おれと息子とザリガニと
  • なんばんこう――とうがらし――
  • 花ヘ―――娘と息子に――
  • 胃袋いっぱいに めしをくおう
  • 生きざま
  • くゎつと眼をひらいて
  • ふりむかない
  • 風――女に――

第三部 たたかうからには

  • 眼や眼のなかの眼
  • トカップ
  • きいているか
  • たたかうからには
  • 1963・7月5日夜
  • 旗をかざす人々
  • 毒はいつもかくされている
  • 一九七四年一月の朝
  • 走りいそぐ
  • 黙れ 黙れというのですか

第四部 エッセイ・童話

  • 活版屋稼業
  • 魅力ある職場をめざして
  • むかし紅花 いまサクランボ
  • 〈童話〉きのこのはなし

 

解説奥田史郎
作品目録
略年譜
あとがき


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正津勉詩集 新鋭詩人シリーズ3

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 1978年4月、思潮社から刊行された正津勉(1945~)の第4詩集。装画は東芳純、装幀は菊地信義(1943~)。

 

目次

『惨事』杪

  • 惨事I
  • 惨亊Ⅱ
  • 惨事Ⅲ
  • 惨事Ⅳ

『散華詩篇』抄

  • 綺羅星、きらら……
  • 鉦叩
  • 弟、ああ……
  • 明けがらす
  • 北野サヨ子宮原宮助金山春夫
  • 馬返し猪落し獅子吼

『帰去来散稿』抄

  • しんくうかん事件
  • 秩父宮ラグビー場
  • 壇金館後朝譚
  • 理科室地獄
  • 聖家族
  • 夢ながら夢ながら
  • ラジオのように
  •  守り札、従軍服、からんからん
  •  腰弁当
  •  美顔水、玉の肌、野球拳
  •  母さん、クリスマス
  •  飯ない飯ないじゃんけん
  •  ぽん!
  • ちゃぶせちゃぶせよ
  • 帰去来散稿

『ならば黎明』抄

  • ならば黎明
  • V
  • 生誕
  • 花嫁
  • チャイらのために
  • Ⅰ父さん!
  • Ⅱチャイ!
  • Ⅲカァ坊!
  • Ⅳポチ公!
  • Ⅴ母さん!

未刊詩篇 

  • 港のマミー
  • ちぎれ雲、想いはいつも
  • Oho Happy Days!
  • 東京暮色'77


事実を突き付ける詩人・正津勉――鈴木志郎康

 

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晴れる空よりもうつくしいもの 白鳥央堂詩集

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 2012年5月、思潮社から刊行された白鳥央堂(1987~)の第1詩集。附録栞には「白鳥央堂の詩について」(瀬尾育生)、「終わらない浅い息」(杉本真維子)を収録。著者自装。第47回現代詩手帖賞受賞作。第18回中原中也賞候補作。


目次

  • 雷鳴語による新しい音楽
  • 宙に消え入る歌
  • ミト
  • 破氷の陸
  • (Silent)Hymn
  • 遮音室
  • 二度は燃えないゴミの詩
  • Lullaby
  • つぐみに訊いた、いくつかの讃歌
  • 春はふたりぼろバスの最前に飛び乗って盛大に燃やすゴミの詩
  • グレングールド
  • Campfiresongs
  • ネスト
  • ”パイオニア”という木靴を履いて渋谷の屋根裏で踊った日
  • 「open/start」
  • 晴れる空よりもうつくしいもの
  • 亡羊と、ぐりぐりのきみへ

書評等
詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)
森のことば、ことばの森


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葉櫻 古木鐵太郎

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 1972年3月、皆美社から刊行された古木鐵太郎(1899~1954)の短編小説集。装幀は里見勝蔵(1895~1981)。

 

目次

  • 子の死と別れた妻
  • 松風
  • 葉桜
  • 秋の陽
  • 父の夢
  • 幼年時代

解説 浅見淵


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