その他評論評伝

女も戦争を担った 川名紀美

1982年8月、冬樹社から刊行された川名紀美(1947~)の評論集。装幀は中島かほる。 目次 第一章 息子を「売った」母 第二章 永遠の恋人 第三章 女講師の涙 第四章 「一太郎やあい」 第五章 白いエプロン 第六章 女のいくさ 第七章 見えなかった戦争 第八章 …

蛆の乞食よ目をさませ 本物の教祖・北村サヨの生涯 森秀人

1975年10月、大和出版販売から刊行された森秀人(1933~2013)による北村サヨの評伝。カバー装幀は代田奨。北村サヨは天照皇大神宮教の教祖。 目次 序章 焼跡に立つ神 "敗戦"と価値観の転倒 「踊る宗教」との出会い 都会知識人の拒絶反応 熱狂的"東上"〟 中…

女性文学の現在 貧困・労働・格差 矢澤美佐紀

2016年4月、菁柿堂から刊行された矢澤美佐紀(1964~)の評論集。社会文学叢書 目次 Ⅰ 女性の貧困・格差 1 現代女性文学における「貧困」の諸相 2 〈ニッチ〉としての正しい生き方―——津村記久子 『ポトスライムの舟』の世界観 3 ロストジェネレーションのし…

知覧特別攻撃隊 いまここに知覧特別攻撃隊のすべてが結晶する 村永薫編

1989年4月、ジャプランから刊行された知覧特別攻撃隊の解説書。編集は村永薫。 目次 はじめに 知覧特別攻撃隊の概要 村永薫 留魂録(日記) 佐藤新平 遺書・遺詠 女子勤労奉仕隊員の記録 前田笙子 遺族への手紙 帖佐潤子 特攻の母 鳥浜とめ 特攻隊戦没者名簿 …

破天の人 韓国のスーパーアーティスト金大煥 大倉正之助

2005年5月、アートンから刊行された大倉正之助による金大煥の評伝。構成は篠藤ゆり。カバー写真はCHUN KYUNG-WOO。アートディレクションは長友啓典、ブックデザインは山田真介+K2、編集は上野晶子。 目次 第一部 別れ、そして出会い 第二部 遡る旅 第三部 …

シルヴィア・プラスの愛と死 井上章子

2004年2月、南雲堂から刊行された井上章子によるシルヴィア・プラス論。装幀は岡孝治。 目次 はしがき 出会いのインパクト 経験の統一としての詩の方法 不安なミューズの漂う風景 生きられた神話 全詩集再続 新しい誕生 「ヤドー」 詩篇群の位置 若き詩人と…

山の思想史 三田博雄

1975年6月、岩波書店から刊行された三田博雄(1909~1989)の評論集。 目次 Ⅰ なぜ山へ登る Ⅱ 北村透谷 Ⅲ 志賀重昂 Ⅳ 木暮理太郎 Ⅴ 武田久吉 Ⅵ 田部重治 Ⅶ 大島亮吉 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

韻流の宇宙 山本陽子論集 渡辺元彦

2001年6月、漉林書房から刊行された渡辺元彦による山本陽子論。 山本陽子の詩篇についての論は、まだ緒についたばかりである。というのも、仲々簡単にはその扉を開いてはくれないということもあり、もっといえばこの扉が何か分からないという点にも困ってい…

口語自由律短歌の人々 光本恵子

2019年3月、鶫書房から刊行された光本恵子(1945~)の評論集。イラストは佐藤英里子。未来山脈叢書第203篇。著者は鳥取県生まれ。 本書は二十年にわたり、新聞「長野日報」紙に書き続けてきたものの一部をこの度、まとめたものである。 明治時代は文学も新…

反戦川柳作家 鶴彬 深井一郎

1998年9月、日本機関紙出版センターから刊行された深井一郎(1925~)による鶴彬の評伝。 目次 一 プロローグ 1詩作品 2川柳作品 3評論作品 4鶴と啄木、鶴と小林多喜二、 蔵原惟人と鶴彬 5鶴彬の川柳遍歴 二 生い立ちと「新興川柳」 明治四二年(一九〇九)~…

女人短歌 小さなるものの芽生えを、女性から奪うことなかれ 濱田美枝子

2023年6月、書肆侃侃房から刊行された濱田美枝子(1947~)の評論集。編集は藤枝大、装幀は成原亜美。第22回日本歌人クラブ評論賞受賞作品。 目次 はじめに 第一章 『女人短歌』前史──昭和戦時下に生きた女性歌人たちの歌 1 国民に課せられた時代の要請 2 戦…

詩人は聖書をどのように表現したか 柴崎聰

2022年4月、新教出版社から刊行された柴崎聰(1943~)の評論集。装幀は長尾優。著者は仙台市生まれの詩人、刊行時の職業は大学講師。 目次 序章 新體詩の勃興 第1章 近代詩を開拓した先駆者たち 島崎藤村 三木露風 第2章 「なのはな」の詩人と「ほのお」…

海に消えた被爆朝鮮人徴用工 鎮魂の海峡 深川宗俊

1992年7月、明石書店から刊行された深川宗俊(1921~)によるノンフィクション。著者は広島県生まれ、原爆被爆当時、三菱重工業広島機械製作所で、朝鮮人徴用工の指導員として勤務。 目次 第一章 「原爆の日」からの旅立ち 1 ソウルの冬――一九七四年一月 三…

国家売春命令物語 みんなは知らない 小林大治郎 村瀬明

1971年10月、雄山閣出版から刊行された小林大治郎と村瀬明によるノンフィクション。物語歴史文庫19。 目次 序にかえて Ⅰ国家売春命令 国家売春の幕あけ 五千万円の女体防衛作戦 ”新日本女性”への突撃開始 悲鳴あげるR・A・A セックス防波堤あやうし 昭和のお…

畳ひかりて 飯島晴子の風景 平石和美

2011年8月、ふらんす堂から刊行された平石和美による飯島晴子論。装幀は中島恵雄。 俳句を始めて間もない頃、飯島晴子の句集『儚々』に出会いました。次から次へと気になる句が現れます。また、全句集を読むと『儚々』とは違う不思議な感覚に捉われ、晴子の…

植民地・朝鮮における雑誌『国民文学』 渡邉澄子

2018年8月、彩流社から刊行された渡邉澄子(1930~)の評論集。 目次 序にかえて 第一章 「皇道精神の昂揚」を掲げた朝鮮文壇 はじめに 『国民文学』とは 「国民文学』発刊の歴史背景 「国民文学』主宰者・崔戴瑞という人 『国民文学』――主宰者・崔戴瑞の思…

色彩文学論 色彩表現から見直す近代文学 大熊利夫

1995年11月、五月書房から刊行された大熊利夫の評論集。装幀は田淵裕一。 村上色彩技術研究所で十年間色彩関係の機器を設計していたころ、『COLOR SPACE』という社内報に、色についての歴史的、哲学的テーマのレポートを書いたことがあった。 これがきっかけ…

ハンセン病と戦後民主主義 なぜ隔離は強化されたのか 藤野豊

2006年10月、岩波書店から刊行された藤野豊(1952~)の評論集。装幀は後藤葉子。カバー写真は菊池恵楓園の隣接地に作られた「癩刑務所」の外塀。 目次 序章 ハンセン病絶対隔離政策史への視点 一 戦後隔離政策の前史 二 世界の隔離と「日本型隔離」 三 本書…

美酒すこし 中桐文子

1985年6月、筑摩書房から刊行された中桐文子による夫・中桐雅夫(1919~1983)の回想録。 目次 「かわいそうなひと」 序にかえて 相手は学生 冷たい季節 二つの歯車 不自由が丘 明日は昏く 蜉蝣のように 泥沼の中 翼と風と 危機すでに 孤りで歩く ピアノ狂い…

極北の天 野沢省悟 現代川柳評論集

1996年11月、青森県文芸協会出版部から刊行された野沢省悟(1953~)の評論集。装幀は桜庭利弘。あおもり選書14。著者は青森県上北野郡野辺地町生まれ、刊行時の住所は青森市石江富田。 目次 序文・川柳の見方が変わる本 田口麦彦 一章 評論 川柳の海で 自己…

家族ぐるみ・町ぐるみ 地域社会における労働者の位置と役割 森直弘

1958年5月、三一書房から刊行された森直弘(1911~)の評論集。 目次 はしがき 一 保守派の温床・地域社会 暴言まかり通る 政治的手腕 親馬鹿のうえにあぐら チャッカリ者の喰い物 躍る世話役、ホクソ笑む保守派 封建的な「関係の力」 「決めたのはみんなだ…

歌え、わが明星の詩 前田愛子

1988年9月、かもがわ出版から刊行された前田愛子(1930~)による真下飛泉(1878~1926)の評伝。 観光客で賑わう京都知恩院の境内に、「ここはお国を何百里」と、力強い文字で刻んだ石碑が建っている。 良正院の門前にあるこの碑は、『戦友』の作詞者である…

レオノーラ・キャリントン 野中雅代

1997年10月、彩樹社から刊行された野中雅代によるレオノーラ・キャリントンの評伝。装幀は+COHO。 レオノーラ・キャリントンに初めて逢ったのは、一九八五年大地震に襲われた直後のメキシコ・シティだった。当時はレオノーラについてのまとまった研究書は英…

長谷川時雨 人と生涯 長谷川仁 紅野敏郎編

1982年3月、ドメス出版から刊行された長谷川時雨(1879~1941)の評伝。編者は長谷川仁と紅野敏郎。カバーは長谷川春子(1895~1967)。 私を生むと間もなく病死した生母に代わり、生まれ落ちるより一人前の大人になるまで私を薫育し、明治、大正、昭和の三…

輝く晩年 作家・山川亮の歌と足跡 小泉修一

2004年2月、光陽出版社から刊行された小泉修一(1926~)による山川亮(1887~1957)の評伝。山川亮は山川登美子(1879~1909)の弟。 山川亮という作家の足跡は、今日ほとんど顧みられる機会がなく、わけても戦後発表した短歌は埋もれてしまっている。鳳逸…

みだれ髪 母・与謝野晶子の全生涯を追想して 森藤子

1967年9月、ルック社から刊行された森藤子(1919~2012)による与謝野晶子(1878~1942)の評伝。題字は沖六鵬。著者は与謝野晶子の六女。 目次 一 序章 二 ふるさと 幼などち するがや 生いたち 三 少女のころ 蕾の日 小豆の香 蔵ごもり 四 帳場格子のなか …

人民戦争論 ボー・グエン・ザップ 奥源造 野波勝三郎

1971年6月、新人物往来社から刊行されたボー・グエン・ザップ(1911~2013)の軍事論文集。編集は奥源造、翻訳は野波勝三郎。 目次 はしがき ・軍事路線の基本的論点 わが党の軍事路線における基本的論点の発展――一九六四年、ベトナム人民軍創立三十周年記念…

無頼の悲哀 歌人大野誠夫の生涯 坂出裕子

2007年7月、不識書院から刊行された坂出裕子(1936~)による大野誠夫(1914~1984)の評伝。 目次 生い立ち 雪の歌 絵 樹木のうた 犬の歌――孤独の呟き ふるさと――萩原朔太郎 娘のうた――家庭 子の歌――自己愛 母 父 里子論――漱石と龍之介 太宰治僮憬──桜桃 疎…

歩行者の論理 長谷川鑛平

1948年2月、眞善美社から刊行された長谷川鑛平(1908~1995)の評論集。著者は岐阜県生まれ、刊行時の職業は中央公論社編集者。 目次 I 二葉亭四迷 森鴎外 國木田獨歩 獨歩病牀録より 谷崎潤一郎 II 井伏鱒二 曉と一雄と鱒二 石川淳 III ヒューマニズムにつ…

詩とマルキシズム ジョージ・トムソン 小笠原豊樹訳

1955年11月、和光社から刊行されたジョージ・トムソン(1903~1987)の評論。翻訳は小笠原豊樹。現代選書。 目次 はしがき ベンジャミン・ファリントン 1 ことばの魔術 2 リズムと労働 3 即興とインスピレーション 4 敍事詩 5 演劇の発展 6 悲劇 7 これから…