ハンセン病文学

棕梠の葉 川島多一歌集

1977年10月、短歌新聞社から刊行された川島多一(1913~)の歌集。 私は大正二年群馬県の片隅の農村に生れました。米作と僅かな養蚕を営む農家の八人きょうだいの末子でした。物心ついたときはすでに父は亡くなっていました。 小学校を卒える春のこと、背中…

鶯の啼く地獄谷 香山末子詩集

1991年7月、皓星社から刊行された香山末子(1922~1996)の第2詩集。装幀は藤林省三。著者は韓国生まれ。1945年、栗生き楽泉園に入園。 目次 Ⅰ 消えた足あと 消えた足あと ため息 まっかなトマト 湯煙のように あの日の別れ 冬の想い出 夢はしっかりそのまま…

来者のこえ 続・ハンセン病療養所からのメッセージ 島比呂志

1988年9月、社会評論社から刊行された島比呂志(1918~)のエッセイ集。装幀は貝原浩。 目次 ここは日本か 序にかえて 第一部 米者の紙碑 跣足の詩人――大江満雄「癩者の憲章」 来者の紙碑――越一人詩集『違い鷹羽』 未来を考える――『姶良野』通巻二百号に思う…

一粒の麦 藤田峰石川柳句集

1999年2月、葉文館出版から刊行された藤田峰石(1926~)の川柳句集。1945年7月、国立栗生楽泉園入園。 目次 序 『一粒の麦』に寄せて 西来みわ 春の使者たち(昭和五十年~昭和五十八年) 十字架の光(昭和五十九年~平成二年) 高原の銀河(平成三年~平成…

麻痺した顔 らいの検診カルテから 原田禹雄

1979年5月、ルガール社から刊行された原田禹雄(1925~)の記録集。著者はハンセン病療養所の国立療養所長島愛生園医長、邑久光明園長、等歴任。著者は、寺山修司、塚本邦雄、山中智恵子らと共に、前衛短歌誌「極」で活躍。 主として戦後になってから、らい…

生きものの刻 名草良作

1972年1月、私家版として刊行された名草良作の短編小説集。 目次 序にかえて おびえるか影に およばざるか愛は 黒い愛 生きものの時 生きものの刻 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

としつきの音 横山石鳥歌集

1975年11月、草津公論社から刊行された横山石鳥の歌集。 この歌集は、私が昭和二十二年(二十二オ)群馬県草津町にある国立療養所栗生楽泉園に入園したとき以来、昭和三十四年(三十四才)までの十三年間の作品から、五百二十二首を収録した。そのうち昭和三十三…

津田治子の歌と生涯 川合千鶴子 成瀬晶子 福原滉子 枡本良

1979年4月、古川書房から刊行された津田治子研究書。共同著者は、川合千鶴子、成瀬晶子、福原滉子、枡本良。 目次 序歌 五味保義 序に代えて 內田守人 津田治子と言いそむ 鶴田ハルコ 回春病院――ミス・ライト 短歌との出逢い 肉親(一) 肉親(二) 肉親(三…

身不知柿 古川時夫歌集

1976年5月、村松武司の梨花書房から刊行された古川時夫(1918~)の歌集。著者はハンセン病患者。刊行時は国立療養所栗生楽泉園入所中。 ハンセン氏病(らい)の歴史は永く、それはまだ終ってはいないし、社会的偏見と差別の夜は明けていません。しかし私たち…

望郷の丘 多磨盲人会創立20周年記念誌

1979年5月、多磨盲人会から刊行された会員アンソロジー。編者代表は多磨盲人会記念誌編纂委員会汲田冬峯。 目次 『望郷の丘』発刊にあたって 汲田冬峯序文 大西基四夫 ・第一部 明治四十二年――昭和十年頃 杉山かく 土葬 騷動 慰安、娛樂 高田サオリ 大楓子油…

詩集緑の岩礁 長島詩謡第二作品集 長島詩謡会

1951年11月、長島愛生園慰安会から刊行されたアンソロジー詩歌集。 長島の人々は甘年前にこの島に愛生園が誕生した時からすでに詩の発足をしていられ、昭和十一年には「長島詩謡」第一輯と云う立派な詩集を出していられる。それは光田園長先生及び當局の方々…

第一日の孤独 塔和子詩集

1976年3月、蝸牛社から刊行された塔和子(1929~2013の第4詩集。題字は大岡信、装幀は渡辺隆。 私にとってこのかけがえのない一回きりの生は、遠い始祖からの血の流れの中で、生まれ死に生まれ死に、際限もなく受けつがれて来た、ひとつぶの層によって在らし…

津軽の子守唄 桜井哲夫詩集

1988年11月、編集工房ノアから刊行された桜井哲夫(1924~2011)の第1詩集。カバー装画は加藤祐司。編集協力は社団法人好善社。 桜井哲夫の詩 村松武司 草津の療養所、栗生楽泉園に桜井哲夫という詩人がいる。彼の年齢は一九二四年生れというから、いま六十…

深い淵から ハンゼン氏病患者生活記録 堀田善衛/永丘智郎編

1956年5月、新評論社から刊行されたハンセン病患者の生活記録アンソロジー。編集は堀田善衛と永丘智郎。カバー装画は永丘智行。2003年に新評論からオンデマンド版が復刊された。 ある日、慰問をかねての講演を終えてから、わたくしは、全生園の研究室で、こ…

鼻の周辺 風見治

1996年4月、海鳥社から刊行された風見治(1932~2018)による短編小説集。表紙カバー絵は著者による「アンガマの面」。1986年、「鼻の周辺」で第17回九州芸術祭文学賞受賞作品。著者は長崎市生まれ、1952年に菊池恵楓園に入園。1962年に星塚敬愛園に移った。…

句集東風 第二輯 大島青松園邱山会編

1953年7月、大島青松園協和会文化部から刊行されたハンセン病句集。 私等の詩碑として、五百二十二句を再び世に送る事の出來ますことは此の上もない欣びであります。 本句集は昭和十一年に発行されました、「邸山句集」に次ぐ第二句集でありまして、量質共に…

骨片文字 栗生詩話会編

1980年11月、皓星社から刊行されたハンセン病合同詩集。 栗生楽泉園の詩話会の合同詩集『くまざさの実』が刊行されてから七年経った。そのときの詩人のうちの六人に、新たな詩人四名が加わって、今回の十人詩集『骨片文字』が編まれることになった。新たな詩…

分身 塔和子詩集

1969年11月、私家版として刊行された塔和子(1929~2013)の第2詩集。題字は宇留野清華、装画は二葉由美子。 私にとって、この現実はすべて詩を産むための母体でした。苦しいときは苦しみを養分にして悲しいときは悲しみを養分にして詩をみどもり、まるで月…

瀬戸の曙 内田守人編

1939年10月、婦女界社から刊行された明石海人追悼アンソロジー。編者は内田守人。題簽は光田健輔。 目次 ・明石海人追悼篇 宿命の歌人明石海人の一生・虫明邦夫 病友明石海人の思ひ出・山口義郞 聖純なる友情・春野雪彥 宿命の夫を悼む・明石春子 ・病者手記…

跫音 木島始編

1957年11月、出版書肆パトリアから刊行されたハンセン病小説アンソロジー。著者代表は国立療養所邑久光明園創作会、編集は木島始。 ……白い砂、青い松、ないだ海、あたたかい微風、なだらかな坂道、……わたしは小島を一周してそれから文芸会のひとびとと話をす…

慟哭の歌人・明石海人とその周辺 松村好之

1980年6月、小峯書店から刊行された松村好之(1911~)による明石海人の評伝。装幀は島村晴雨。著者は香川県大川郡生まれ。1926年、15歳でハンセン病に罹患、明石楽生病院に入院。病院閉鎖に伴い、20歳で愛生園に転園。 目次 序 しのびよる病魔 見しらぬ里へ…

栗生楽泉園の詩人たち その詩と生活 久保田穣

2007年6月、私家版として刊行された久保田穣(1934~2014)によるハンセン病詩論集。編集はノイエス朝日企画編集部。第9回小野十三郎賞特別賞受賞作品。 目次 海抜三千尺―陸の中の離島―栗生楽泉園 加藤三郎詩集『僕らの村』 ユーモアと向日的な明るさ 小林弘…

傷める葦 邑楽愼一

1940年3月、山雅房から刊行された邑楽愼一によるハンセン病診療手記。 目次 1 レプロローグの手帖 A ちづ女 B 夜風 C 輸血 D 愛憎 E 浮浪癩者 F 縣君 2 逃亡者 3 収容病棟物語 4 黎明 5 窪地の家その他 A 窪地の家 B 噂 C 牢獄の心 6 虹立つ谿 7 欧州…

来者の群像 大江満雄とハンセン病療養所の詩人たち 木村哲也

2017年8月、編集室水平線から刊行されたハンセン病詩人評伝。装画は池野清「鳩笛たち」。 目次 はじめに 第一章『いのちの芽』のあとさき 多磨全生園 山下道輔さん、国本衛さん 『いのちの芽』にいたるまで――「園内文芸運動の隆盛 理解者をつくろう らいはア…

小島に生きる 長島愛生園編

1952年7月、宝文館から刊行されたハンセン病文学アンソロジー。 ハンゼン氏病菌(癩菌)は、人類の発生と同時に、世界に存在したようである。人体の皮膚粘膜、末梢神経に好んで寄生して、人間を苦しめて来たものであり、人の面皮を破り、手足の自由を奪い、つ…

いのちの宴 塔和子詩集

1983年9月、編集工房ノアから刊行された塔和子(1929~2013)の第7詩集。装幀は栗津謙太郎。 私達は、もぎたての果実を前にしたとき、その果実が、つながっていたいのちの木をはなれて、そこに在るという現実は、果実が着果する前の闇、そして、熟した新鮮さ…

いのちの芽 日本ライ・ニューエイジ詩集 大江満雄編

1953年4月、三一書房から刊行されたハンセン病詩人アンソロジー。編者は大江満雄。 目次 厚木叡 伊藤秋雄 田所靖二 北川光一 石川淸澄 宇津木豐 右川斗思 盾木弘 國本昭夫 氷上惠介 奧二郎 白浜浩 船城稔美 生多純 梶澄夫 多岐葉一 比良田信吉 館裕子 深山裕…

いのちを紡ぐ 詩人・塔和子追悼集

2014年6月、塔和子の会から刊行された追悼集。代表は川崎正明、編集は石塚明子、涸沢純平、長瀬春代。 目次 はじめに 川崎正明 Ⅰ 塔さん ありがとう! 河本睦子 出会い 石井英子 永遠の乙女 相川栄蔵 塔和子さんを送る 川崎正明 詩の神様 彩音まさき 塔和子…

いちま人形 塔和子詩集

1980年8月、花神社から刊行された塔和子の第6詩集。装画は新井豊美。 生きているという、私の生身は常にいやおうなく満干を受け止めて在らされています。 そして私は、かわいたときの痛みや満たされているときの喜びの中で、さまざまなことを考えますが、自…

聖なるものは木 塔和子詩集

1978年8月、花神社から刊行された塔和子の第5詩集。装画は新井豊美。 闇と光と闇と、いま在るということは、産れない前の闇と、存在を頭にしている光の時間、そして、やがて死滅し帰るであろう、闇の間に置かれている、しばらくの光の中にいる、また在らされ…