ハンセン病文学

光を見た ハンセン病の同胞たち 趙根在

2024年6月、クレインから刊行された趙根在(チョウ・グンジェ、1933~1997)のエッセイ集。著者は写真家。 目次 ハンセン病の同胞たち 炭鉱・朝鮮人・ハンセン氏病 片割れ監修者の私記 哀哭・上野英信先生 八十三年の夢 本書について趙根在写真掲載リスト趙…

挑発ある文学史 誤読され続ける部落/ハンセン病文芸 秦重雄

2011年10月、かもがわ出版から刊行された秦重雄(1953~)の評論集。装幀は川本浩。カバー写真表は続「小島の春」を掲載した『婦人公論』、背は岡本起泉『東京奇聞』三編中、裏はハングル版『破戒』収録の『世界文学全集』(ソウル、正 音社刊、一九六二年、…

忍びてゆかな 小説津田治子 大原富枝

1982年6月、講談社から刊行された大原富枝(1912~2000)の長編小説。装幀は朝倉摂。 目次 第一章 ミス・ハンナ・リデールの家 第二章 短歌、わが甦り 第三章 結婚 第四章 忍びてゆかな 終章 あとがき NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

はだか木 塔和子詩集

1981年8月、VAN書房から刊行された塔和子(1929~2013)の詩選集。装幀は河本勉。 一九六一年発行の「はだか木」は河本睦子さんのご厚意によって出版された私の処女詩集ですが、その後久しく絶版になっていますので、その中から二十一篇を抜粋してここに編ん…

奇妙な国 島比呂志

1980年7月、新教出版社から刊行された島比呂志(1918~2003)の短編小説集。著者は観音寺市生まれ、1947年にハンセン病療養所大島青松園に入院、48年に星塚敬愛園へ転園。1958年より同人誌「火山地帯」を主宰。 目次 奇妙な国 永田俊作 碧い勾玉 カロの位置 …

風花 冬敏之 遺作集

2002年12月、壺中庵書房から刊行された冬敏之(1935~2002)の短編小説集。 目次 柊の花 薄明かり 風花 病み棄て 抄 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

射こまれた矢 能登恵美子 遺稿集

2021年3月、増補版として皓星社から刊行された能登恵美子(1961~2011)の遺稿集。著者は皓星社『ハンセン病文学全集』の編集者。 目次 序文 能登恵美子さん 鶴見俊輔 はっきりとした目的を持った人 加賀乙彦 ・射こまれた矢 タイムカプセルに乗った書籍 隔…

真夜の祈 玉木愛子

1982年12月、新地書房から刊行された玉木愛子(1887~1969)の句文集。題簽は高浜虚子。 目次 序 光田健輔 序 政池仁 序 梶井枯骨 ・俳句集 新年 春 夏 秋 冬 ・文集 年豆を夜空に投げて泣く娘かな 覚めてゐて木乃伊のごとく臥て涼し 毛蟲匐へり蝶と化る日を…

霊魂は羽ばたく 長田穂波詩集

1975年5月、ろばのみみ編集部から復刻された長田穂波(1891~1945)の詩集。装幀は西坂修。表紙版画は渡辺禎雄「天国の鍵」。元版は1928年光友社発行。 復刻のことば 文学博士 関根文之助 このたび、長田穂波著の詩集『霊魂は羽ばたく』が、復刻本として、限…

生れざりせば ハンセン氏病歌人群像 内田守人

1976年5月、春秋社から刊行された内田守人の評論集。表紙は秀島由巳男。 私が熊本の国立ハンセン氏病療養所九州療養所(現名菊池恵楓園)の医局に腰を据えたのは大正十三年四月で恰度五十二年の昔となる。この間熊本に十年、岡山の長島愛生園に五年、青森の松…

僕らの村 加藤三郎詩集

1992年10月、皓星社から刊行された加藤三郎(1910~)の詩集。装画は石川吉郎、装幀は藤林省三。著者は秋田県生まれ、1948年に栗生楽泉園に入所。刊行時の住所は吾妻郡草津町。 泣きごとを云うよりはと思い、友だちから短歌を習い、まだ小さい四人の子供たち…

伝説 光岡良二詩集 

1983年7月、沖積舎から刊行された光岡良二(1911~1995)の詩集。 もともとは歌つくりの私が、戦後のある時期にだけ詩を書いていました。詩作はせいぜい五、六年の間で、その前にも、後にもないのです。私の三十代後半にあたり、とても青春などと呼べる年代…

冬の旅 大屋典一

1956年1月、河出書房から刊行された大屋典和(1916~1988)の長編小説。カバーは高橋忠彌。大屋は一色次郎の本名。第22回直木賞候補作品。 目次 右手 下流から下流へ 土砂降り 冬の旅 あとがき NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

望ケ丘の子供たち 長島愛生園編

1941年8月、山雅房から刊行されたハンセン病児童文学アンソロジー。編集者代表は長島愛生園長の光田健輔。 目次 序 光田健輔先生 序 下村海南先生 生活記録篇 童謠及自由詩篇/187 短歌篇 俳句篇 附録(其の一) 附録(其の二) 附録(其の三) 卷末附記 内田…

雪ふる音 津田治子歌集

1964年3月、白玉書房から刊行された津田治子(1912~1963)の遺歌集。 目次 序 五味保義 昭和二十九年(七十五首) 昭和三十年(百十六首) 昭和三十一年(五十九首) 昭和三十二年(七十六首) 昭和三十三年(九十三首) 昭和三十四年(九十六首) 昭和三十…

ハンセン病と戦後民主主義 なぜ隔離は強化されたのか 藤野豊

2006年10月、岩波書店から刊行された藤野豊(1952~)の評論集。装幀は後藤葉子。カバー写真は菊池恵楓園の隣接地に作られた「癩刑務所」の外塀。 目次 序章 ハンセン病絶対隔離政策史への視点 一 戦後隔離政策の前史 二 世界の隔離と「日本型隔離」 三 本書…

海の蠍 明石海人と島比呂志 ハンセン病文学の系譜 山下多恵子

2003年10月、未知谷から刊行された山下多恵子の評論集。カバー写真はみやこうせい。2017年に増補版が刊行された。著者は岩手県雫石町生れ。刊行時の職業は長岡工業高等専門学校非常勤講師。 目次 はじめに ・海の蠍 明石海人への旅 Ⅰ「癩」であること 1宣告―…

日常 塔和子詩集

1993年5月、日本基督教団出版局から刊行された塔和子(1929~2013)の詩集。装幀は熊谷博人。 私達、人間社会の中では、生存競争にしのぎをけずって傷つき疲よるべないことどもの中に、夫婦という至ってノーマルな人間関係があり、そこで互いにいたわりなが…

高野六郎歌集

1961年12月、新星書房から刊行された高野六郎(1884~1960)の遺稿歌集。 高野先生は私に取って職場と趣味と両立した先達であり恩人である。私が今日「ハンゼン」氏病短歌開拓者の栄誉を担い得ているのも、高野先生が療養所の元締である内務省の予防課長(後…

鬼の顔 谺雄二詩集

1962年10月、昭森社から刊行された谺雄二(1932~2014)の第1詩集。著者は東京都生まれ、刊行時の住所は国立療養所栗生楽泉園。 この「鬼の顔」は、過去一〇年間、私がほそぼそとかきつづって来たものの中から、記録的な作品を中心に編んだ小詩集である。 私…

極限のひと 病める人とともに 神谷美恵子

1973年9月、ルガール社から刊行された神谷美恵子(1914~1979)のエッセイ集。 目次 第一章 限界状況における人間の存在 癩療養所における一妄想症例の人間学的分析 人間学 日本における癩患者の精神状態 第二章 精神科の窓から 心に残る人びと 癩園内の一精…

漂泊の日に 國満静志

1988年9月、皓星社から刊行された國満静志(1912~1987)の詩文集。著者は旧制高校卒業後にハンセン病発病。1938年長島愛生園に入所、1941年逃走、1947年多磨全生園入所。1957年から入退所を繰り返す。1972年以降は多磨全生園で過ごす。 目次 ・詩 このいの…

草津アリラン 香山末子詩集

1983年8月、梨花書房から刊行された香山末子(1922~1996)の第1詩集。カットは武田幸経。らい文学選書。 この度、高原詩話会の選者の村松武司さんの御すすめにより、香山末子さんが還歴を機に詩集を出版することになった。 香山さんは昭和十九年にハンセン…

飛んで行きたや 沖縄愛楽園より 平得壯市 俳句・短歌集

2019年6月、コールサック社から刊行された平得壯市(1936~)の句歌集。著者は与那国島生まれ、1951年からハンセン病療養施設「沖縄愛楽園」に入院。 目次 俳句Ⅰ 飛んで行きたや 俳句Ⅱ 肩寄せ合って 俳句Ⅲ 語り部たちの皺深く 短歌Ⅰ 共に歩みし 短歌Ⅱ 心豊か…

棕梠の葉 川島多一歌集

1977年10月、短歌新聞社から刊行された川島多一(1913~)の歌集。 私は大正二年群馬県の片隅の農村に生れました。米作と僅かな養蚕を営む農家の八人きょうだいの末子でした。物心ついたときはすでに父は亡くなっていました。 小学校を卒える春のこと、背中…

鶯の啼く地獄谷 香山末子詩集

1991年7月、皓星社から刊行された香山末子(1922~1996)の第2詩集。装幀は藤林省三。著者は韓国生まれ。1945年、栗生き楽泉園に入園。 目次 Ⅰ 消えた足あと 消えた足あと ため息 まっかなトマト 湯煙のように あの日の別れ 冬の想い出 夢はしっかりそのまま…

来者のこえ 続・ハンセン病療養所からのメッセージ 島比呂志

1988年9月、社会評論社から刊行された島比呂志(1918~)のエッセイ集。装幀は貝原浩。 目次 ここは日本か 序にかえて 第一部 米者の紙碑 跣足の詩人――大江満雄「癩者の憲章」 来者の紙碑――越一人詩集『違い鷹羽』 未来を考える――『姶良野』通巻二百号に思う…

一粒の麦 藤田峰石川柳句集

1999年2月、葉文館出版から刊行された藤田峰石(1926~)の川柳句集。1945年7月、国立栗生楽泉園入園。 目次 序 『一粒の麦』に寄せて 西来みわ 春の使者たち(昭和五十年~昭和五十八年) 十字架の光(昭和五十九年~平成二年) 高原の銀河(平成三年~平成…

麻痺した顔 らいの検診カルテから 原田禹雄

1979年5月、ルガール社から刊行された原田禹雄(1925~)の記録集。著者はハンセン病療養所の国立療養所長島愛生園医長、邑久光明園長、等歴任。著者は、寺山修司、塚本邦雄、山中智恵子らと共に、前衛短歌誌「極」で活躍。 主として戦後になってから、らい…

生きものの刻 名草良作

1972年1月、私家版として刊行された名草良作の短編小説集。 目次 序にかえて おびえるか影に およばざるか愛は 黒い愛 生きものの時 生きものの刻 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索