2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

しゃれこうべの笑い 岩井美佐子詩集

1966年12月、木馬詩房から刊行された岩井美佐子(1941~)の第1詩集。表紙は宮川長治。著者は高知県生まれ、刊行時の住所は柏原市大県。 目次 空 井戸 眠り 痛み 早退 執着 こわれた音楽会で しゃれこうべの笑い 蛸 日暮 風のある屋台 鷄 時に 風が強い日に…

畳ひかりて 飯島晴子の風景 平石和美

2011年8月、ふらんす堂から刊行された平石和美による飯島晴子論。装幀は中島恵雄。 俳句を始めて間もない頃、飯島晴子の句集『儚々』に出会いました。次から次へと気になる句が現れます。また、全句集を読むと『儚々』とは違う不思議な感覚に捉われ、晴子の…

沖縄島 大崎二郎詩集

1992年9月、青帖社から刊行された大崎二郎の第6詩集。装幀は久保晃。第11回現代詩人賞候補作品。 戦前、一度も行ったことがないのに 夜、沖縄の宿でめざめると闇の中にとおい琉球時代の記憶のようなものがよみがえる。漆喰で固めた赤瓦の低い家並、緑の木陰…

黄金分割 小林貴子句集

2019年10月、朔出版から刊行された小林貴子(1959~)の第4句集。装幀は間村俊一。著者は長野県飯田市生まれ。 今年は二〇一九年、令和元年が始まっている。二〇〇八年に第三句集『紅娘』(本阿弥書店)を出してから、十一年も経ってしまった。そこで、まずは…

この道通りゃんせ 今村芳子詩集

1984年3月、現代詩工房から刊行された今村芳子の第1詩集。装画は斎藤香澄。著者は深谷市生まれ、刊行時の住所は埼玉県大里郡寄居町。 念願の詩集が出来た。詩を書く意味から大分それて、詩集を出す。と言うことのために書いていたような気がするが、矢張り、…

EVE・イヴ 鳴戸奈菜句集

1985年12月、琴座俳句会から刊行された鳴戸奈菜(1943~)の第1句集。 昭和五十一年暮れ、吉岡実編『「耕衣百句』を読み、深く感銘、すぐさま「琴座」に入会、今日に至っている。 祖父、父ともに無名ながら俳句を作り、一昨年秋、父の三回忌にあたり、「鳴戸…

女に雨が降る 高橋小夜子詩集

2010年12月、高橋音楽企画から再刊された高橋小夜子(1922~1969)の詩集。題字・装画/は西原比呂志、童画は高橋一仁、装幀は大橋ゆう子。元版は1974年刊行。著者は岡山県生まれ。 目次 祈祷 無言 自答 祖国 日本人 みんならの天がある 女に雨が降る 愛の詩…

植民地・朝鮮における雑誌『国民文学』 渡邉澄子

2018年8月、彩流社から刊行された渡邉澄子(1930~)の評論集。 目次 序にかえて 第一章 「皇道精神の昂揚」を掲げた朝鮮文壇 はじめに 『国民文学』とは 「国民文学』発刊の歴史背景 「国民文学』主宰者・崔戴瑞という人 『国民文学』――主宰者・崔戴瑞の思…

逃亡の研究 筧槇二詩集

1980年5月、文童社から刊行された筧槇二(1930~2008)の詩集。 目次 Ⅰ 逃亡の研究 刀 薮 女 斬 水 クロニクル・1 灯 影 闘 屠 峠 クロニクル・2 参考文献 Ⅱ 鬼 寄生 春雷 鴻の平 月を待つ 寄生虫 黒の地点 田貫湖 伊那路にて Ⅲ 南洋 象 陽 鉄路 音 海 靴 …

獄中句集 銀河蒼茫 野村秋介句集

1988年7月、二十一世紀書院から刊行された野村秋介(1935~1993)の句集。装幀は小林陽子。 目次 野村秋介氏の<断念> 中上健次 序にかへて 毛呂清輝 冬の部 春の部 夏の部 秋の部 獄中の野村秋介君へ 三上卓 大いなる落日――青木哲氏宛書簡 あとがき再度の「…

白い花びらのために 伊藤勝行詩集

1953年11月、詩宴社から刊行された伊藤勝行の詩集。装幀は山田隆一。 この詩集は、昭和二十七年一月から現在までの作品中から三十一篇を選んで收載したものである。ちょうど私が詩宴の同人となった時からの作品ということになるが、詩らしきものを書き始めた…

椅子とり遊び 宮本むつみ詩集

1974年1月、青土社から刊行された宮本むつみの第2詩集。 第一詩集を出してから、五年を経た。詩集が自宅に届いた日、部屋の隅に積まれた山のような本を前にして、それまでの「はじめて自分の詩集をもつこと」のよろこびは何処へやら、何かどうしようもない恥…

秋のエピタフ 土橋秋良詩文集

1980年1月、ホルン社から刊行された土橋秋良(1910~)の詩文集。著者は北海道夕張郡由仁町生まれ、刊行時の職業は旭川大学経済学部教授、住所は旭川市永山。 性来懶惰な人間が日常生活の折にふれて空白から生じる間の空間に浮かんだ像は虚像ではあっても消…

見捨てたもの 井川博年詩集

1962年11月、思潮社から刊行された井川博年(1940~)の第1詩集。表紙は著者肖像。著者は福岡市生まれ、刊行時の住所は新宿区上落合。 一年も前から、ぼくは詩集を出すと友人たちにふれてまわっていた。だからいざまとめるとなると、くたびれてしまった。集…

裏庭の椿 沢聖子詩集

1971年6月、現代文学刊行会から刊行された沢聖子(1948~)の第2詩集。著者は東京生まれ、刊行時の著者の住所は千葉県浦安市富岡。 目次 レモン色の傘 ブラック郵便局 言葉 裏庭の椿 海 記す 弱者 魚になった女 男へ 都忘れ草 曼珠沙華 蓮華 女郎花 こぶし …

枯草の手袋 真野さよ

1958年9月、四季社から刊行された真野さよ(1913~?)の長編小説。装幀は神谷信子。 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

海が沸く 筧槇二詩集

1972年8月、山脈会から刊行された筧槇二の第4詩集。題字は片倉天風。刊行時の住所は横須賀市馬堀町。 目次 風葬記 哲よ 動物園から帰って ある日の乾杯 挫折 酒宴 芋を掘る ある葬送 遭難記 腐れ雪 秋の翳 鬼籍 蒸気機関車 暮れてゆく 田舎へ行け 東京湾 海…

水の剥製 菊池敏子詩集

1979年10月、創樹社から刊行された菊池敏子の第3詩集。第4回現代詩女流賞候補作品。 三冊目の詩集ができました。自分の詩集をもつことは、喜ばしいことである半面、とても恥かしく、コワイことだと思います。今回も、準備を進めてゆきながら、初めて詩集を出…

迷ひ猪 筧槇二詩集

1975年4月、現代詩研究所から刊行された筧槇二(1930~2008)の第5詩集。題字は片倉天風、カットは久保田昭三。刊行時の住所は横須賀市馬堀町。 目次 顔 処刑 拒絶の時 蝦 柳葉魚 植ゑる 春浅く 君子蘭 夢占ひ Solong,Marilyn 寺の位置 年を売る 少年 病む …

橋の上で拾った十円玉 葛西洌詩集

1985年9月、紙鳶社から刊行された葛西洌(1937~)の第5詩集。著者は青森生まれ、刊行時の住所は江東区北砂。 目次 Ⅰ 岬 (83年3月) 梢(84年4月) Ⅱ 「お伽噺」 を探して (79年12月) 等高線 (80年6月) 橋の上で拾った十円玉 (80年12月) 誰か歌ってくれ (80年8…

伊藤正斉詩集

1986年4月、砂子屋書房から刊行された伊藤正斉(1913~)の詩集成。装画は新井豊美。 目次 *『冬の日』(一九四四年)より 空や山脈や どんなかすかなもの音も そびえた背を 静かに 粘土 *『続・冬の日』(一九四七年)より ならないバイオリンを弾劾せよ 哀歌 …

色彩文学論 色彩表現から見直す近代文学 大熊利夫

1995年11月、五月書房から刊行された大熊利夫の評論集。装幀は田淵裕一。 村上色彩技術研究所で十年間色彩関係の機器を設計していたころ、『COLOR SPACE』という社内報に、色についての歴史的、哲学的テーマのレポートを書いたことがあった。 これがきっかけ…

槐の傘 稲葉京子歌集

1981年8月、短歌新聞社から刊行された稲葉京子(1933~2016)の第3歌集。装幀は大越芳江。著者は江南市生まれ、刊行時の著者の住所は杉並区下井草。 昭和五十年秋から、五十六年初めまでの三百五十首をまとめて一冊とし、『槐(えんじゅ)の傘』と名付けまし…

苧種子野 安俊暉詩集

2002年12月、思潮社から刊行された安俊暉(1943~)の第1詩集。著者は茨城県生まれ。 目次 時 桜 雫 ひよ鳥 彼岸花 雪 武藏野 抱杞の実 苧種子野について あとがき NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

詩集三人 青柳希世子 浅見圭子 寺尾知江子

1962年4月、三人の会から刊行された青柳希世子、浅見圭子、寺尾知江子の合同詩集。 五時に行きますから、と電話がかかってきたら、きちんと五時に二人がやってきた。もう一人は群馬に行ってしまったので東京には手がとどかない。詩にもでてくる「ポンブラン…

定本北見哲哉詩集 岩渕欽哉編

1989年11月、詩学社から刊行された北見哲哉(1934~1985)の詩集。編集は岩渕欽哉。 生前、北見哲哉は第三詩集を上梓すべく準備にとりかかっていた。予定では一九八四年の秋から年末にかけて具体的に進め、翌年の春頃には発行できるよう、中村隆氏に跋文をお…

山月抄 竹下彦一句集

1969年10月、大地堂書店から刊行された竹下彦一の句集。 俳句を始めてからもう二十三、四年になるだろう。洋燈が好きなので、俳号を洋燈亭とつけて一寸こう云う号をつけているのはいないだろうと、威張っていたら友人の平山明洋君が、松江へ行ったら小泉八雲…

翼 李箱作品集 李箱(イサン) 斎藤真理子訳

2023年11月、光文社から刊行された李箱の作品集。翻訳は斎藤真理子。光文社古典新訳文庫K-Aイ2-1。 目次 訳者まえがき [詩]鳥瞰図 詩第一号 [小説]翼 [日本語詩]線に関する覚書1 [詩]鳥瞰図 第十五号 [小説]蜘蛛、豚に会う [紀行文]山村余情――成川紀行中の何…

かなしき春 飯野農夫也詩集 

1958年11月、二人社から刊行された飯野農夫(1913~2006)の第2詩集(第1詩集は『やぶれた花』)。著者は茨城県真壁郡五所村生まれの画家。 ぼくは 出そうとおもいながらためらっていた詩集を やつと出す気になりました そこで自分に聞いてみるのですが一体…

土曜日の歌集 尾崎左永子歌集

1988年2月、沖積舎から刊行された尾崎左永子(1927~)の第2歌集。装幀は戸田ヒロコ。 目次 ・彩紅抄 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ ・花幻集 故園喪失 都市断片 無弦琴 傍観 時の糸 鎌倉山 葉ざくらの街 無音界 水辺微韻 旅めもらんだむ 中国試詠 冬の潮騒 翔ばざりし 透きゆくは…