ノッポとチビ

風神雷神図 山村信男

1994年12月、私家版として刊行された山村信男(1933~)のエッセイ集。1993年まで文部事務官として京都大学勤務。 生来ものを書く事が好きで、しかしながらそのわりにはこれといった際立った成果もなく、はや、知命の年代も過ぎていつのまにやら六十路に足を…

木馬道 山村信男詩集

1970年9月、文童社から刊行された山村信男(1933~)の第2詩集。刊行時の著者は京都大学勤務、住所は京都府乙訓郡日向町。 最初の詩集を出してからはやばやと五年の歳月が流れ去りました。かつて、無二無三に肉身を問いつめた饒舌で血みどろなことばは、いつ…

大野新詩集

1978年3月、永井出版企画から刊行された大野新(1918~2010)の詩集。『階段』、『藁のひかり』、『犬』の合本詩集。 <私は昭和二十四年の夏、野洲川で泳いでいて、突然喀血した。血は水のなかにおちると急にスローモーションになって、癖のながい水中花を…

重い母 山村信男詩集

1965年10月、文童社から刊行された山村信男の第1詩集。画像は裸本。 これらは「詩学」「現代詩」「ノッポとチビ」「復刻」等に発表した、およそ四年間にわたる作品から集めたものです。 ぼくにとって詩とは、さも淫蕩な手つきで自身の実と虚の地獄のさかいを…

詩的漂流 清水哲男

1981年4月、思潮社から刊行された清水哲男の詩論集。装幀は浅井慎平。 気恥かしいのですが、二冊目の詩論集」です。二十代の文章を入れたことで、私という人間の 硬直的な思考がはっきりしたと思います。失礼な暴言もそのままにしたことでは、私の一生の後悔…

緑の小函 清水哲男詩集

1997年11月、書肆山田から刊行された清水哲夫(1938~)の第15詩集。装幀社は小松桂士朗。 目次 函は緑よ なかった はらから 梅雨期 肩を並べる 展覧会の絵 壁の絵 二人と一人の二人 夏の蔓 夏の日に 「むさしのFM」日誌 「長門峡の次の駅 いい日旅立ち 覚悟…

惑星までの道程 宮内憲夫詩集

1994年10月、砂子屋書房から刊行された宮内憲夫(1940~)の詩集。装本は倉本修。 人間が、一番幸せな時代が、いきなり昔話に成る時こそ、一番不幸な時代ではなかろうか。不幸と百えば、現代詩の読者が詩人だけという昨今も、不幸な時代だと思わざるを得ない…

乾季のおわり 大野新詩集

1993年11月、砂子屋書房から刊行された大野新(1928~2010)の詩集。装本は倉本修。第2回萩原朔太郎賞候補作品。 目次 I 陰画 あのころ 見る人 廊下の記憶 暗い台所 父親 引揚者 Ⅱ 折線グラフ 乾季のおわり 発光 水の日 祭 落下幻想 秘密 密会 留守 胎の音 …

家 大野新詩集

1977年10月、永井出版企画から刊行された大野新(1928~2010)の第3詩集。H氏賞受賞作品。 目次 母 地霊 聖家族 人質 家の崩潰 とがった椅子 死者にたむける水のいちにち 境 見しらぬ挨拶 子の喩法 after dark 老視 窓 一九七五年前夜 添寝 おくつき 風邪の…

現代詩つれづれ草 清水哲男

1993年10月、新潮社から刊行された清水哲男のエッセイ集。挿画は小島武。 この本は、世間によくある詩の入門書でもなければ鑑賞の手引きでもない。 私がこの本で言いたかったのは、いまどきの詩(現代詩)はとても面白いということ、「ね、ウソじゃないでし…

夕陽に赤い帆 清水哲男詩集

1994年4月、思潮社から刊行された清水哲男(1938~)の第13詩集。第2回萩原朔太郎賞受賞。 『東京』(書肆山田)以来、九年ぶりの詩集です。学生時代の第一詩集『喝采』(文童社)から数えてみると、三十一年の歳月が経過したことになります。そのことにさし…

ダグウッドの芝刈機 現代感覚論ノート 清水哲男

1978年1月、冬樹社から刊行された清水哲男(1938~)のエッセイ集。装幀は三嶋典東(1948~2012)。 目次 テレビの神、草原の神 肉体はほどけるか 好奇の眼と横井伍長 男の話題 百円玉殺人事件 喧嘩エレジー 試写室エレジー 座りたいからジーンズ 本を踏む子…

幻燈機のなかで 黒瀬勝巳詩集

1981年10月、編集工房ノアから刊行された黒瀬勝巳(1945~1981)の第2詩集。 目次 ナットーを食べる少女 標本 呪法 こどもの日に 幻燈機のなかで ゴキブリ殺し京都の夏 月夜 ポリバケツのなかで くちびる 刑法総論 オマル製造の夢 元祖ラヂオ食堂 本家ラヂオ…

喝采 水の上衣 清水哲男詩集

1974年11月、深夜叢書社から刊行された清水哲男の合本復刻詩集。 『喝采』を出したのは一九六四年二月。京大文学部の学生であった。版元は山前實治氏の主宰する文童社で、詩集名も山前氏につけていただいたと記憶している。B6判32ページという形式は、同じ文…

甘い声 清水哲男詩集

1979年、アディン書房から発行された清水哲男の第9詩集。 時間がない。自分を自分らしく時間が。 だから、詩を書いたりするのか。自分を自分らしく生きるとは、制度のなかでせいいっぱい、狂気の側に身を寄せることなのではあるまいか。最近は、そんな思いに…

水甕座の水 清水哲男詩集

荒川洋治の紫陽社から1975年に発行された清水哲男の第三詩集。第25回H氏賞受賞。 『喝采』(一九六四年・文童社)『水の上衣』(一九七〇年・赤ポスト)につづいて、三冊目の詩集ということになる。 京都での学生時代に書いた十年以上前の古い作品も三篇ある…