ラ・メール

なびけよ河 久納不二子詩集

1998年1月、書肆といから刊行された久納不二子の第1詩集。装幀は高島平。 書き始めた頃、なぜ?と訊かれ、「気がついたら書いてた」と言うと、その友だちはおかしそうに笑った。 詩誌ラ・メールという大きな海に育くまれました。新川和江先生、恩人吉原幸子…

官能検査室 岬多可子詩集

1991年6月、思潮社から刊行された岬多可子の第1詩集。付録栞は高橋順子「未知の海へ」。第7回現代詩ラ・メール新人賞受賞作品。ラ・メール選書9。 目次 Ⅰ 立入禁止区域 休み時間 三時間目 放課後 三学期 始まり 連係 研究棟 音 立入禁止区域 境界がにじむ Ⅱ…

時間のかたち 杉田早智子詩集

1991年12月、書肆といから刊行された杉田早智子(1938~)の第1詩集。著者自装。 目次 Ⅰ 彷徨 背中 脱皮 種子 肩 位置 予兆 非在 〈人形〉 〈窒息〉 〈Warp〉 Ⅱ 邂逅 倒木 倶利加羅峠から 浮標 仮眠 夢のあと 退けどき 〈影〉 〈光〉 Ⅲ 時間のかたち 北の伝…

青果祭 小池昌代詩集

1991年3月、思潮社から刊行された小池昌代の第2詩集。第6回現代詩ラ・メール新人賞受賞作品。ラ・メール選書8。 朝霞という土地に移り住んで半年。朝、突拍子もなく早く目が覚めて、マンションの窓から朝焼けを見た。 これは私の二冊目の詩集です。 詩を書く…

MOBILE・愛 鈴木ユリイカ詩集

1985年5月、思潮社から刊行された鈴木ユリイカの第2詩集。装画は大崎安子。第1回現代詩ラ・メール新人賞受賞作品。ラ・メール選書1。栞は谷川俊太郎による「33の質問」。 目次 Ⅰ 生きている月 嘆きの木の歌 音楽 顔 鐘が鳴り終ったら…… キューブ・美しい男の…

永遠に来ないバス 小池昌代詩集

1997年3月、思潮社から刊行された小池昌代(1959~)の第3詩集。第15回現代詩花椿賞受賞。第5回萩原朔太郎賞候補。 目次 つり橋――はしがきにかえて 湯屋 永遠に来ないバス 優雅な箒人(ほうきびと) 空豆がのこる 夏の弟 獣たち 水のなかの黙礼 夕立 ゆれて…

夢 あるひは… 吉原幸子詩集

1976年1月、青土社から刊行された吉原幸子(1932~2002)の第6詩集。装幀は著者。 たくさん生きてゐるつもりなのに、何故、死についてばかり考へるのだらう。実をいへば、この本を私は「死に方について」といふタイトルにしたかつた。不遜を承知、タブーの侵…

飛びたたせなかったほうの蝶々 岬多可子詩集

2015年8月、書誌山田から刊行された岬多可子(1967~)の第5詩集。 目次 飛びたたせなかったほうの蝶々 蟻のあまさ 解体 島 夜のうちに かたまりというもの いつづけるひと 遺された夏 白い闇のほうへ 賦香紙 くすりくすらりすく けのものやら 夜の市 舌の件…

海のヴァイオリンがきこえる 鈴木ユリイカ詩集

1987年12月、思潮社から刊行された鈴木ユリイカ(1941~)の第2詩集。第3回詩歌文学館賞受賞。 目次 海のヴァイオリンがきこえる わたしは誰でしょう? Ⅰ わたしは誰でしょう? Ⅱ I氏はインドに行った 子どもたちは眠ったかしら? 彼女だ Ⅰ 彼女だ Ⅱ おばあ…

ババ、バサラ、サラバ 小池昌代詩集

2008年1月、本阿弥書店から刊行された小池昌代(1959~)の第11詩集。 ババ、バサラ、サラバとは何だろう。現代詩を書いていると、唇が寒くなる。濁った音はあたたかい。唇の破裂と爆発を、そこに生じる摩擦熱を、寒いわたしは、求めていた。(「あとがき」…

幼年連祷 吉原幸子詩集

1965年7月、思潮社から刊行された吉原幸子(1932~2002)の第1詩集(1964年に歴程社から自主出版されたものを思潮社が再版)。第4回室生犀星詩人賞受賞。 この本全体が、私のノート(覚え書)になってしまった。 こんな、作品としての不完全さの意識が、長い間…

樹の夢 笠間由紀子詩集

1987年5月、思潮社から刊行された笠間由紀子の第1詩集。第3回ラ・メール新人賞受賞。 私にとって詩は、私自身とその外側を、再び「見よう」と意識することだと思う。虫めがねを片手に、今日も、複雑な巻き貝や青い星のつらなりを見ている。(「あとがき」よ…

夜間飛行 吉原幸子詩集

1978年5月、思潮社から刊行された吉原幸子(1932~2002)の第7詩集。 飛行機を操縦できないから、私にとつて”夜間飛行”とは、むろん、”夢”のことである。 昼は飛べない。夜も、あまり飛べなくなつた。だが、夢のなかのある部分には、かつて踏みきつたきり、…

濾過器 柴田千秋詩集

1989年5月、思潮社からラ・メール選書の1冊として刊行された柴田千秋(千晶)の第2詩集。第5回ラ・メール新人賞を受賞。 あの冬、私が出逢った愛は、はじめる前から壊れてしまっていた。私はただあきらめるためにだけ、その愛をあじめていた。 愛はいつか終…

桜病院周辺 岬多可子詩集

2006年、書肆山田から発行された岬多可子(1967~)の第三詩集。第37回高見順賞受賞。 書くという情念の持続こそが、詩人としての才能なのではないか、と思うことがあり、その情熱を手放しそうになる脆い自分を、諦めに近い気持ちで見つめるしかないこともし…

絵本「永遠」 新川和江詩集

1959年、地球社から刊行された新川和江の第2詩集。挿画は山本蘭村。 目次 生について ECHO 死について 孤独な出発 早春 犬 眠られるぬ夜 ありふれた略図は 森へ行く 紙片 期待 永遠 山本蘭村 画 誕生 扉 るふらん 絵本「永遠」 地上 繊い夜 Ⅰ留守番 Ⅱ臆病 Ⅲ…