2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

詩の捧物――セヴラックとサティへ 佐岐えりぬ詩集

1985年10月、深夜叢書社から刊行された佐岐えりぬの音楽詩集。装幀は末永隆生。 八つの小品から成るD・セヴラックの『休暇の日々より』は、一九八四年秋に催された第一回目の「ピアノとポエジーのタベ」の朗読のために書き下した。同一テーマの詩と曲が交互…

暴力の義務 ヤンボ・ウオロゲム/岡谷公二

1970年11月、新潮社から刊行されたヤンボ・ウオロゲムの長編小説。翻訳は岡谷公二。1968年ルノドー賞受賞作品。 目次 第一章 サイフたちの伝説 第二章 陶酔と苦悶 第三章 巨人たちの夜 第四章 あけぼの 訳者後記 関連リンク追悼 ヤンボ・ウォロゲム――抵抗す…

麻生知子 麻生知子詩集

2003年8月、私家版として刊行された麻生知子の遺稿詩集。編集は安土忠久と各務麗至(詭激時代社)。 本書は昭和五十五年「現代詩手帖二月号」所収の『泥眼』より、平成十四年十月刊「未開の」の『もどろぎ』に至る作品を網羅した。その詩作期間二十二年の永…

風の方位 中西洋子歌集

1982年12月、雁書館から刊行された中西洋子の歌集。装幀は小紋潤。中西は柳原白蓮の研究家。 短歌と出合ったのは大学時代、ほとんど偶然であった。その関わり方は、どちらかといえば淡白であり、「人」短歌会発足に参加するまでにも六、七年の空白期間を置い…

エリカ抄 杉本駿彦詩集

1974年5月、木犀書房から刊行された杉本駿彦の第8詩集。装幀は亀山巌。 菅野佐代子さんは、歌人大西民子さんの実妹である。お会いしないうちは含羞の佳人と思いこんでいたが、直接お話するようになって、思いちがいの点が判った。学究的で、勝気で、繊細な思…

大地の商人 谷川雁詩集

1956年4月、母音社から刊行された谷川雁の第1詩集。画像は再刊(初版は1954年11月)。発売は中村書店。発行人は丸山豊。 目次 商人 母 毛沢東 故郷 丸太の天国 革命 異邦の朝 人間A 晩夏郵便 東京へゆくな 漁夫の読書 請願 隊へ 破産の月に おれたちの青い地…

多頭の蛇 小野十三郎評論集

1949年3月、日本未来派発行所から刊行された小野十三郎の評論集。 目次 多頭の蛇 詩の音樂性 詩と小説の間 スペインの岩と城と太陽 スタヴローギン-バクーニン 日本の風景 時評一束 樣々な異質性の混同 風景について(一) 風景について(二) 詩の世界の狹さ 細…

森は海の恋人 熊谷龍子歌集

1996年10月、北斗出版から刊行された熊谷龍子の第3歌集。装幀は村上善男。 目次 柞の森 錠剤 朱夏 杳い時間 水界 草の庵 杳い視線 羊歯植物 呪詛 現在形 植物界 金雀枝 秋から冬へ 県境 他人の時間 風中のわれは すでに秋 水源地 春のピエロ 森のいのち 冬芽…

詩と詩人 草野心平

1954年6月、和光社から刊行された草野心平の随筆集。 目次 Ⅰ 混沌の中からの新しい動向 やがて雄大な趨勢が 詩精神の背景 詩界の今日と明日 評家への寸言 現代詩の社會的位置 「詩界」について 個性と表現 技術寸言 私の詩作について 作者の感懐 藝術上の孤…

春雪ふたたび 尾崎左永子歌集

1996年10月、砂子屋書房から刊行された尾崎左永子(1927~)の第5歌集。装幀は倉本修。 この歌集は『炎環』につづく私の第五歌集ということになる。時期的には『炎環』と少し重なり、一九九三年五月から一九九六年六月にかけての作をまとめたが、しかし、そ…

方程式 吉村三生詩集

1960年11月、書肆ユリイカから刊行された吉村三生の第1詩集。 詩誌「歩道」の同人にすすめられて自分の作品をこうしてまとめて見た。はじめての本である。だからずい分古い作品もある。詩を書きはじめてからもうかれこれ二十年、書きためたものの中から三十…

深層短歌宣言 坂野信彦

1990年8月、邑書林から刊行された坂野信彦(1947~)の評論集。附録栞は前登志夫「寸感」、山中智恵子「静かに立てり」。 わたしたちの日常生活は、すみずみまで区分けされた概念と、つねに常識的につじつまの合った論理によって規定されている。そのなかで…

丘のある街 石田光明詩集

1962年10月、昭森社から刊行された石田光明の詩集。 目次 昼と夜とが 雨 あの人 まり 岩 錆 塔の歌 炎 目 海 冬 オプチミズム 朝のひととき 雲の影 牧童図 下山 あざみ 二月の詩 丘のある街 太陽の下に あとがき NDLで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

空の空 竹山広歌集

2007年8月、砂子屋書房から刊行された竹山広(1920~2010)の第8歌集。装幀は倉本修。 本集には『遐年』以後三年間の作品五一三首を収めた。私の第八歌集である。八四歳から八六歳までのこの三年の間に、身心の老いは作歌に限界を感じるところまできたが、歌…

笛吹く女 小泉萩子詩集

1961年、私家版として刊行された小泉萩子の詩集。 もしあなたが、興にのったらこの笛の音に耳を傾けて下さい。 もしあなたが、ほのかに心に感ずる所がありましたら便りを下さい。 そしてもしあなたが、話し相手を欲していたらお逢いしましょう。 いつの頃か…

女王の肖像 切手蒐集の秘かな愉しみ 四方田犬彦

2019年10月、工作舎から刊行された四方田犬彦の切手に関するエッセイ集。 目次 「ペニー・ブラック」を買う 巨大な巻紙 外国切手との出会い 発行日に駆け付ける 文革切手は赤一色 なぜソ連がなつかしいのか 凹版はどこへ行く 目打と無目打 エラー切手の愚か…

水仙の章 栗木京子歌集

2013年5月、砂子屋書房から刊行された栗木京子(1954~)の第8歌集。組版ははあどわあく。装幀は倉本修。塔21世紀叢書、第230篇。第25回斎藤茂吉短歌文学賞、第12回前川佐美雄賞受賞、紫綬褒章受章作品。 本集は『しらまゆみ』に続く私の八番目の歌集です。…

大海邊 小野十三郎詩集

1947年1月、弘文社から刊行された小野十三郎の詩集。装幀は池田克巳。 目次 雀の宿 大海邊 日本冬物語 街を歩く妖精 夕暮の水の中で 夢 遠望 あの頃に讀んだ本のこと 成瀬政男 昔の塲所 砲塔旋盤について 針葉樹帶へ パイプの話 河川生産物No,1 航空機用ア…

しらまゆみ 栗木京子歌集

2010年6月、本阿弥書店から刊行された栗木京子(1954~)の第7歌集。塔21世紀叢書、第165篇。 二〇〇六年晩春から二〇一〇年早春までの作品四四○首を収めた第七歌集です。「歌壇」二〇〇九年一月号から十二月号まで、毎月三十首ずつの作品連載をする機会に恵…

ふるくに 山川弘至詩集

1943年1月、大日本百科全書刊行会から刊行された山川弘至の詩集。まほろば叢書2。 目次 序文・折口信夫序文・保田與重郎 ふるくに 紀元二千六百一年十二月八日 八汐路の奧處も知らず 紀元二千六百二年春 日本民族の聖業に捧ぐる詩 既に神々の數に加はれるつ…

夏のうしろ 栗木京子歌集

1995年7月、短歌研究社から刊行された栗木京子(1954~)の第5歌集。カバー装画は古賀春江「煙火」(川端康成記念会蔵)。装幀は猪瀬悦見。塔21世紀叢書、第38篇。第55回読売文学賞詩歌俳句賞、第8回若山牧水賞受賞作品。 本集は私の五冊目の歌集です。一九…

悪の華詩抄 堀口大學訳詩集

1947年7月、操書房から刊行されたボードレール「悪の華」の翻訳詩集。 目次 ・「幽鬱と理想」の章より 信天翁 呼應 惡僧 前生 ドン・ファン地獄へ行く 美 巨女 異なにほひ 髮 波かとうねり 踊る蛇 腐肉 吸血鬼 死後の悔恨 猫 おばしま 相も變らず 彼女のなべ…

二つの世界 花田清輝

1949年3月、月曜書房から刊行された花田清輝の第3評論集。装幀は岡本太郎。画像は2刷。 目次 I 二つの世界 作家と豫言者 絶望の論理 沙漠について 地獄の周邊 サンチョ・パンザの旗 灰色についての考察 逆行論 罪と罰 驢馬の耳 II 手袋の裏 青・白・赤 カタ…

曙光の時 神保光太郎詩集

1945年2月、弘學社から刊行された神保光太郎(1905~1990)の詩集。 目次 序・顯現の日 顯現の日 日本の朝 或る航空母艦長 聖亞細亞に捧ぐ 華麗島を想ふ 戰火斷唱 若鷲出陣に題す 大東亞!われらがふるさと! 亞細亞の誕生 ・この一瞬 永遠を創る この一瞬 …

亡霊 祝算之介詩集

1955年2月、書肆ユリイカから刊行された祝算之介の第4詩集。 目次 雲 亡霊 日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

南町三丁目 あいはら涼詩集

1996年12月、夢人館から刊行されたあいはら涼の第1詩集。装幀は直井和夫。 東京郊外の新興住宅地、南町三丁目で私は育ちました。昭和四十年代から五十年代にかけてのことです。私が十四歳の夏に母は亡くなりました。その後私は自分の子供時代をほとんど思い…

鬼 祝算之介詩集

1953年11月、書肆ユリイカから刊行された祝算之介の第3詩集。 目次 ・鬼 歌 さくら 月しろ 怒り 鬼 夜が明けた 沸騰 氾濫一 氾濫二 伝説 谷間 山 ・鳥 道 夜汽車 曠野 喜劇 母と子 者 家 背反 歴史 鳥 葉 封建 壁 蒙昧 ・町 岩 現代 独白 海は忘れない 季節 …

余白 永井浩詩集

1959年9月、波紋の会から刊行された永井浩の第1詩集。装幀は萩原勇雄。 目次 Ⅰ 祭 雪をおくる 六月の市長 涙 昭和基地 Ⅱ モデル 余白 妻の支度 蟬 王国の子 帰る 市 独居 チョコレートパパ Ⅲ 漂流船 流水 遅刻 挽歌 怖れ 湖 物置の歌 地震 告白 あとがき NDL…

幽界通信 町田志津子詩集

1954年3月、時間社から刊行された町田志津子の第1詩集。装幀は鐵指公蔵。 真摯な詩生活二十余年を越え、より深く、より高くへと現代詩の構築に専心しながら、まだ一巻の詩集を編もうとしない町田志津子さんの態度を一方ではうらやましく思うと共に、やはり一…

原型 鳥巣郁美詩集

1962年5月、昭森社から刊行された鳥巣郁美の第3詩集。装幀・装画は津高和一。 目次 I 黒蝶 染まる 春に生きる 歩む 萠える 牧草の上 無限に 土手の路 隔絶 別れ II 明かるい夏の日のために ひまわり 蟬 花火 あしあと 原野をわたる 海鳴り 原型 海雪 踏む II…