石原吉郎

内なるシベリア抑留体験 石原吉郎・鹿野武一・菅季治の戦後史 多田茂治

1994年5月、社会思想社から刊行された多田茂治による石原吉郎の評伝。写真は共同通信社。 昨年の夏、私は十五年戦争にかかわる二つの展示会を見た。一つは、「七三一部隊展全国実行委員会」による『七三一部隊展』(東京・新宿区民ギャラリー)であり、もう一…

花を踏む死者 金沢星子詩集

1975年9月、地球社から刊行された金沢星子(1917~)の第3詩集。装幀は熊谷博人。地球叢書6。著者は神戸生まれ。刊行時の住所は世田谷区奥沢。 金沢星子さんの主題はこの第三詩集で、ようやく死へ向けて、ゆるやかにかたむきはじめたかにみえる。 ここで語ら…

水準原点 石原吉郎詩集

1972年2月、山梨シルクセンター出版部から刊行された石原吉郎(1915~1977)の第2詩集。装幀は小高辰也。 目次 Ⅰ 橋 非礼 皇后の首飾り 水準原点 残党 ゼチェ 海嘯 粥2 うなじ・もの 右側の葬列 墓 戒名 落魄 うしろ姿 帽子のための鎮魂歌 二十二段の落日 …

婚禮の朝に 笠原三津子詩集

1977年10月、無限から刊行された笠原三津子の第6詩集。カットは石原吉郎。著者自装。 目次 ・婚禮の朝に 楠の葉と女 婚禮の朝に 夕べ 返信 約束 めざめ まんじゅしゃげ 子ども さくら・まぼろし 藤・まぼろし 男と死 女と瀧 夕日と女 とんぼと女 原稿紙と女 …

石原吉郎の詩の世界 安西均

1981年2月、教文館から刊行された安西均による石原吉郎入門書。装幀は熊谷博人。 この本は、石原吉郎氏の詩作品三十数篇を抄出し、それを解説することによって、彼の詩精神と思想の輪廓を、粗彫りではあるが描き出そうと試みたものである。「解説」はできる…

北條 石原吉郎詩集

1975年4月、花神社から刊行された石原吉郎(1915~1977)の第4詩集。装幀は林立人。図版は著者と吉行理恵。 目次 一條 北條 さくら 藤Ⅰ 藤Ⅱ 北鎌倉扇ケ谷 蕭条 流涕 常住 都 挙手 和解 痛み 瞬間 病気 悔い 牢獄から 耳を 門 夜明けと肩 空腹な夜の子守唄 風…

サンチョ・パンサの帰郷 石原吉郎詩集

1963年12月、思潮社から刊行された石原吉郎の第1詩集。現代詩人双書10。 <すなわち最もよき人びとは帰っては来なかった>。<夜と霧>の冒頭へフランクルがさし挿んだこの言葉を、かつて疼くような思いで読んだ。あるいは、こういうこともできるであろう。…

望郷と海 石原吉郎

1972年12月、筑摩書房から刊行された石原吉郎(1915~1977)の評論集。 目次 Ⅰ 確認されない死のなかで ある〈共生〉の経験から ペシミストの勇気について オギーダ 沈黙と失語 強制された日常から 終りの未知 望郷と海 弱者の正義 Ⅱ 沈黙するための言葉 不…

貝塚頌 笠原三津子詩集

1981年8月、學藝書林から刊行された笠原三津子の詩集。 目次 視線 縄文 海 発見 蛤の化石 貝塚 骨 石斧 火焔土器 灰 祀 祈 執 頌 証 つないでください 打たれるこころ 哭 塀をのぼる蛇 らくだ 天山祭 白い道 土の中から 貝がら しゃくやく 原初の愛 NDLで検…

海を流れる河 石原吉郎評論集

1974年11月、花神社から刊行された石原吉郎(1915~1977)の第2評論集。装幀は滝本茂。 目次 Ⅰ 三つの集約 死者はすでにいない 体刑と自己否定 海を流れる河 無感動の現場から 『望郷と海』について 失語と沈黙のあいだ ことばは人に伝わるか 俳句と〈ものが…