2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

Orange 中島悦子詩集

1990年10月、土曜美術社から刊行された中島悦子(1961~)の第1詩集。装幀は居鳥春生。附録栞は広部英一「夢の成熟」。 私にとってOrange色は、明るく鮮やかでありながら、どこか危機感のある太古の生命を宿したような象徴的な色です。自らの生と死とを思う…

切りぬき帖 あの詩あの人五十年 竹内多三郎

1980年2月、京浜詩の会から刊行された竹内多三郎(1905~?)の随筆集。表紙画は鈴木保徳、扉画は風間光作。 目次 竹内越村の若き日 おの・ちゅうこう 竹内多三郎に感服する 多田文三 「会のそとから」 内山登美子 虚実一体の境 能村潔 無医村に生まれて 最…

背後 森菊蔵詩集

1955年10月、光線書房から刊行された森菊蔵(1927~1997)の第1詩集。装幀は川崎春彦。 目次 序 荒涼の季節 出発 白日 斷章 燃える空間 街 墓地の人 斷崖 霧 歪んだ貎の独白 暗い季節 プロローグ 詩の序章 朝のプラットホーム 死に近く 生命の饗宴 明日につ…

絵の教室 山本政一詩集

1969年2月、東京出版センターから刊行された山本政一(1929~1996)の第2詩集。 『動物詩集』をだしてから一年たっった。まだ早いという気もしないでもないが、二冊目をだすことにした。こんどの詩集のほうが、第一詩集というべきで、初期の詩を集めたもので…

ほんの少し前に 北川朱実詩集

1989年12月、詩学社から刊行された北川朱実(1952~)の第2詩集。装幀は十河雅典。 目次 鯨――太地博物館より サッカーボール 喪失 ほんの少し前に 恐竜展より 蟹 ゴム風船 獅子舞 三月の午下り サクラ 大道芸人 かくれんぼ 契約 問い 螢 廃品 マラソン 窓ぎ…

百日紅 <耳鳴り>以後  正田篠枝詩歌集

1966年7月、文化評論出版から刊行された正田篠枝(1910~1965)の遺稿集。編集は正田篠枝遺稿編集委員会(栗原貞子、深川宗俊、浜野千穂子、小久保均、藤井ゆり、大原三八雄、荏原書夫)。 正田さんが亡くなってちょうど一年になる。原爆による被害の後遺症…

詩片 加賀谷宏詩集

1947年12月、寺ノ下通信社から限定100部刊行された加賀谷宏の遺稿詩集。画像は1969年2月発行の再版(限定300部)。 四月十三日(日)晴 死期は近づけリと云へ、きようも以前(ママ)として呼吸健穏をつづけり。日夜痰咳の押出しに苦痛せる以外、何らの想念な…

願望 小泉喜代一詩集

1942年6月、防長詩人会から刊行された小泉喜代一の詩集。装幀は波多野勝好。 目次 序文 田代利明跋文 氏原大作、和田健 蓖麻を植ゑよ 青年 江南の抒情 早春の譜 願望 旅愁 北の宿 病後 閑日 早春 螢 仙人掌の花 金魚鉢 躑躅季 沼 健民の春 春日遅々 暮春抒情…

入沢康夫の詩の世界 野村喜和夫・城戸朱理編

1998年4月、邑書林から刊行された入沢康夫(1931~)作品の解説書。装幀は島田牙城。編集は『入沢康夫の詩の世界』刊行委員会。編者代表は野村喜和夫と城戸朱理。 ここにようやく、『入沢康夫の詩の世界』を公刊する運びとなりました。といいますのも、当初…

詩論+続詩論+想像力 小野十三郎

2008年10月、思潮ライブラリー・名著名詩選の1冊として復刊された小野十三郎(1903~1996)の詩論集。定本は1962年版。附録栞は、金時鐘「私の出会った人々」、冨岡多恵子「小野十三郎の死」、倉橋健一「小野十三郎管見」、寺島珠雄「『詩論+続詩論+想像力…

悪魔と天使の間 池田みち子

1961年3月、東方社から刊行された池田みち子(1910~2008)の長編小説。装幀は須田壽(1906~2005)。 NDLで検索するAmazonで検索する日本の古本屋で検索するヤフオクで検索する

実視連星 荒川洋治詩集

2009年5月、思潮社から刊行された荒川洋治(1949~)の第19詩集。 目次 船がつくる波 三六度 度量衡 彦太郎 初恋 梨の穴 映写機の雲 イリフ、ペトロフの火花 白い色彩 プリント 酒 万能膏 駒留 干し草たばね人 水牛の皮 山塊 実視連星 編み笠 NDLで検索するA…

ブリュッケ〈橋〉 川村りつ子詩集

1995年12月、西田書店から刊行された川村りつ子(1955~)の第2詩集。カバーデザインは前川眞理子。 この詩集の標題「ブリュッケ」とはドイツ語の〈橋〉のことで、幾世紀も経て現存している石造りの、人が渡る上では壊れることのない頑強な橋のことである。…

六月の光、九月の椅子 吉田文憲詩集

2006年7月、思潮社から刊行された吉田文憲(1947~)の第8詩集。装幀・挿画は福山知佐子。 目次 Ⅰ 祈り 言葉が薄い羽音を鳴らした 立ち去ったものの息にふれて (あなたの)、文字の瞳が、うれしい 九月の椅子 ……ただこの影を通過させようとして、この夜に* …

馬込の家 室生犀星断章  伊藤人誉

2005年5月、龜鳴屋から刊行された伊藤人誉(1913~2009)の随筆。戦前戦後、馬込の室生犀星宅を留守番していた時代の回想。表紙は前田良雄の手摺木版。画像は普及本。 フィクションにしか興味のなかった私が「馬込の家」に手を着ける気になったのは、室生朝…

こどもの朝 桜田佐

1957年7月、緑地社から刊行された桜田佐(1901~1960)の長篇童話。装幀は和田香苗、挿絵は都田和子。 目次 本のはじめに 坪田譲治 一 あかちゃんが生まれた 二 ひげのおじいさん 三 おにごっこ 四 ベビー服とたまご 五 かわいいおみやげ 六 家族会議 七 新…

かるそん HALF&HALF詩集

1993年1月、書肆季節社から復刻されたHALF&HALF(=金田弘&羊歯三郎)の詩集。元版は1963年1月FLORA植物園発行。栞附録は鈴木漠による「菫色のカルソン 水精(ニンフ)と羊飼は再び踊らず」。 NDLで検索する日本の古本屋で検索するヤフオクで検索する

spira mirabilis 河野道代詩集

1993年8月、書肆山田から刊行された河野道代(1952~)の詩集。装幀は菊地信義。画像は25部限定版。 目次 山上の窪地 考察者の一の生態 少しのなだら 感情の高み 考察者の二の生態 回想と現身 不意の領分 考察者の三の生態 比肩しえざる願い 風力の潜み 考察…

いのちの火影――北条民雄覚え書 光岡良二

1970年7月、新潮社から刊行された光岡良二(1911~1995)による北条民雄(1914~1937)の評伝。装幀は麻田鷹司。 目次 序 河盛好蔵 はじめに 少年の日 入院して来た北条 山羊小屋の片隅で 文学仲間 『間木老人』 二年目の夏 『いのちの初夜』 『猫料理』 二…

眠れる旅人 池井昌樹詩集

2008年9月、思潮社から刊行された池井昌樹(1953~)の詩集。第4回三好達治賞受賞作品。扉絵はアンリ・ルソー「眠れるボヘミア女」。 目次 カンナ 花影 花影弐 花影参 つゆ いたずら 暁闇 ふたり 弔辞 こんなこと 糧 故園黄昏 あぶらかだぶら 火と人 闇の噂 …

コザ 中の町ブルース 岸本マチ子詩集

1983年11月、花神社から刊行された岸本マチ子(1934~)の第4詩集。装幀は高麗隆彦。第17回小熊秀雄賞受賞作品。 いぜん紅葉を血のしたたるような色だと、思った事があった。故郷(ふるさと)の山の紅葉は美しい。全山燃えあがるような凄絶さに触れて、気も…

詩人の肖像 清水昶

1981年8月、思潮社から刊行された清水昶(1940~2011)による詩人インタビュー集。「現代詩手帖」1979年9月号から1980年11月号まで連載。写真は宮内勝、装幀は菊地信義。 それぞれの詩人諸氏の項の冒頭の作品は、恣意的に選んだ。年代的にもさまざまで、その…

デルタ 川口晴美詩集

1991年6月、思潮社から刊行された川口晴美(1962~)の第3詩集。表紙写真は林隆喜(1946~)。 たとえば貯水場の壁に沿って歩いているとき、終点の駅で地下鉄を降りるとき、ふいに肌から剥がれて尖っていってしまいそうな感覚を、あわてて言葉にすりかえるこ…

蒼白き巣窟 室生犀星

1920(大正9)年11月、新潮社から刊行された室生犀星(1889~1962)の短篇集。装幀は恩地孝四郎(1891~1955)。 目次 蒼白き巣窟 二本の毒草 泥濘の街裏にて 地下室と老人 魚と公園 西洋家具店 蒼ざめたる人と車 愛猫抄 海の僧院 NDLで検索日本の古本屋で検…

仕事机 中村地平

1941(昭和16)年3月、筑摩書房から刊行された中村地平(1908~1963)の随筆、評論集。装幀は三岸節子(1905~1999)。画像は裸本。 目次 仕事机 將棋隨筆 葬儀の朝 音のしれ者 海女 大虚など 夢遊病者 評論と雄辯 臺灣の高校生へ 兄の出征 戰歿の前後 日記…

櫛 藤井千鶴子

1959年12月、八雲書店から刊行された藤井千鶴子(1909~1991)の長編小説。第42回直木賞候補作。「明らかに文学作品だが直木賞には無関係と思った。」(源氏鶏太)」、「その描写から女性心理からひどく変っているところをとるが、やはりよみにくい。俳句を…

冠雪富士 池井昌樹詩集

2014年6月、思潮社から刊行された池井昌樹(1953~)の詩集。装幀は高貝弘也。第22回萩原朔太郎賞候補作品。 三十五年間勤続した本屋が閉業を迎える。二十六歳から半生以上を同じ本屋で働かせてもらえた。有難いことだった。しかし詩はそれよりも遙か以前、…

異界の祝祭劇 現代文学の21人 小笠原賢二

1986年11月、沖積舎から刊行された小笠原賢二(1946~)の第2著作集。 私は、週刊読書人編集部に勤めながら、記者として多くの文学者たちへの探訪記を書き続けてきた。そのうちの相当量は、四年前に刊行した『黒衣の文学誌』に収めたが、本書はその後、引き…