ドラムカン
1972年6月、山田書店から刊行された岡田隆彦(1939~1997)の第3詩集。 満を持す気合は、この集を構想するときとて同様であった。めずらしく「海の翼」という、これはただの掛声にとどまらぬ着想のもと、この二年のあいだ、少しづつ書いてきたのだから、なお…
1978年6月、小沢書店から刊行された吉増剛造のエッセイ集。装幀は中西夏之と菊地信義。 目次 かつては幻であった都市のなかの それをすみだ河といふ どこかの裏町の角にある煙草屋の 星をさがして裏町を わが心宮の奥には一軒の古びた写真館がある 窓、西の…
1982年9月、大和美術印刷出版部から刊行された会田千衣子の詩文集。挿画はガーベル・レホーヴィッチ。 目次 Ⅰパリの片隅で パリの売春婦たち 「女と一角獣」のゴブラン織り トレドへの旅 無名であること 静物 セザンヌの静物 静物 詩篇 波止場にて 静物 ガラ…
2005年7月、ミッドナイト・プレスから刊行された井上輝夫(1940~2015)の第4詩集。装幀は宇佐美圭司。 詩を作るとはどういうことなのだろう。答らしきことは「詩と『ある』ことと」のなかで述べたように考えてはみたものの、逃げて去る詩の神をしかと掴めな…
1992年9月、思潮社から刊行された岡田隆彦(1939~1997)の第11詩集。装幀は芦澤泰偉。 三年半ほどまえ、死ぬこともありうるような難しい手術だと医者から宣告されて、潰瘍ができた食道を取り除く胸部食道全摘・結腸再建という手術をすることになったとき、…
1974年12月、地球社から刊行された会田千衣子(1940~)の第5詩集。装幀は熊谷博人。地球叢書1。 目次 Ⅰ 思い出 鳥 時折り 夜明けの花 心のランプの帆の 憂愁船 憂愁の館 呪いの館 死の館 あだし国 伝説 ローマの夏 トレドの町 幻の馬 悲しみ Ⅱ たとえば 恩…
1973年6月、河出書房新社から刊行された吉増剛造(1939~)の第4詩集。写真は高梨豊(1935~)、装幀は田辺輝男。 目次 都市反歌 部屋 邯鄲――王国の断片 黄金列車 王國 魔術 大殯 少年列葬 木の國 銀河 古木、Heaven!――高梨豊 植物王國――秋成への木霊 リズム…
1970年6月、思潮社から刊行された吉増剛造(1939~)の第2詩集。装幀は赤瀬川原平(1937~2014)。第1回高見順賞受賞作品。 目次 朝狂って 燃える 海の恒星 今朝も道玄坂をおりて 花・乱調子 落下体 波のり神統記 渋谷で夜明けまで 反乱 火がみえる 中心の歌…
1972年2月、山梨シルクセンター出版部から刊行された会田千衣子(1940~)の第4詩集。解説は大岡信(1931~2017)。 これらの詩篇は前詩集「氷の花」以後の、一九六八年から七一年にかけて最近三年ぐらいのあいだに書きました。 私は今まで短かい散文詩形式…
1993年9月、矢立出版から刊行された城戸朱理と吉増剛造の対話録。装幀は菊地信義。枝折り付録として「火と言葉をめぐって」(高貝弘也)。 本書は城戸朱理と吉増剛造との対話(於吉祥寺MANDA-LA2、wattsの会、91・7・4)を元に、幾度となく二人の間を往復、…
1979年6月、河出書房新社から刊行された吉増剛造(1939~)の第8詩集。装幀は飯田義国(1923~2006)。 目次 関東バス40系統小茂根行 大井町で乗りかえて 田園都市線中延下神明 二月信濃川を渡って 旭川は鉄器の味がした 川崎臨港バス石油の道 四月熊野に雪…
1981年6月、小沢書店から刊行された吉増剛造(1939~)の第3評論集。装本は加納光於(1933~)。 目次 Ⅰ 透谷ノート 1螺旋階段を登ってゆく 2塔と川 夏目漱石の「倫敦塔」と「薤露行」 3清しい声の人 4機織れるをとめ 5心は空洞である 6わずかなひかりのなか…
1970年3月、地球社から刊行された会田千衣子(1940~)の第3詩集。 目次 Ⅰ 天使 天使 病める子供 子供 すわっている少年 町の少年 眠る少年 神話 Ⅱ 彼女 少女 美神 黒薔薇 Vivre et 聖女 死 能面の女 花をもつ少年 あるダンサーに 秋 怯える少女 狂える少女…
1981年4月、書肆山田から刊行された吉増剛造(1939~)の第10詩集。「教育音楽」連載文(1977年1月~1981年3月を中心に編まれた。 目次 この環のなかに 耳を澄ます 静かな場所 波だつ、邦 箱船に乗る 街が焦げる 静かな家 現場に居る女 海上交通 おとずれ 貝…
1980年2月、東山書房から刊行された会田千衣子(1940~)の第7詩集。 サルトルの「聖ジュネ論」は、次のような(目も眩む)言葉を中心に論理を展開している。――彼が盗みを働いたから、彼が悪人だから彼は責められるのだ。そこで彼は同時に答える。「そうだ、…