2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

道化の孤独 歌人山崎方代 坂出裕子

1989年8月、不識書院から刊行された坂出裕子(1936~)による山崎方代の評伝。 山崎方代の歌の底に流れる、人間の生きるかなしみとでも言うようなものに心惹かれ、方代が本当に言いたかったことは何だったのだろうと探りながら、ポツリポツリと書いているう…

植民地と祖国分断を生きた詩人たち 齋藤怘

2002年8月、土曜美術出版販売から刊行された齋藤怘(マモル)の評論集。装幀は狭山トオル。 これは植民地と分断の時代を生きた朝鮮の詩人を想う、私の拙いノートである。「もう書ける人がこの世にいなくなる」という故加藤幾惠さん(前土曜美術社出版販売(株)…

畝間 広部英一詩集

2003年7月、思潮社から刊行された広部英一の第6詩集。装画は「京からかみ文様(岩崎美術)」。 第五詩集『首蓿』刊行後の五年間に書いた作品から選んで収載しました。初出は「木立ち」「現代詩手帖」「詩学」「GANYMEDE」「イリプス」「詩と創造」「朝日新聞」…

高橋元吉詩集 高橋元吉

1962年12月、河出書房新社から刊行された高橋元吉の詩選集。 高橋元吉氏がこれまでに出版した詩集は『遠望』(大正十一年十月・金星堂刊)、『耽視』(大正十二年五月・金星堂刊)、『耶律』(昭和六年二月・やぽんな書房刊)の三冊である。したがつてこの『高橋元…

光の祭場 蒿里行 桂芳久

1980年3月、皓星社から刊行された桂芳久の短編小説集。 目次 水牡丹 火と碑 惜春賦 憶年十五 影向寺(ようごうじ) 螢なす光神 後記 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

動物から 横倉れい詩集

1977年4月、書肆山田から刊行された横倉れい(遊佐礼子)の第1詩集。 初めて動物の詩をかいたときから、いつかは自分の動物たちを集めたいと願ってきました。「動物から」におさめた十六の作品はわたくしのなかの捉えどころのない何かをとゞめたしるしがあり…

現代人の建設 知的協力国際協会 ヴァレリイ他 佐藤正彰訳

1937年6月、創元社から刊行された談話集。翻訳は佐藤正彰。装幀は青山二郎。 「國際聯盟文學藝術委員會」は「知的協力國際協會」に對し、現代人の形成に關して生ずる諸問題に就いて連續談話會を準備すべきことを要請した。「委員會」は、かくも廣汎にしてか…

うしろめた屋 山田隆昭詩集

1996年6月、土曜美術出版販売から刊行された山田隆昭の第3詩集。第47回H氏賞受賞作品。 時間は万象のうえにひとしく刻まれているのだろうか。象と蟻の時間は違うのだという話を聞いた。生活上の必要から時間を摑まえ、人間は時計というものを作ってしまった…

薔薇断章 尾崎左永子歌集

2015年10月、短歌研究社から刊行された尾崎左永子の第13歌集。装幀は倉本修。 永いこと、私は前歌集『椿くれなゐ』を最後の歌集にしようと思い定めていた。終戦前後に佐藤佐太郎門下となってから、戦後七十年という今年、七十年間も短歌に関わって来たと思わ…

詩歌の起源 琉球おもろの研究 鳥越憲三郎

1978年6月、角川書店から刊行された鳥越憲三郎の詩論集。装幀は大沢康夫。 演劇が祭式に起源をもつと同じように、詩歌もまた宗教的発生に負うものであることについては、すでに多くの人から指摘されている。しかし本書はさらに詩歌が、直接には神託に起源す…

異郷の季節 鈴木道彦

1986年9月、みすず書房から刊行された鈴木道彦(1929~)の旅行記。2007年に新装版が刊行されている。 目次 Ⅰ パリ左岸のことなど 書物を流れる歳月 アルジェの宿 フランツ・ファノンの考え Ⅱ にせ金作りと老ヒッピー 一九八〇年代の同性愛者 Ⅲ 「五月」の作…

すばらしいこと 北畠八穂人生随筆

1971年10月、実業之日本社から刊行された北畠八穂の随筆集。 海、深く、小粒な貝が、砂にもぐって住んでいる。その貝がポコッとアブクをふく。 ポコ、ポコ、ポコッと、潮をくぐって水面にうく。 それは、貝の息。貝のつぶやき、貝のうた。 貝は私。吐いたポ…

見知らぬ愛人 西條八十詩集

1926年5月、交蘭社から刊行された西條八十(1892~1970)の第2詩集。改版。画像は函欠。 目次 ・見知らぬ愛人 老人と帆 母の唄 都會の記憶 墓 崖の斷層面 古き時計 氷の上の籐椅子 落葉 夜の空 人形を負ひて 向日葵のかげ ・ゆくへ 春の夜の霰 干瀉のほとり …

クラルテ アンリ・バルビュス/小牧近江

1952年6月、ダヴィッド社から刊行されたアンリ・バルビュス(1873~1935)の長編小説。翻訳は小牧近江(1894~1978)。叢文閣版(1924年)の復刊。 目次 1 私 2 私たち 3 夕暮とあけぼの 4 マリィ 5 その日その日 6 夕の一声 7 あらまし 8 叫ぶ者 9…

夢の顔 岡谷公二

2009年9月、私家版として刊行された岡谷公二(1929~)の随筆集。 私は決して世間が広い方ではないが、思いがけず長生きしたおかげで、様々な人と知り合い、交際合うことになった。しかし彼らの多くは、もうこの世にはいない。私は今年傘寿になるので、これ…

人生斜断記 マルセル・エーメ/鈴木松子

1939年5月、白水社から刊行されたマルセル・エイメの短編小説集。翻訳は鈴木松子。 目次 一、 小説家マルタン 二、 俺は馘になつた 三、 生徒マルタン 四、 死んでゐる時間 五、 女房を寢取られた男共 六、 マルタンの靈魂 七、 エヴァンジル通り 八、 クリ…

まわり舞台 小泉萩子詩集

1961年1月、私家版として刊行された小泉萩子の詩集。 目次 寄せ文 ・第一部 いのちのうた 序 古都の夏 父に 母に 小さな童話 望鄕 故鄕人 原爆記念日 空と海と風と ・第二部 季節のばらあど 序 早春 春の唄 五月の絵葉書 五月のことば ろくがつのうた 燃える…

アンクル・トムの子供たち リチャード・ライト/皆河宗一

1955年5月、新潮社から刊行されたリチャード・ライトの長編小説。翻訳は皆河宗一。1970年、晶文社から復刊。 目次 一、 ビック・ボーイの脫出 二、 消えやらぬ暗い歌 三、 火と雲 四、 輝く明けの明星 あとがき NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフ…

浮気町・車輌進入禁止 清岳こう詩集

1996年10月、詩学社から刊行された清岳こうの詩集。装画は岩原数子。第2回中原中也賞候補作品。 「そのおばあちゃんには、おじいちゃん以外に好きな人がおって、死んだらそっちを向いて寝たい、言うことやったと聞いちゅう。ほんで、今でもそのおばあちゃん…

ガーデニア・ガーデン 錦見映理子歌集

2003年1月、本阿弥書店から刊行された錦見映理子の第1歌集。装幀は名久井直子。ホンアミレーベル1。 夏の終わりの雨の夜だった。歌集のためにまとめた原稿を、初めて人に見せた。中野の喫茶店で、信頼する俳人で歌人でもある岡田幸生さんの前に座って、私は…

繪のない繪本 アンデルセン/大畑末吉

1949年5月、郁文堂書店から刊行されたアンデルセンの童話。翻訳は大畑末吉。表紙は真木宣武。 日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

陽が昇るとき 木々康子

1984年6月、筑摩書房から刊行された木々康子の長編小説。装幀は栃折久美子。「蒼龍の系譜」の続編。 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

蒼龍の系譜 木々康子 

1976年5月、筑摩書房から刊行された木々康子の長編小説。装幀は栃折久美子。第17回「田村俊子賞」受賞作品。 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

左手 目黒裕佳子詩集

2019年1月、思潮社から刊行された目黒裕佳子(近衛はな)の第2詩集。装画は著者。 目次 よる きり おんがく 心象i 古のうた 風 滝 ねむり いき 心象ii 心象iii 手 夏 氷 旅人 色彩 鬼ごっこ あしおと まひる 月と石 夜明け 心象iv 心象v 対話 海 十一箇月 ND…

波動 新井豊美詩集

1978年9月、あんかるわ叢書刊行会から刊行された新井豊美(1935~2012)の第1詩集。 目次 花闇 晩夏 波動 五月のかげ 薄暮 囲繞地 光の声 幻影 歓喜と塩 ひまわりよ 見たか 雪 朝の坂 鳳仙花 解体祝歌 輝かしい闇のために <波動>へのメモ 坂井信夫 日本の…

青春の遺書 嶋岡晨詩集

1957年3月、国文社から刊行された嶋岡晨の詩集。著者自装。ピポー叢書。 目次 一、青春 希望 訛り 青春 雲のあいだから もしも一羽の鳩が ひとつの墓石になるために 食卓なんか無い 祝砲 風景 二、精神史 精神史 時間の街かど 海の労働者 掌の上の道 乳搾り…

ガーデニア・ガーデン 錦見映理子歌集

2003年1月、本阿弥書店から刊行された錦見映理子(1968~)の第1歌集。装幀は名久井直子。ホンアミレーベル1。2018年、『リトルガールズ』で第34回太宰治賞。 夏の終わりの雨の夜だった。歌集のためにまとめた原稿を、初めて人に見せた。中野の喫茶店で、信…

短篇集 川端康成

1939年11月、砂子屋書房から刊行された川端康成の短編集。 目次 夏の靴 有難う 髮 朝鮮人 馬美人 神います お信地藏 滑り岩 時雨の驛 雪隱成佛 帽子事件 叩く子 化粧 港 バッタと鈴蟲 笑はぬ男 日本人アンナ 金錢の道 縛られた夫 夫人の探偵 離婚の子 死面 …

救いなき人々 クリストファ・イシャウッド

1954年9月、文藝春秋新社から刊行されたクリストファー・イシャーウッド(1904~1986)の長編小説。翻訳は中野好夫。 目次 解說 ベルリン日記―一九三〇年秋 サリー・ボウルズ―一九三一年夏 リューゲン島にて ノヴァック家の人々 ランダウエル家の人々 ベルリ…

現代詩新講 現代詩人會編

1951年9月、寶文館から刊行された詩論アンソロジー。装幀は寺田政明。 目次 Ⅰ 現代詩と他藝術との交流 現代詩と繪畫・高見順 現代詩と映畫・岡本太郞 現代詩と音樂・塚谷晃弘 Ⅱ 詩書による日本詩史 明治篇・城左門 大正篇・伊藤信吉 昭和篇・小野十三郞 杉浦…