2021-01-01から1年間の記事一覧

夜更けわたしはわたしのなかを降りていく 水出みどり詩集

2017年10月、思潮社から刊行された水出みどりの詩集。刊行時の著者の住所は札幌市南区。 目次 Ⅰ 水のらせん階段を降りて エメラルド 美しい血 ぬぎ捨てた影を サボテン とうさんの声 みえないものがみえ たじろぐ 夜を引き裂いて りはびり CALL 流刑地 結子 …

砂の降る町で 壁淑子詩集

1990年3月、詩学社から刊行された壁淑子(1935~)の第3詩集。装幀は田沢茂。 占領時代は終わったのに、「GIの胸に恋を語りつづける紅唇」という原風景がある。壁淑子の学校は、旧日本空軍病院で、校庭は有刺鉄線で囲まれていた。囲まれていたのは、日本の空…

湯島通れば 永島卓詩集

1992年4月、れんが書房新社から刊行された永島卓(1934~2016)の第5詩集。版画は鍔本達朗、装幀は宮園洋。著者は愛知県碧南市生まれ。 目次 湯島通れば 約束 演技 口笛 迷宮 皮膚 桜花 失踪 水滴 廊下 行方 八月に倒れる男 後書 NDLで検索Amazonで検索日本…

音をあたためる 徳弘康代詩集

2017年8月、思潮社から刊行された徳弘康代(1960~)の第4詩集。装画は相沢律子「生命の木」。著者は高知県生まれ。 目次 りんごの崩壊(collapse) アゲハはサナギで越冬する これから先の人生のなかで、今が一番きれい 「幸あれ」 エスカレーター おとしま…

独楽の回転 甦る近代小説 高橋昌男

1996年11月、小沢書店から刊行された高橋昌男(1935~2019)のエッセイ集。三田文学連載。 明治の末から大正にかけてのいわゆる自然主義小説が、粗削りながらいかに活力にみちたものであるか、そのことを再発見した気になったのは今から十年ほど前、私が五十…

中南米ひとり旅 富山妙子

1964年2月、朝日新聞社から刊行された富山妙子(1921~2021)の旅行記。アサヒ・アドベンチュア・シリーズNo.5。著者は画家。装画は著者。 目次 まえがき 泉靖一 I 未知の国へ 夕闇に消える紀伊半島 故郷を捨てる人 中国二つの顔 亡命者たち 南ア連邦の一か…

冷麺 青山雨子詩集

2018年10月、書肆山田から刊行された青山雨子(1961~)の第8詩集。カバーオブジェは井坂奈津子。装幀は亜令。著者は福井県武生市(現越前市)生まれ。 一九九九年に初めて韓国を旅行した時、高速道路のパーキングエリアで日本の巻きずしにそっくりの食べ物…

皮膚と対話と 武内辰郎詩集

1971年9月、勁草書房から刊行された武内辰郎の第1詩集。装幀は佐伯義郎。母は詩人の武内利栄。 僕は詩を書きはじめてから二十五年あまりになる。もっとも、この間には十年近い<沈黙>の歳月がふくまれている。これが、僕の詩作の全過程である。そして、作そ…

世間の顔 荒木巍

1937年5月、竹村書房から刊行された荒木巍(1905~1950)の短編小説集。 目次 序文 世間の顏 谷底 喧嘩 戀愛 肉體の罠 朱の机 幼年 袋小路の在る風景 靑戶兄弟 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

丘陵の道 坂上清詩集

1997年10月、皓星社から刊行された坂上清(1928~)の詩集。著者は兵庫県洲本市生まれ。 《敗戦後から前を書きはじめて、半世紀を越えた。これまでの作品を見直して、一冊にまとめたいと思った。見直しているうちに気が変って、分冊にすることにした。》ここ…

筑紫萬葉散歩 片瀬博子 木原信

1979年2月、西日本新聞社から刊行された片瀬博子(1929~)と木原信(1914~2005)の紀行画文集。 一昨年の春、西日本新聞社文化部から画家の木原信氏と組んで筑紫万葉散歩を毎週連載するようにとのお話しを受けて楽しい思いで応じた。散歩は性に合っている…

取残された町 徳田一穂

1939年12月、青木書店から刊行された徳田一穂(1903~1981)の短編小説集。 目次 ・取殘された町 無心邂逅 麒麟館 ・竝木の病葉 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

斜坑 押切順三詩集

1968年9月、たいまつ社から刊行された押切順三(1918~1999)の詩集。著者は秋田県雄勝郡生まれ。刊行時の住所は秋田市大町。 目次 第一章 (一九六七年~六五年) 勳章 短章 空洞 土崎港浜ナシ山 斜坑 ある日に ラーメンについてのノート 斜めに日が 放棄 首…

ヘッセ詩画小編 ヘルマン・ヘッセ 高橋健二訳

1977年10月、木耳社から刊行されたヘルマン・ヘッセ(1877~1962)の詩画集。翻訳は高橋健二。詩画5枚と解説、ヘッセのポートレイト。 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

女の手帖 荒木巍

1940年8月、河出書房から刊行された荒木巍(1905~1950)の短編小説集。装幀は山崎坤象。画像は函欠本。 目次 女の手帖 稻妻 黄色い手紙 光を背負ふ男 新しき鹽 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

味噌汁の具 小宮隆弘詩集

1991年5月、青蛾書房から刊行された小宮隆弘(1927~)の第4詩集。著者は大牟田市生まれ、刊行時の住所は大牟田市。 目次 ・電話のベル 一九七八年「午(うま)歳」 消える 今朝のビラ こだわる日 誤算 晩春 青のレモン 足うらの虫 再検 時間差 妻病む 春の…

池田満寿夫全詩集 池田満寿夫

1979年11月、水兵社+深夜叢書社から刊行された池田満寿夫(1934~1997)の詩集。装幀・装画は著者。著者は旧満州生まれ。 目次 Ⅰ 『未刊詩集』 動詞の関係 地平(Ⅰ) 静止(Ⅱ) 疾走(Ⅲ) エスプリの勝利 オマージュ――土方巽 寓話 Ⅱ 詩画集『ミックスド・フ…

淡粧 大田洋子

1941年8月、小山書店から刊行された大田洋子(1906~1963)の短編小説集。装幀は柳瀬正夢。 目次 淡粧槿花早春のころ墓碑レオニイ・ギルモア NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

やさしさ・その他 佐伯徹夫詩集

1985年3月、青磁社から刊行された佐伯徹夫の第1詩集。装幀は内田麟太郎。著者は東京都生まれ、刊行時の職業は中学校教員、住所は厚木市。 初めての詩集です。詩を書いていて思うことは、生み出す苦しさはあっても楽しさはないな、ということです。たぶん、ぼ…

かみさんと階段 井之川巨詩集

1998年7月、青蛾書房から刊行された井之川巨(1933~2005)の第7詩集。装幀は山崎晨。著者は東京生まれ、刊行時の住所は品川区大崎。 五年ぶりに詩集を出すことにした。この五年間に何があったかと振り返ると、母をはじめ何人かの肉親や親しい友人を亡くした…

風夜 白川渥

1949年6月、白眉書房から刊行された白川渥(1907~1986)の短編小説集。装幀は竹中郁。 目次 風夜 微笑 るすゐ抄 頑童 稲妻 少年のブラッシ 月光 朱い祠 轉居 モカの店 村歌 野猿のゐる寺 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

北を指す針 内海繁歌集

1979年4月、内海繁歌集刊行委員会から刊行された内海繁の第1歌集。装幀は黒川録郎。刊行時の著者の住所は姫路市。付録栞は、黒川録郎「「『北を指す針』に懐う」、松井岩男「『北を指す針』と南龍夫、川口汐子「恵郡山の雪」、小林武雄「わが友へ」、安藤礼…

ふるさと 岩国 御庄博実詩集

2008年9月、思潮社から刊行された御庄博実(1925~2015)の詩選集。著者は岩国生まれの医師。列島 『ふるさと―岩国』の詩集を届ける。 岩国で育ち、広島で被爆した僕には、世界遺産「宮島」をもつ広島湾は僕の火祭の場であった。 一九三八年、中学二年生の僕…

引かれ者の小唄 浅野明信詩集

1977年7月、北海詩人社から刊行された浅野明信(1933~2005)の第11詩集。題字・絵は著者。北海詩人叢書10。刊行時の住所は北海道江別大麻栄町。 目次 ・恋のフットワーク 恋のフットワーク 片隅のちり 後ろ姿 夜空 憧れ 空と土 少女と少年 ひとつの夜 汚れ …

夜の木立 矢口以文詩集

1978年8月、創映出版から刊行された矢口以文(1932~)の第2詩集。 目次 Ⅰ ざんごうに あなたは 彼 あるバーで l LOVE YOU おんなじ 仕立てている どぶの中に ススキノ 水洗トイレ 「この馬鹿野郎! 暗い カズ キトー 幼ななじみ Ⅱ 蜘蛛 血の 山の 波にかわ…

雨を見ている 根来眞知子詩集

2019年8月、澪標から刊行された根来眞知子(1941~)の第6詩集。装幀は森本良成。著者は鳥取県生まれ、刊行時の住所は京都市右京区。 目次 Ⅰ 超特急 地球儀 八月 ばあちゃんの夢 どこ? 龍神 黄砂 絶対恐怖 予感 Ⅱ 春呼ぶ小鳥 黄色 雨を見ている 連鎖病状 夏…

現代小説選集 田山花袋徳田秋聲誕生五十年祝賀記念

1920年11月、新潮社から刊行されたアンソロジー。編集は島崎藤村、長谷川天渓、有島武郎、片上伸。見返し装画は津田青楓。 一、本書の印税は永久に田山花袋、德田秋聲兩氏に贈呈す。一、文壇一般の祝意を代表するに小説のみを集餘せるは、もとより偏頗の憾な…

岡本彌太詩集 瀧篇 岡本彌太

1985年12月、泰樹社から刊行された岡本彌太(1899~1942)の詩集。監修は山川久三。著者は高知県香美郡岸本町生まれ、 岡本彌太の詩集『瀧』の復刻刊行が、やっと実現の運びになりました。しかし、岡本彌太といい、『瀧』といっても、ぴんとくる人は少ないだ…

炭山は寂れた 浅野明信詩集

1970年10月、北書房から刊行された浅野明信(1933~2005)の第6詩集。著者は室蘭生まれ、刊行時の住所は北海道滝川市。 ここ十年余り、ボクは炭坑ものの作品にとりつかれてきた。様々な詩誌にも、こうした詩作品を発表してきたものだ。<明暗>には詩だけで…

坑道 前田義則歌集

1973年11月、私家版として刊行された前田義則の第1歌集。写真は三池炭鉱労働組合。 歌集「坑道」は、私の最初のささやかな歌集である。この歌集には、昭和四十三年から四十八年まで「新日本歌人」その他に発表した作品のなかから二〇二首を選んでおさめるこ…