2007年8月、砂子屋書房から刊行された竹山広(1920~2010)の第8歌集。装幀は倉本修。
本集には『遐年』以後三年間の作品五一三首を収めた。私の第八歌集である。八四歳から八六歳までのこの三年の間に、身心の老いは作歌に限界を感じるところまできたが、歌うことが生きる支えであったことに変りはない。収録した作品に、時に恥かしい思いをしながらも、自らの手で一巻となし得たことはこの上もない喜びである。
歌集名の『空の空』は、集中の一首「空の空その空の空さらにその空に空あるものぐるしさよ」から取った。
(「あとがき」より)
目次
- 残り雪
- 石段
- 朝の地上
- 九州の神
- 遷りゆく意志
- 合歓の風
- 雲
- 訓練
- 十月明く
- 急須
- 信号
- 橋
- 芸
- 若妻
- 椅子のうしろ
- 鉄階段
- 児童園
- 声あぐる水
- 梅雨の太陽
- 時計の針
- 足の運動
- こゑ
- 一存ありて
- 進化のごとく
- ルイジアナの雲
- 熊よ
- ぎつくり腰
- 深井
- 霜降の雲
- あしたとゆふべ
- 日記帳
- 音なき雨
- 日照雨
- しじみ汁
- 万一
- 大小長短
- 目薬
- 列島の西
- 車と車
- 肩
- 透きとほる扉
- この国
- 空の空
- 車はまだか
関連リンク
Wikipedia(竹山広)
わがとこしへの川―魂の歌人・竹山広―