詩人の耳 柳生千枝子句集

f:id:bookface:20211110085911j:plainf:id:bookface:20211110085913j:plain

 1993年3月、本阿弥書店から刊行された柳生千枝子(1913~)の第2句集。装幀は内田克巳。著者は港区生まれ、刊行時の住所は芦屋市南宮町。


目次

  • 師の一句 岡本圭岳
  • 白蛾 昭和二十九年~三十七年
  • 地平の紺 昭和三十八年~四十九年
  • 銀化 昭和五十年~六十年
  • 霜凪 昭和六十一年~平成三年
  • 両巾振らん 安水稔和

あとがき


NDLで検索
Amazonで検索
日本の古本屋で検索
ヤフオクで検索

 

青い小さな葡萄 遠藤周作

f:id:bookface:20211201143209j:plain

 1956年12月、新潮社から刊行された遠藤周作(1923~1996)の作品集。装幀は山田申吾。表題作は著者初めての長編。


目次

・靑い小さな葡萄

  • 第一章
  • 第二章
  • 第三章

・コウリッジ館

・有色人種と白色人種

あとがき


NDLで検索
Amazonで検索
日本の古本屋で検索
ヤフオクで検索

二つの旅 鈴木志郎康詩集

f:id:bookface:20211030161734j:plain

 1983年11月、国文社から刊行された鈴木志郎康(1935~)の詩集。装幀は三嶋典東。

 

 一九八一年の秋に清水鱗造さんから「書きおろし詩集」をやってみないかと話を受けた。それから発行に至るまでに丁度二年経ってしまった。まずはじめは、日頃詩を書いている発想の仕方で、長い詩をいくつか書けばよいように思っていた。それから、一連の長い詩を書くために主題がいるように思えて来て、「二つの旅」ということを考えた。しかし、主題を決めたということが、そんなふうに詩を書いたことがなかったわたくしに、書くことを非常にむずかしくしてしまった。改めてわたしが詩を書くとき、日常生活しているときの気分に乗って書いていることをはっきりさせることになった。書けないままに、一年余りが経ってしまった。記憶に残っている事実と、その事実に書く段階で気分的にかかわる仕方がわからなかったのだ。
 その仕方がわかったから書けたというわけではないが、結局約束がのびのびになっているのが心苦しくなって、昨年の十二月に盛岡市に旅行した折に、岩手山の北側にある湯治場の松川温泉まで足をのばし、そこで思い切って「西の旅」を書くことができた。行わけにことばを書くというのは、気分を持ち上げていなくてはならないが、記憶を辿りながら気分を持ち上げた状態を保つのは意外にむずかしいことだった。雪に降り込められたような、行くところもない場所で寝起きしているのは、記憶に沈潜するのにはよいが、それと、行わけのことばを維持するのとはどうも違うようだ。ことばとしては同じで、シンタックスも変らないけれど、散文体とは違って、感情を生起させる仕掛け、または装置、または働きをことばに組み入れなくてはならない、ということが思うままにならないのである。
 「西の旅」を書いて、その仕方で「東の旅」も書けるのではないかと思ったが、そうは行かなかった。日常生活から離れたところに籠るということもできないまま、日頃の書き方で記憶を交錯させて書くよりなかった。それで、この方は何回かに分けて書くことになって、今年の四月の末にようやく書き上げることができた。
 記憶をもとにしてことばを繰り出すということをしているが、ことばで記憶がどこまで辿れるかということを考えているわけではない。また、自分の記憶を他人に語りたいという気持はあるが、それを他人に語ってどれ程のことがあるのかという気持もある。書き終えて、出て来たものを見ると、まだまだわたしは生きる積りで、現在の自分の考え方に立って、非常にエゴイスティックに記憶にあるものを意味づけているようである。といって、その意味の展開が十分になされているとも思えない。しかし、ここで一度持ち出してしまったからには、それはそれで続けなくてはならないだろう。この詩集は、わたし個人にとって結着に手をつけたと同時に、別に足の方は踏み出した地点を示しているものといえる。
(「あとがき」より)

 

 


目次

  • 西の旅
  • 東の旅

あとがき


NDLで検索
Amazonで検索
日本の古本屋で検索
ヤフオクで検索

黒い爪 岡葉子

f:id:bookface:20211020192523j:plain

 1959年12月、第二書房から刊行された岡葉子(1908~)の長編小説。装画は島珠実。第36回芥川賞候補作品。著者は福島県生まれ、刊行時の住所は足立区梅田町。


目次

  • 第一部 黒い爪
  • 第二部 雪の爪
  • 第三部 地の爪

あとがき


NDLで検索
Amazonで検索
日本の古本屋で検索
ヤフオクで検索

だから私はそれをする 五月みどり

f:id:bookface:20211109112212j:plain

 1977年3月、泰流社から刊行された五月みどり(1939~)のエッセイ集。企画・監修は片岡直彦。写真は内藤忠行、装幀は遊糸+大泉講平。

 

目次

  • 幕があがると
  • ストリッパー
  • 私の中の娼婦
  • あみだとエン
  • ごはん茶わんでお茶 
  • セックス・カレンダー 
  • 楽ちんであること 
  • オオ・ミスティクル 
  • 二号さん業 
  • 家をあげた話
  • 酒と禁酒
  • ラブ・ホテル 
  • 男らしさと女らしさ
  • カマキリ夫人
  • テレホン・セックス
  • ベトナム……十七歳
  • 女の舞台(ステージ) 
  • 裸になったわけ
  • 可愛いおばあちゃん
  • 指輪の話
  • 外国指向 
  • 失敗談 
  • オナラの話 
  • ギャンブル・そして馬 
  • したいという事とするという事の大違い
  • 悪い女じゃないけど駄目な女なの 
  • 若くはないけど女盛りだから
  • 幕がおりる時


NDLで検索
Amazonで検索
日本の古本屋で検索
ヤフオクで検索

含羞曠野 夏目漠詩集

f:id:bookface:20211030093418j:plain

 1977年11月、詩稿社から刊行された夏目漠(1910~1993)の第3詩集。

 

 「火の中の眼」という詩集を出したのが、昭和三六年七月であったので、これは、十七年ぶりにとりまとめたことになる。思えば永いこと自己点検を怠ったものだ。
 多数の作品のなかから、篩いにかくベきはかけて編むという作業は、厖大な時間(およそ八ヶ月)と根気とを要し、その間、ほかのことは見送るのやむなきに至った。ほかのこと、つまり新たに創作するなどの仕事ができなくて、過去の自分と取組んでばかりきたわけだ。
 そんな一面を伴ったにしても、本詩集が日の目を見たことは、自分自身にとって、意味が薄くはないのであって、むしろ満足感もあるようだ。即ち昭和三〇年ごろから今日までの二〇年間の、その都度単発的に作ったものを、暦順ではなくて色彩別に並べなおし整列させてみると、新たな眺めが得られなくもない。ばらばらの手足が、人間の形にまとめられ、しかもその形が、霧がはれて明瞭になったような気がするのである。詩集づくりは、私の場合”私の私による再発見”であるのであろうか。
 明かに病者である私。「四季」では、それほどでもないが、「ぼくらは叫んで…」では躁のようだし、「日常の死」では鬱、ついに「颯爽たる無」では、竹の筒同然の中空者なのだ。
 この四つに分裂し、分裂しながら変にうねり狂っているようなパーソナリティは、ひとりの人間、幼少期から成熟期を経て喪失の壮老年に達する過程を、なぞっているようにも見える。われながら笑止の至り、単純稚拙…おまえはまだこんな所にもたついているのかと笑われそうで、内心困惑気味である。
 けれども、これを出すことによって、身軽になりそうな気がするのも、事実である。開き直って、骨の髄まで曝したからには、もうこれ以上堕ちることはあるまい。羞恥は、一度は超えるに値するもののようである。
 気羞かしい身心の曠野を、こうして世にさらすことを、おゆるし下されたい。気味わるがらないで頂きたい。辱知のかたがた――島尾敏雄氏、椋鳩十氏、五代夏夫氏、そしてわが詩の直接の判官――井上岩夫氏ならびに「詩稿」同人諸兄に、はにかんでこれを捧げたく思う。またこの一冊の誕生を待って下さった友人諸氏にも。願わくば、ご叱正あらんことを。
(「あとがき」より)

 

目次

・四季

  • 孤生事始め
  • 一粒の真珠
  • 青い蚊帳
  • 夏休みの小児
  • 遠い気配
  • 夏の海
  • 蔬菜ぴいまん
  • 台風の夜
  • 逝くもの
  • 風立ちぬ
  • 過去
  • 空いちめんの声
  • 秋の女
  • 私は見た 秋に
  • 紙と文字
  • 初冬の店
  • たそがれの跫音
  • 或る夕餉
  • 闇のなかから
  • 雪という文字
  • 冬のメルヘン
  • 綴方
  • バリカン
  • 坂のある町ない町
  • 四季

・ぼくらは叫んで暮らすべきである

  • ぼくらは叫んで暮らすべきである
  • 絶叫
  • 返して
  • 踵は返すためにあった
  • 愛の数式
  • 実用に徹せよ
  • 空と撃鉄
  • 魚を食べる
  • 久しぶりの愛
  • 街頭所見
  • サラリーマン 
  • 子どもと巨石
  • 偉大さに居るお前
  • 炊餐記
  • 眼鏡直しに行った妻
  • 飢えに堪える
  • やさしさの鳥
  • 音の墓標を
  • 微妙な果実
  • われ胎童
  • デッサン・幼年記

・日々の死

  • 昏く重たい夜
  • 弟よ
  • 見る 
  • 苦い風景 
  • いかなる日々を経たものの
  • 地上
  • どんな気で
  • 遠山の影
  • 幻醍の怪輪
  • 現代の会話
  • 天の鏡の下では
  • 毀されるための絵画
  • 死色
  • 数々の死
  • 美しい箱
  • 事故始末書 
  • ドラマの進行について
  • 枕の記
  • 眠りへの国境で 
  • 女は眉宇をひきしめた

・颯爽たる無

  • 夢で見る空 
  • 下降
  • 逡巡
  • 或る日 俺は
  • 部屋
  • 時の殻 
  • ひとつの最期
  • 夕暮れの些事
  • 颯爽たる無 
  • 気弱な流星
  • 戯れる
  • 虚しさの行方
  • 父と子 
  • 出没の光景
  • 円の不在
  • 目をつむる 
  • 日はきらきらと
  • 風景考
  • 栄える町で
  • 幻の犬


NDLで検索
Amazonで検索
日本の古本屋で検索
ヤフオクで検索

 

少年十字軍 マルセル・シュウォッブ 多田智満子訳

f:id:bookface:20211020192306j:plain

 1998年7月、王国社から刊行されたマルセル・シュウォッブの短編小説集。翻訳は多田智満子。装幀は東幸央。

 

目次

  • 黄金仮面の王
  • 大地炎上
  • ペスト
  • 眠れる都市(まち)
  • 〇八一号列車
  • リリス
  • 阿片の扉
  • 卵物語
  • 少年十字軍


NDLで検索
Amazonで検索
日本の古本屋で検索
ヤフオクで検索