1979年12月、気争社から刊行された荒川洋治(1949~)のエッセイ集。装幀は谷川晃一。
目次
- アイキューの淵より
- わるい日旅立ち
- 曲げるが勝ち
・現代詩のひとびと
- 君の国が黄昏れば 岡崎純『藁』
- あたたかい国語の波 広部英一『邂逅』
- 類型の個性 則武三雄「敦賀城址」
- 波うつ郷愁 相澤等 『道具魔館周遊』
- 二度とハサミは使わない 犬塚堯 『南極』
- 季節へ伸びるこころ 伊藤比呂美「冬」
- 三枚の肖像 平出隆・犬塚堯・住枝清高
・小説を読む
- うす青い草花 蔵原伸二郎「猫のゐる風景」
- とくちょう 十和田操「帽子をかぶった僕の顔」
- 一家族の夢のような記録 武田百合子『富士日記』
- 主役であるときよりも 立原えりか『小さな花物語』
- カルアユミ 高見順「いやな感じ」
- あまり離れない年下で
- 肉色の地勢 田村泰次郎「蝗」
- 異色の戦争小説 田中小実昌「北川はぼくに」
- つねならぬ光 ディーノ・ブッツァーティ「七人の使者」
- 詩的ないきさつ レイ・ブラッドベリ『とうに夜半を過ぎて』
- 強まったかげの声 結城信一「空の細道」
- 驚・愕・駭
- 哀切な関わり 川崎長太郎『乾いた河』
- 再読ノート・抄 「昭和文学史」・「安い頭」・「南方」・「湘南電車」
・わがテレビ・シフト
- 消し忘れよりはじまる
- ふてぶてしさがあたらしい
- この小説だけはテレビにしたい!
- ゲストにも一曲うたわせろ?
- 画が消えて……
- テレビに映るんだ、タレントと思うべし
- 第三の色、見せましたね
・「わたし」が見える日
- 東京の風の道を歩く
- 悪所通い
- 女が書ける書けない
- 女子への旅
- 春雷
- 赤い運命
- 着るもののこと
- ポスト不信症
- 雨が降っても嵐でも
- 読み切る
- 読書ノート
- なぜ書名をかくすのだろう
- ブルガリア短編集
- 奇妙な視角
- 八十一年
- 水居駅
- わたしのユリ科
- IQ日記
・朝の国へ
- 詩人
- 両端の霧
- 旅を終えて
・制作の日々
- 書目の感動
- 雑誌に帰れ
- 漂着の〈集〉
- 対決の姿勢
あとがき