このブログについて

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bookface=本の顔=表紙=書影=装幀=装丁=装釘=装本=装画。所有している本や新たに購入した本の備忘録。新刊本よりも墓石化している古書が多い。感想文を書くことがあるかもしれないが、基本的には表紙(裸本の場合は扉)と目次と書誌情報。第○詩集という記述には不正確なものもある。

南陀楼綾繁さんの取材を受けました!
→ シリーズ古本マニア採集帖 第11回 磯貝一さん 「ことば」のルーツを探るひと

 

南陀楼綾繁さんのインタビュー集が本になりました。

古本マニア採集帖 「古本のある生活」をおくる、36人へのインタビュー集。

本を集め、本と遊び、本で調べ、本から本を作る……。その情熱と執着は、どこから生まれてどこへ行くのか?読者の記録を追いかけてきた著者による、古本マニアたちの標本箱。「日本の古本屋メールマガジン」人気連載に、新たに書き下ろし原稿を収録。

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古本マニア36人衆の1人として採集されておりますので、よろしくお願いします。(2021.12.31)

横浜 小沢達司詩集

 1964年10月、思潮社から刊行された小沢達司の詩集。

 

 まったく偶然の機会からこの詩編をものにすることができ、結果的には思いもよらぬ作品になってしまった。始め私は何気なく書き損じた原稿用紙の裏に港町という一般的なテーマを詩にしようと書いているうちに、頭に横浜のイメージを浮べていたので、そのイメージを一歩進めて横浜というそのものを詩にしたらおもしろいのでないかと考え、書きたしたり、なおしたり、省略したりしているうちにこのような詩編ができあがったのである。
 この作品を書くことによって私は横浜そのものから教科書をひもとくように非常に多くのものを学ぶことができた。作品の出来不出来はともかくとしてもこの詩をものにしたことはまったく有意義であった。がしかし、一体私は詩人であるのか、社会学者であるのか、一市井人であるのか自問せざるを得なかった。学者のようにいろいろな資料をずいぶんあつめ私なりに研究を積み重ねたし、また一市井人として社会の悪に対してはずいぶんいきどおりを感じ、あるいはまた詩人として作品を作ることに大きな喜びを感じたのである。この三位一体がこの作品を産みだしたともあるいはいえるかもしれない。詩人が自分の世界にだけとじこもり、こまやかな情を巧みをもって歌うことが、詩人らしい詩人、詩らしい詩、詩人の本来的なありかたとして美徳とされるなら、この私の詩は最も詩らしくない詩ということになるだろう。
 この詩に統計数字、固有名詞、会話体を思いきっていれてみたことでいっそう具体的客観的なものになったようだ。まだまだこの詩には手を加えねば気がすまぬ点が多いし、年月とともに書き変えねばならないものだ。あまりにも横浜は複雑多様深大である。一人の人間にはとうてい手におえるものではない。この作品ではざっとうわっつらをなでたにすぎない。百人寄れば百人百様の横浜が表現されるはずである。
(「あとがき」より)

 

 

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舞踏、まさにそれゆえに 土方巽 曝かれる裏身体 河村悟

 2015年10月、現代思潮新社から刊行された河村悟(1948~2023)による土方巽論。

 

目次

  • 序章 精神の涯て、身体の涯て
  • 第一章 魔弾の射手の出現
  • 第二章 三島由紀夫への返答
  • 第三章 間腐れの発生
  • 第四章 移体の解剖学
  • 第五章 曝(あば)かれる裏身体
  • 第六章 舞踏言語の根源
  • 第七章 消滅したもの
  • 第八章 仮説と物語の発見
  • 第九章 傷口の採集
  • 第十章 夢素の探求
  • 終章 私は空の裏を旅している

追記


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青日向 伊藤一彦の歌の世界 

 1996年10月、本多企画から刊行された伊藤一彦(1943~)ガイドブック。著者は宮崎市生まれ。刊行時の住所は宮崎市大島町

 

目次

一、『海号の歌』作品抄(平成七年九月三〇日雁書館発行)

  • 旅人(八首)
  • 夕景 (一八首)
  • 樹の時代(九首)
  • 人間の手(二六首)
  • イワンを 乗せて(四九首)
  • 夢(五首)
  • 鳥(一二首)
  • 夢の階段(一四首)
  • 異物(二七首) 月の光を(一五首)
  • 光の国(一一首)
  • 海号 (一五首)

二、 「海号の歌』の世界

三、自選作品─歌とエッセイ

  • 短歌一〇〇首
  •  『瞑鳥記』『月語抄』『火の橘』『青の風土記』 『森羅の光」各二〇首 
  • エッセイ六題
  •  わが帰郷
  •  偉大なちっぽけ
  •  三姉妹 誕生月の月光
  •  歌を始めた君に 
  •  方言小考――おらびよる
  •  故郷と定型――若山牧水
  • 「青陽」四十五首――受賞第一作
  • 宇宙という時空への恋歌 伊藤一彦

略歴


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吹雪の街 山埜草平歌集

 1979年9月、新日本歌人協会から刊行された山埜草平(1902~)の歌集。編集は赤木健介、井伊脩、高群郁。

 

目次

歌人山埜草平 序にかえて 赤木健介

一九二十年代の小山君 松本三益

無口で詩人肌の小山宗君 掘卯太郎

第二無新時代の小山宗君 高橋勝之

・『短歌評論』時代

  • 習作
  • 吹雪の街
  • 習 作
  • 「村落と春」から
  • 生活抄
  • 五月の歌
  • ゴリキーに寄せる
  • 映画――朝日世界ニュース
  • コルホーズの或る日
  • 蠶と百姓
  • 職場で
  • 情勢抄(防空演習)
  • 新聞
  • 情勢抄
  • 流泥の部落 (1)
  • 冬ごもり(雪中田家) 
  • 忘れてゐた手帳から
  • 漂流船 大隆丸
  • 墓場で
  • 鮮人部落(流離の人々に寄せて)
  • 解逅
  • ある友情(抄)
  • 戦塵
  • 「風雲」から
  • 驟雨
  • 友田恭介を悼む
  • ひとりの記録
  • 戦塵抄
  • 菜根抄

・『短歌時代』時代

  • 炎の歌――ある婦人への独白
  • 独白(ある婦人に)
  • 俺と妻と
  • おりにふれて
  • 颱風の夜
  • 冬枯(銃後歳末抄)
  • 鬼薊
  • 歯痛
  • 野路の子供
  • 無題

・『人民短歌』時代

  • じんみんしんぶん
  • 歴史の日
  • 一九四七年十月一日 
  • 秋風抄
  • 校正子のうた
  • 寒雨抄
  • 同志葬送(一) 
  • 病める綱夫に
  • 獄にありて
  • 自画像そのた
  • 柳瀬正夢
  • 獄の日その他(遺稿)

あとがき 髙群郁
山埜草平の略歴

 

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自解100句選 飯島晴子集

 1987年12月、牧羊社から刊行された飯島晴子(1921~2000)の100句選集。装幀は伊藤鑛治。

 

 作者は自作一句について、その入口を話すことはできる。入口を知っているのは作者だけである。しかし、一句が何処へ出たかについては、作者もまた読者以上に何を知っているわけでもない。作者も読者の一人に過ぎない。作品が最後に出た処は、読者それぞれによって微妙に、或いは大変に違う。つまり俳句は、他人に読んで説明してもらうことはできないのである。そこが俳句の面白いところでもある。
 だからこの百句についても、入口だけを書くように心掛けた。この外にも愛着の作品はあるが、それはもはや入口すら思い出せないので、書くすべがない。どうしても、書きやすい句を選ぶことにはなった。ただ、入口の千差万別の様子は、俳句に日の浅い人に参考になるかと思う。俳句は、いつどこから降って湧いてくるかわからない。
 この本をまとめてみると、約半数が、いろいろの仲間に誘われることがなければ存在しなかった作品である。機会を与えてくれた俳句仲間の有難さが身にしみて思われた。
(「あとがき」より)


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すみれ色のパセリ むろふしチコ詩集

 1983年5月、サンリオから刊行されたむろふしチコの詩集。装画は金井塚道栄。著者は「ハチのムサシは死んだのさ」を補作詞。

 

目次

  • 人形
  • すみれ色のパセリ
  • アポイマフラー
  • 塔の女
  • 25時のるい
  • お毒味
  • GAME
  • 青空のカーテン
  • 夕暮れにやってくる汽車

あとがき


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