このブログについて

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bookface=本の顔=表紙=書影=装幀=装丁=装釘=装本=装画。所有している本や新たに購入した本の備忘録。新刊本よりも墓石化している古書が多い。感想文を書くことがあるかもしれないが、基本的には表紙(裸本の場合は扉)と目次と書誌情報。第○詩集という記述には不正確なものもある。

南陀楼綾繁さんの取材を受けました!
→ シリーズ古本マニア採集帖 第11回 磯貝一さん 「ことば」のルーツを探るひと

 

南陀楼綾繁さんのインタビュー集が本になりました。

古本マニア採集帖 「古本のある生活」をおくる、36人へのインタビュー集。

本を集め、本と遊び、本で調べ、本から本を作る……。その情熱と執着は、どこから生まれてどこへ行くのか?読者の記録を追いかけてきた著者による、古本マニアたちの標本箱。「日本の古本屋メールマガジン」人気連載に、新たに書き下ろし原稿を収録。

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古本マニア36人衆の1人として採集されておりますので、よろしくお願いします。(2021.12.31)

山月抄 竹下彦一句集

 1969年10月、大地堂書店から刊行された竹下彦一の句集。

 

 俳句を始めてからもう二十三、四年になるだろう。洋燈が好きなので、俳号を洋燈亭とつけて一寸こう云う号をつけているのはいないだろうと、威張っていたら友人の平山明洋君が、松江へ行ったら小泉八雲の邸が、あんたと一緒の名がついていますと云われて、がっかりしたが今更変える事も出来ないので、俳号にはこれを使っている。
 ところがいくら洋燈亭と云っても認めて呉れない処がある。それは八幡城太郎君の青芝グループで、洋燈亭と云っても竹下彦一にされて了うので、これも仕様がない事だと思っている。
 我流で書をかき初めてからこれも廿五年位になる。一日に一時間ずつ自分の好きな字をかいて来たが、これにもなんとか雅号が欲しいと思うが、適当な雅号が見つからない。山と云う字の上に何にか欲しいと思うが、何を載せても面白くないので、これも洋燈亭とかく事にしている。
 字というものもむつかしいものだと思う、余り堅くなってもかえってかけなくなるし、いい字は書けない。自分が気にいる字がかけるかしらと、そんな事を思うばかりである。
 もう十年生きていて、字をかいて居られたらもう少しいい字が書けるものをと思う。年を取ると一年と云わず、一日を大切に仕度いと思うようになるものである。
 これから十年仮名をみっちり勉強仕度いと思っている。
 俳句にはひたむきな情熱を傾けて来た。廿三ヶ年も一ヶ月も休まないで句会を続けて来て一度も休んだ事がないのだから、この真似は他人には出来ない芸当だと思っている。
 ここに収めた句は最近の作から、自分の好きな何を選んでみた。
(「あとがき」より)


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翼 李箱作品集 李箱(イサン) 斎藤真理子訳

 2023年11月、光文社から刊行された李箱の作品集。翻訳は斎藤真理子。光文社古典新訳文庫K-Aイ2-1。

 

目次

訳者まえがき

  • [詩]鳥瞰図 詩第一号
  • [小説]翼
  • [日本語詩]線に関する覚書1
  • [詩]鳥瞰図 第十五号
  • [小説]蜘蛛、豚に会う
  • [紀行文]山村余情――成川紀行中の何節か
  • [小説]逢別記
  • [童話]牛とトッケビ
  • [随筆]東京
  • [小説]失花
  • [書簡]陰暦一九三六年大晦日の金起林への手紙
  • [散文詩]失楽園
  • [詩]鳥瞰図 詩第四号

解説 斎藤真理子
年譜
訳者あとがき


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かなしき春 飯野農夫也詩集 

 1958年11月、二人社から刊行された飯野農夫(1913~2006)の第2詩集(第1詩集は『やぶれた花』)。著者は茨城県真壁郡五所村生まれの画家。

 

 ぼくは 出そうとおもいながらためらっていた詩集を やつと出す気になりました
 そこで自分に聞いてみるのですが一体ぼくは自分の詩を大事にしていただろうか 粗末にしていただろうか うかつのようですが はつきり答えられません
 もともとぼくは 詩には絵がめったに持てないうるおいがある――と読者としておもっています そう思いながら絵をやっています
 上野壮夫さんのところに 昭和七年と九年に居候をしていました しかし作ることに自信をもてなかったので 上野さんにも その他のかたがたにも教わりたい などとはゆめにもおもつて居りませんでした 絵の方でいつばいでした おぼつかない東京ぐらしが だめになつて 引込んだ田舎の家がだめになつて 親類と世間の風がつめたくなつて やりきれないよるひるの明け暮れに 仕方なくすがりついたせつない記憶は 昨日のようでも今日のようでもあります
 そのころ 伊藤信吉さんにめぐりあいました 伊藤さんが支えてくれなかつたら ぼくの詩のほとんどが 消えてしまったことでしょう
 いま詩集に出来るのは原蒼愁君のおかげです
 これまでにおせわになったこれからもおせわになるであろう多くのかたが
たに ささげたくおもいます

一九五八年八月八日
飯野農夫也

 


目次

  • うつくしいものは
  • 雨乞いを見る
  • かなしきはる
  • 馬洗場で
  • 真二顔
  • ねんねのねどこ
  • 子に
  • かなしきはる
  • 嵐の人
  • 西風
  • 日中
  • 冬の草
  • 前途
  • 少年の夏
  • 蘇芳の蕾
  • 風の日
  • さくら


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土曜日の歌集 尾崎左永子歌集

 1988年2月、沖積舎から刊行された尾崎左永子(1927~)の第2歌集。装幀は戸田ヒロコ。


目次

・彩紅抄

・花幻集

  • 故園喪失
  • 都市断片
  • 無弦琴
  • 傍観
  • 時の糸
  • 鎌倉山
  • 葉ざくらの街
  • 無音界
  • 水辺微韻
  • 旅めもらんだむ
  • 中国試詠
  • 冬の潮騒
  • 翔ばざりし
  • 透きゆくは
  • 薄明り

あとがき

 

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三つの椅子 原清対談集

 1966年、牧羊社から刊行された原清(1936~)の対談集。造本は伊藤積。「放送朝日」連載。

 

目次

あとがき 


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ダイビング 佐野千穂子詩集

 1991年8月、詩学社から刊行された佐野千穂子の第1詩集。著者は山梨県中富町生まれ。刊行時の著者の住所は船橋市

 

目次

  • 踏台
  • 外泊
  • 花殺し
  • 作り方
  • せっけん

  • 水の桃
  • 人形
  • 残りの色
  • 鹿の声
  • 未明の鯉
  • 押す
  • 爪月(そうげつ)

  • 水底の石
  • ポストと李再順
  • 想い出し笑い
  • 九族文化村
  • ぬすみ見
  • 大は小を
  • 夫婦茶碗

  • 夜の桜
  • 蒲鉾の板
  • 喰べた湯上がり
  • 深見草

あとがき


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