2004年12月、思潮社から刊行された河津聖恵(1961~)の第5詩集。装画は香月泰男「青の太陽」1969年(山口県立美術館蔵)。
二〇〇三年初頭から二〇〇四年初夏までに書かれたものをまとめた。わずか一年半ではあるが、世界は大きく変動し、個人的にも様々に揺らいだ時間だった。
今、誰にでもあるように一つの生の試練が私の前にあらわれている。あらたな恐れと不安の中で、明日の私はより深い蟻の穴を見いだしているだろう。誰もがそうしたようにそこから青の太陽に憧れていればいい。詩はそこにあるのだと思う。(「あとがき」より)
目次
Ⅰ 青の太陽
- 空色の武器
- 青の太陽
- 月ノ光
- grazia…
- 瑠璃の人
Ⅱ キャラバン
- キャラバン
- 潮
- 出発
- どこかでラジオが――a song for birds
Ⅲ 他者の庭
- 他者の庭
- 金閣まで
- 梔子の夜――焚かれる赤、艶消された白の眠り
Ⅳ schneeblind――聖夜のために
- 転調
- schneeblind――聖夜のために
- 聖夜の舟
- 暮狩地にて――the last deer hunter
Ⅴ われらの神殿――Yに
- われらの神殿――Yに
- 音楽の日
- アトリウムを今
あとがき