2020-09-09から1日間の記事一覧

大阪 小野十三郎詩集

1953年6月、創元社から刊行された小野十三郎(1903~1996)の詩集。表紙は中村真。写真は河野徹。 私がこの詩集の第一部をなす作品を、最初に同じく「大阪」という題の下にまとめ世に問うたのは、いまから十四年昔、昭和十四年である。私にとってはいろいろ…

銀行員の詩集 1952年版

1952年5月、全国銀行従業員組合連合会文化部から刊行されたアンソロジー。選者は野間宏と伊藤信吉。装幀は、日本興業銀行美術サークル、大阪銀行従組東日本支部美術サークル。 石垣りん作品は、「祖国」が「1.ふるさとの四季に歌う」に、「私の前にある鍋…

片耳の、芒 瀬崎祐詩集

2016年10月、思潮社から刊行された瀬崎祐(1947~)の第6詩集。 現実の仕事として肉体に長く触れてきた。生命の誕生とその終焉にも関わってきた。それは疑う余地のない価値をともなう実の世界だった。四年前の詩集では、それに拮抗する虚の世界の構築を夢想…

方舟 山本美代子詩集

1968年9月、蜘蛛出版社から刊行された山本美代子(1932〜)の第1詩集。 あらゆることが自在に託されて、自由で単純で新鮮な詩の原形への憧れが、わたしの模索の向うにはいつもありました。 でもその幻の原形は、いまもなお幻のままでわたしの外に存在してい…