1968年9月、蜘蛛出版社から刊行された山本美代子(1932〜)の第1詩集。
あらゆることが自在に託されて、自由で単純で新鮮な詩の原形への憧れが、わたしの模索の向うにはいつもありました。 でもその幻の原形は、いまもなお幻のままでわたしの外に存在しているようです。定形というものが無く、錯綜した雑多な詩観の中で、自分の詩を組み立てようとするたびに、断崖に立つ目まいを感じないでは居れません。でも、その目まいの中に、醒めた「詩」を意志させる何かが、含まれているのかもしれません。
(「あとがき」より)
目次
序 貴志邦三
・鮫
- 女たち
- 胎児
- 悪夢
- うた
- あやとり
- 聖家族
- 鮫
- まずしい
- さあかす
- 流木
- 水銀について
・林檎
- 分析
- 夏のおわり
- 太った赤ちゃんのコトバ
- 逃亡
- 空
- 林檎
- 貝
- 陶器
- 青春
- 誕生日
・日時計
- 二月
- 愛について
- 雨季
- 焚刑
- 少年の秋
- 街
- 猫
- 滑る
あとがき