1973年3月、山田書店から刊行された入沢康夫の詩集。現代詩叢書1。
本書には、一九五一年から一九七〇年に至る間に雑誌等に発表された入沢康夫の詩篇のうち、既刊単行詩集に収録されていないもののほとんど全部を集めた。一九五五年刊の『倖せ それとも不倖せ』にならって二分冊としたが、分け方は前書と異り、単なる年代別にすぎない。本書の刊行により左の如き作品の三系列が一応の結着を得たことになる。
I『倖せ それとも不倖せ』 『倖せ それとも不倖せ・続』
Ⅱ『ラングル『ンス氏の島』『わが出雲・わが鎮魂』『詩の構造についての覚え書』
Ⅲ『夏至の火』『古い土地』『季節についての試論』『声なき木鼠の叭』
(「あとがき」より)
目次
倖せ それとも不倖せ 續1
I 1951~1955
- 古い夏の絵はがき
- 遠い休暇
- 少年時
II 1956~1960
- ズボンをはいた熊
- 遺訓
- きこりの物語
- 憩い
- 鬼百合の花粉 あるいは虎の行動
- 鉄の家の中の娘
- ユウレイノウタ
- 美しい一日
- 二つの感傷的な唄
- 嫉妬
- 古い土地
- ワレラノアイビキノ場所
- 帰還
- 水いらず
- 湖
倖せ それとも不倖せ 續2
I 1961~1965
- 魚の顔をした小娘への恋唄
- 犬の顔をした小娘への恋唄
- 或る失意の唄
- 旅の二人
- 七つの川の都市で
- やさしい二つの唄
II 1966~1970