1950年7月、小山書店から刊行された現代詩アンソロジー。編者は日本文藝家協會。編集委員は、安西冬衛、小野十三郎、北川冬彦、草野心平、高見順、壺井繁治、西脇順三郎、三好達治、百田宗治、吉田一穂。
目次
- 惡婦 高村光太郎
- 白鳥 吉田一穗
- えなの歌 金子光晴
- 日本の濕つた風土について……日本の農のアジャ的樣式について 真壁仁
- 常磐線風景……またはじまった……時間……止まらない時間のなかを……悔恨……時空 山之口膜
- 敗北……侮辱された列車 近藤東
- 海邊の虹……東天……ともづな……生命の疼き 高橋新吉
- 永眠……はだか山……すべては許されてゐる眠りの歌 青山鶏一
- 折盡……安眠妨害 扇谷義男
- 田園について……使徒行傳 岡崎清一郎
- 詩三つ……處刑 北川冬彥
- 西班牙……百年の家具 安西冬衛
- 春の漂流……午後……枯草のなかで 村野四郎
- すれちがう物質のスピードの中で……二つの眼 池田克己
- 影の空間 北園克衛
- 夏から秋へ……冬の會話 西脇順三郎
- 牡丹の花びら貝……散りしいた花びらの上に……山の網膜 馬淵美意子
- 一九四〇年代・夏……部屋 田村隆一
- ソネット四章 安藤一郎
- 氣まぐれな戀人に 原條あき子
- 東京哀歌 佐藤春夫
- 三十代の選手 釋迢空
- ひとりお美しいお富士さん 深尾須磨子
- 薔薇……マイダス王……季節のごとく 永瀬清子
- 彷徨 千家元麿
- 山麓……晩夏……山の宿屋にて……山の町にて……遲日 田中冬二
- 果樹園……枯れた葡萄蔓の……私の名 笹沢美明
- 夫の精神 緒方昇
- 雷と泥鰌……發狂……えびとたこ……媚藥……坂 淵上毛銭
- 岩礁……平原うすばかげろふの炎天……碧天女 日高てる
- 天……苦しみ……飽きない木……僕だけの光り……黒 高見順
- 播州不野……世界……野蠻な鐵道の中で……過ぎゆくものへ 小野十三郎
- 古い機織部屋……雨……海峽 大江満雄
- われらの五月の夜の歌……長靴 三好豊一郎
- 永日……新春……天體圖 丸山豊
- 私の心に……瞬く星……日暮れて……心のな かで……新橋……愛するものの 野村英夫
- 雷とひよっ子……子供の繪 伊東静雄
- 見えない顏……考へる石……警報……柱のしるし 竹中郁
- 陸……ランプ・マン……緑なる實存 丸山薫
- 恢復期 佐沼兵助
- 駱駝の瘤にまたがって 三好達治
- 牛車 島崎曙海
- 「日沒街道」より二篇 藤島宇内
- 父となる日……一週間 吉塚勤治
- 榮山江……又榮山江 許南麒
- 時間 壺井繁治