不在の証明 中村隆詩集

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 1962年7月、蜘蛛出版社から刊行された中村隆(1927~1989)の第1詩集。表紙・装画は貝原六一。著者は神戸生まれ。刊行時の住所は神戸市兵庫区東山町、職業は金物店経営。

 

 戦後、焼跡の中から小林武雄さんたちの「火の鳥」が生れ、やがて僕たちの「CLARTÉ」が育った。多くの先輩・友人たちに支えられ以後「MENU」「反世代」「幻想」「輪」「蜘蛛」と15年余りの詩人生活を通じ僕の青春が生れ、僕の人生が形造られていった。むしろこの一冊の詩集に収められた作品を云々するよりも、この詩集の中に僕の二十代と三十代の半ばが息苦しく又たのしげに顔を覗かせていることの方が僕には貴重な記録である。生来怠け者の僕の尻を叩き、あるいはおだててくれながら一冊の詩集を上梓させて呉れた「輪」の同人たち、「蜘蛛」の編集グループの方たち、特に君本昌久君・伊勢田史郎君・安水稔和君、終始僕の無理を承知で装釘の労を取って頂いた貝原六一君。どうもありがとう。
 作品は48年に「泥沼物語」52年に「黒い輪」「リラと薔薇」53年に「火の眼」54年に「砕ける日々」56年に「渇いた薔薇」57年に「不在の証」「われわれはなにを得たか」58年に「暗い声に」59年に「告発者」「たとえば」50年に「裏切った街」「言葉の海で」「微動する」の順で書いた。
(「あとがき」より)

 

目次

・不在の証

  • 不在の証
  • 告発者
  • 暗い声に
  • われわれはなにを得たか

・砕ける日々

  • 砕ける日々
  • 火の眼
  • 渇いた薔薇
  • リラと薔薇
  • 黒い輪
  • 泥沼物語

・裏切った街

  • たとえば
  • 微動する秤
  • 言葉の海で
  • 裏切った街

あとがき


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