明滅 田中清太郎詩集

f:id:bookface:20210811122534j:plain

 1956年4月、野ばら社から刊行された田中清太郎(1913~2000)の詩集。題字は矢代素川。

 

 これらの言葉の貧しさよりも、むしろそれらを書かせた弱さをこそ、わたしは自ら恥じねばならぬであろう。しかし、詩歌は元来そのような弱さから生まれることが多いのかもしれぬ。それ故に、詩の時代は去ったとも思われる今日、なお多くの詩歌が書かれ、また書かれねばならないのではあるまいか。そう思うことが空しい自慰でないとすれば幸いである。わたしはただ、今後わたしの書くものが、今までわたし自身にのみ果してきたことを、たとい一人でも誰か他の人に対して果しうる力をもつようになることを願う。
 時折、鉛筆でよごす紙きれを、二十余年の習慣にそむいて破りすてないようにとすすめて下さった友人たち、いつもわたしにとっての支えである多くの若い人たち、そして敏丁・惠子・悠子の三人に心からの感謝を捧げる。
(「あとがき」より)

 


目次

あとがき


NDLで検索
Amazonで検索
日本の古本屋で検索
ヤフオクで検索