2018年9月、思潮社から刊行された石川厚志(1962~)の第3詩集。著者は東京都生まれ、刊行時の住所は埼玉県。刊行時の職業は臨床心理士・写真家。
親がなければ私はいません。自身も親になりました。仕事柄、家族というものを考える機会も多いのです。子どもに関わる仕事をしたこともあります。そのようなわけで、私には常に身近に家族というものがあります。この詩集は、そのような私が、身近に、あるいは広範に見てきた家族の姿を、虚実織り交ぜ物語にしたものです。
家族が個人に与える影響は計り知れません。たとえそこから離れたとしても、それは生涯においてつきまとうものかも知れません。問題は集積されて、社会問題にさえなります。家族は、綺麗ごとだけでは語ることができません。
家族はおかしくもあり、哀しくもあります。笑いたくもなり、泣きたくもなります。そのような家族の姿を、これまで写真に詩にと描いてきました。この詩集で家族は、前半に放散し、後半に収束へと向かいます。
(「あとがき」より)
目次
- Ⅰ
- 父さんの行方
- がいこつ家族の夕べ
- ちゃんばら
- 櫛
- 潮風
- 花見
- 台所
- 小さなブーケ
- くわがた
- 忘れもの
- 百貨店
- パパへの贈り物
- わたあめ
- ご飯の出ない家
- 外食
- Ⅱ
- 綱引き
- くちびる
- 雪見遠足
- 海水浴
- 自転車親子
- 行楽
- 分校跡
- 河原にて
- 運動会
- ゴンドラ
- 山女魚
- 桃源郷
- 海辺の風景
- 空中散歩
あとがき