1997年10月、編集工房ノアから刊行された北野和博(1955~)の第1詩集。装幀は森本良成。
どきどき水族館に行きたくなります。そういう時は我慢します。すると行きたくてたまらなくなります。そして出かけます。
ときどき詩を書きたくなります。そういう時は我慢します。するとぽろりと詩が生まれます。
詩集を出そうと思ったとき、その水族館にはジュゴンが一頭いました。暫くして南の海から花嫁が来ました。二頭は少し離れて見つめあって……。でも次に行ったときには一頭になっていました。最初からいた雄です。それからは何度行っても一頭だけです。
そんな長い時間がかかってようやく詩集がまとまりました。
(「あとがき」より)
目次
- 大きな木
- ひろば
- ドーム
- 行進
- 夕暮れ
- 僕の好きな薬屋さん
- コロッケ
- 回復室
- 集会
- 港
- 行李
- あかちゃんが笑っています
- 観覧車
- メロディー
- 空き地
- 足音
- 散歩
- 噴水
- しばらく星を見てきます
- 風鈴
- 桜(一)
- 家族
- 縁側
- 桜(二)
- ドア
- あの人はきっとうたっている
- やっと逢えた
- 草原
- ドアの内、ドアの外
- 大きな絵
〈僕の世界〉安水稔和
あとがき