1981年6月、人文書院から刊行された阪田寛夫(1925~2005)のエッセイ集。装画は二見彰一(1932~)。
去年の正月に、京都人文書院でジュリアン・グリーソ全集の刊行を担当しておられる堀田珠子さんから、キリスト教についてのエッセイとエッセイ集の刊行とを求める手紙を頂いた。それは無理だとお答えしたが、半年のちには、これまでに書いた短文のすべてを新幹線で京都へ運ぶことになった。あれこれいろいろ、と言われたので、音楽会のプログラムの挨拶なども、切抜きの中に入れておいた。
読んでみて困っておられるだろうと思っていたら、秋の終りに「こんな風に並べさせていただきました」が、という便りと一覧表が届いた。忙しいなかに大変精密に読んで選んで下さったので、生き残ったのは二百枚分ほどしかない。そこで、小説として発表したものや、この一年間に書いた文章を次々に追送して、そこからまた選んで並べ直してもらった。
このような経過で最初の随筆集ができる。堀田さんのご苦労に感謝したい。
(「あとがき」より)
目次
- 聖歌隊のころ
- 中途半端
- ヨブ
- 運命と摂理
- おいのり
- 信仰の試験
- ルカ伝
- 遠藤さんから教わったこと
- ヨルダン会
- 花と私
- むかしの仲間
- 初舞台
- 高山の棗
- 大切な娘御
- 爆弾三勇士
- 氷水
- 交遊抄
- 少女歌劇
- 結婚何ゾ?
- 六丁目
- 猫の盛衰
- 田辺君の演説
- 大洲の一夜
- 三浦朱門とのこと
- 三浦の手紙
- 土讃線のトンネル
- ぽんこつ時代
- 「馬車馬」と荒本
- 近所づきあい
- サローヤンと庄野さん
- 鴨の足音
- 鳥の顔
- デントンさん
- 脇田先生の「はいはい」
- 燭台っきのピアノ
- 椰子の実一つ
- 庚申街道
- 煙草の匂い
- サッちゃん
- ぞうさん
- 処女作について
- 輝く断片
あとがき
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