2017-09-27から1日間の記事一覧

人間の悲劇 金子光晴詩集

1952年12月、創元社から刊行された金子光晴(1895~1975)の長篇詩集。 僕は別に新しい本を書くつもりで、この本を書きだしたわけではない。 僕は、僕の指や、爪を、ほんとうに僕の指や爪なのか、たしかめてみたいつもりで書きだしただけで、おほかた平凡な…

影絵 鳥巣郁美詩集

1962年12月、昭森社から刊行された鳥巣郁美(1930~)の第4詩集。画は津高和一。 目次 一部 ひびき あふれるものを 晩夏 残光 夜の木立 塔 はじまる 埋れ木に 落下 忘却 限界 みずうみ 陽 溪流 晩秋 初冬 辿る 足音 川面 館 二部 音は 尾根 愄れ 渦 揺れる …

風の詩音 伊達風人詩集

2012年2月、思潮社から刊行された伊達風人(1977~2011)の遺稿詩集。著者が生前進めていた詩集の構想をもとに、未発表を含む作品から、野川秀行、野村喜和夫(1951~)の編集により39篇を収録。 目次 水錘 鼓吹器 慣性の法則 落書き 影 ブランコを揺らすも…

蝶の町 廣津里香詩集

1987年6月、沖積舎から刊行された廣津里香(1938~1967)の詩集。装幀は藤林省三。 目次 私はいやだ 摩周湖 明日という言葉の空しさを知る者に 悲しみ お天気 雪 アジアの十七才 優しい矢 語りつくされた話に結末を与えましょう 消せないアデュー 蘇生 焦点 …

雲の地図  大西民子歌集

1975年4月、短歌新聞社から刊行された大西民子(1924~1994)の第5歌集。装幀、題簽は木俣修(1906~1983)。 なぜそうであったのか分りませんが、その一年ほど前から、妹と私はそれまでになく睦みあってくらしていたような気がいたします。十三年も飼い続け…

帰去来散稿 正津勉詩集

1974年11月、紫陽社から刊行された正津勉(1945~)の第3詩集。装幀は渋川育由。 『惨事』(七二年・国文社)、『散華詩篇』(七四年・土曜美術社/詩画集『二人一集』所収)につづき、この一年、ぽつりぽつり書きためて、ここに一八篇。発表時の誤記・誤字…

詩物語 西原大輔詩集

2015年11月、七月堂から刊行された西原大輔(1967~)の第6詩集。 『詩物語(しものがたり)』という書名は、平安時代の歌物語(うたものがたり)から発想しました。「伊勢物語』『大和物語』『平中物語』では、和歌と短い文章が一体となっています。実在し…

青春 ウラジーミル・ナボコフ

1974年5月、新潮社から刊行されたウラジーミル・ナボコフ(1899~1977)の長編小説。翻訳は渥美昭夫(1927~1995)。装画は山村昌明(1939~1991)。 NDLで検索Amazonで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

わが詩わが心(2) 高田敏子篇

1982年6月、酣燈社から刊行された現代詩の「自作自註」アンソロジー。初出は高田敏子(1914~1989)主宰「野火」。編集協力は凱風社。写真は鈴木龍一郎(1942~)、装幀は高橋京子。 はじめに、自分のことを書くのは、ためらわれるのですが、ここにまとめら…

燭台つきのピアノ 阪田寛夫

1981年6月、人文書院から刊行された阪田寛夫(1925~2005)のエッセイ集。装画は二見彰一(1932~)。 去年の正月に、京都人文書院でジュリアン・グリーソ全集の刊行を担当しておられる堀田珠子さんから、キリスト教についてのエッセイとエッセイ集の刊行と…

お菓子の家の魔女 宇能鴻一郎

1970年10月、講談社から刊行された宇能鴻一郎(1934~)の短編小説集。装幀は司修(1936~)。 目次 姫君を喰う話 かごめ唄の吾子 地獄の愛 お菓子の家の魔女 月と一寸法師 肉蓮華 NDLで検索日本の古本屋で検索ヤフオクで検索

水勢のなかで 杉克彦詩集

1964年6月、思潮社から刊行された杉克彦(1934~1971)の第3詩集。装幀は梅村豊(1923-2007)。 目次 I 水勢のなかで 道行 入院前後 虹 呟き 血 波止場にて 水勢のなかで II つきよだけ いのちがふる 胞子のうた 胞子と夜の唄 亜鉛の葉に ひとのいのちが 夜…

港の人 北村太郎詩集

1988年10月、思潮社から刊行された北村太郎(1922~1992)の長篇詩集。第40回読売文学賞受賞作品。2017年9月、単行本未収録詩篇4篇と平出隆による解説が付いた新装版が出版社「港の人」から刊行された。 八年前から住んでいる横浜市中区はおもしろいところで…

星の降る夜の物語 吉行淳之介

1962年11月、七曜社から刊行された吉行淳之介(1924~1994)の短編小説集。装本は松本正次郎と小林司桂子。 目次 路上 星の降る夜の物語 雪 遁走 火山の麓で 花 藁婚式 薔薇販売人 原色の街(第一稿) あとがき NDLで検索するAmazonで検索日本の古本屋で検索…

虫歯のなかへ 塚越つや子詩集

1961年8月、壷の会から刊行された塚越つや子(1926~)の第1詩集。著者自装。 目次 虫歯のなかへ 冬の夜 みぞれの街 冬への招待 重い港 気象幻想 霜柱 不信への情熱 宵祭 化石 子守唄 ずっと下に ある死 習性 ふたりの塚越さんへあげる手紙 松本垂直の詩神 …

浮寝 藤原審爾

1948年12月、改造社から刊行された藤原審爾(1921~1984)の短篇集。装幀は木村荘八(1893~1958)。 この本の装幀は鍋井克之が織田作之助の夫婦善哉に對して試みた秀れた装幀にヒントを得て作つたものである。(木村荘八) 目次 愛撫 花のしとめ 浮寝 葦の…

こんなもん 坂多瑩子詩集

2016年9月、生き事書店から刊行された坂多瑩子の第5詩集。装幀は高橋千尋。第24回丸山薫賞候補作。第27回日本詩人クラブ新人賞候補作。第67回H氏賞候補作。 目次 魚の家 なまえ 春 はやわざ 井戸 墓石 ここはどこの細道じゃ 赤い瓦の家 壜 夕焼け空 仲良しこ…

マルゴ ウラジーミル・ナボコフ

1967年1月、河出書房新社から刊行されたウラジーミル・ナボコフ(1899~1977)の長編小説。翻訳者は篠田一士(1927~1989)。ナボコフによる英語版からの翻訳。装画は織田広喜(1914~2012)。 NDLで検索するAmazonで検索する日本の古本屋で検索するヤフオク…

父の乳 獅子文六

1968年1月、新潮社から刊行された獅子文六(1893~1969)の自伝小説。「主婦の友」連載。 NDLで検索するAmazonで検索する日本の古本屋で検索するヤフオクで検索する

姉妹 畔柳二美

1955年5月、大日本雄弁会講談社から刊行された畔柳二美(1912~1965)の長編小説(ミリオンブックス)。解説は佐多稲子(1904~1998)。装幀は勝呂忠(1926~2010)。 作品と作者との関係はいつでも切りはなせないものではあるが、「姉妹」はもつと直接的な…

花は散るもの人は死ぬもの 長嶋南子

2016年9月、花神社から刊行された長嶋南子による女性詩人論。表紙絵はゾンネンシュターン(1892~1982)「シェーンヴェルシア」。 いつ死んでもおかしくない年ごろになった。時間が早く過ぎていくのでオロオロするばかりだ。死んだらすぐ忘れられる現代であ…