2000年9月、私家版として刊行された岡谷公二(1929~)の創作集。
私の文章の大方は、ごくささやかな形ではあれ、幸い世に迎えられた。しかし私が間歇的に――ときには、二年三年の間をおいて――書いてきた小説らしきものだけは、そうはならなかった。私の非力のため、と言ってしまえばすむことだが、その辺りのところはよく分からない。
ともかくこうした形をとらざるを得なかったものが私の中にあった、という事実だけはたしかだ。このまま埋もれさせるのは忍びがたいので、これらの鬼っ子たちの一部を、こうして余に送り届けようとする次第である。(「あとがき」より)
目次
- 騎士来訪
- 逢魔が刻 男 宣告 工場街で 苦しみ 怒り 逢魔が刻
- 島の風景
- 涙
- 秘密結社
あとがき
岡谷公二著訳書一覧