1978年5月、私家版として刊行された山内清の第6詩集。刊行時の著者の住所は大阪府高石市。
心臓をしめつけてくる苦しい会話が毎日つづく・自分ではどうにもできない自分と他人と日常へ向けて――したたかなたんかをきりたいために――私は詩を書いているのかも知れない 一九七七年の大みそか カマガサキ三角公園で泥と雨にまみれてころがっていた人たちの様子 一九七八年の正月 三角公園でたき火の残りに顔を埋めてころがっていた人たちの煤によごれた表情を私は忘れられない それを見つめていた私とはなんなのだろう 私の手とか足とか眼とかはなんなのだろう
(「あとがき」より)
目次
- アンリ・ルソーの絵のなかへ見えなくなる一日
- ベロン・Q氏
- 雨の日
- 井上商店のあさ
- えんとつ
- ぼくらの世界
- 水
- コーヒーを飲む前に
- カラスの日
- <事件>
- 二羽の小鳥
- 逃げるまち
- 10人
- あの人たち
- おそろしい日
- みじかい一日
- よごれた鳥
- 私について
- カガミのなかのヒゲの男
- いやな一日
- 犬
- こわれた顔
- ちぎれとベ・ホットドックよ
- カラスの商人
- 眼のなかのせかい
- カワタ・タケノブ
- キャッチャーまでの距離
- 10万羽のハト
- Mについて
- 短い夏に
- 唄
- アンリ・ルソーの絵のなかの男
あとがき