1988年8月、コスモス社から刊行された高島洋の第2詩集。
第一詩集(高島洋詩集)を発行したのが昭和四十七年八月であったから、すでに十一年の歳月が経過している。その間、わたしは詩誌「コスモス」に拠って細々と作品をかいてきた。従って本詩集に集めた二十七編の作品の内「京都九条山一帯」と「文庫にて」を除いて他はコスモスに発表してきたものばかりである。作品の配列についても発表年月日にこだわらず私自身の好尚にもとずいて自由に配列した。編集しながら詩についての不勉強を痛感しながらも、今は自分のかいたものに責任をもたなければならないと堅くおもっている。本書を発行するに当って跋文を、かってイオムの同人であった小黒基司氏におねがいした。同氏の身辺多忙を押して執筆していただいた次第。また向井孝、寺島珠雄、前田幸長氏ら仲間うちの后押しもいただいた。なお製作の段階では近文社の伴勇氏に種々の配慮を煩わした。
(「あとがき」より)
目次
- ハイライト
- 雪原
- 一皮剥がせば
- 風景
- 日常茶飯事
- 頭脳マシンも
- 老人の阿波踊り
- 忘年会
- 揺れる煙突
- A文庫にて
- 流れる
- 鼬(いたち)
- 梅雨
- 殺気
- 影
- 兵士の顔
- さそり
- 京都九条山一帯
- 青い光の中で
- 冬の火事
- 地すべり
- ある酒場で―不安について―
- 蛇の話
- 三月の陽射しを浴びて
- 大阪駅で
- 墓参
- スズキ
跋文 小黒基司
あとがき 高島洋