1978年11月、詩学社から刊行された宇佐美敦子の第2詩集。地球同人。刊行時の著者の住所は柏市光ケ丘団地。
漸く二冊目の詩集ができました。私が、詩を纏める気持になりましたのは、偏に石原吉郎先生の御励ましによるものです。御自身の厳しい生き方で、足どりの遅い弟子を鞭打たれたのでした。
詩集製作に際しましては、今回も嵯峨信之先生の御世話になりました。心から御礼申し上げます。 作品は、一九七一年以降のものです。このたびは製作年代には拘わらず、任意に並べました。読みかえしてみますと多くの不満が残 りますが、今は未だ旅の途上と考え、明日もまた自分の歩幅で歩い てゆきたいと願っています。
(「あとがき」より)
目次
- 吐く
- 流れる
- 風景
- 子供のように
- 長者のむすめ
- 待つ
- やっとみつけた橋に
- 心のなかに
- 出会い
- 鈴は
- おんな
- とおい旅
- 朝
- 愛について
- 影
- ものがたり
- 花を買う
- 架橋
- たらい
- 日時計
- 冬の城
- その日
- コップ
- 決着
- 虚のおとこ
- 蠟燭
- ある午後
- 関係
- 今は
- 声
- かくれんぼ
- 岸と波
- 信じる
- 月見草ひらく
- ひとりあやとり
- 鈴が鳴っている
- なみ
- うつせみ
- どこかに
- その声
- 距離
- 冬ゆく
- 風のみち
- 落日
- 坂
- 櫛
あとがき