1971年10月、日東館出版から刊行された中村隆(1927~1989)の第2詩集。表紙・装画は貝原六一。「輪」詩集シリーズ1。著者は神戸生まれ。刊行時の住所は神戸市兵庫区東山町、職業は金物店経営。
六二年に詩集「不在の証」を出してから、足かけ九年余りのうちに、約五十篇の作品を書きました。このたび、「輪・詩集シリーズ」の一番手として、私の生活に最も密着した「金物店」を中心とした、作品十四篇を編集しました。このような詩集の組み方には、いささか私も不満なのですが、全篇収容するには、詩ほどに「金物店」が働いてくれない故で、あきらめざるを得ません。作品特集くらいのつもりで御一読下さい。
この詩集を刊行するにあたって、直原弘道氏はじめ「輪」の皆さん、作品紹介を頂いた伊勢田史郎氏、表紙・カットを書いて頂いた貝原六一氏、出版の労を取って頂いた各務豊和氏に心からお礼申し上げます。
(「あとがき」より)
目次
Ⅰ
Ⅱ
- 除夜
- 一枚の写真に
- 戦争について
- つつむ
- うごく
- 市場の中で
- 黒い檻
中村隆の人と作品について 微小な一点に屹立する 伊勢田史郎
あとがき