1960年、書肆ユリイカから刊行された飯島耕一(1930~2013)の詩集。今日の詩人双書6。
『他人の空』は一九五三年刊、二百五十部限定、ほぼ半年で絶版となつた。一九五七年の『ミクロコスモス』(百部限定版―絶版)は、五五年刊『わが母音』(三百部―――絶版)以後の作品から四篇をあつめたものである。四篇は詩画集(画家伊原通夫との共同による)というこの集の性格にあわせて選択された。『われわれにとつてのことば』はさらにその他から十二篇を収集したもので、これによつて一詩集を成立させたい。この叢書版詩集には、以上の集におさめた詩篇のすべてを再録した。なお『他人の空』以下の既刊詩集のすべては書肆ユリイカの発行による。
(「覚え書」より)
目次
・他人の空
- 吊るされた者の木版画に
- 他人の空
- 砂の中には
- 世界中のあわれな女たち
- 空
- 牡牛よ
- 埃まみれの空
- 血について
- 霧
- 死人の髪
- 理解
- 大きすぎる荷物
- 切り抜かれた空
- 帰って来た子供たち
- 思い出された村
- 見る
- 一回
- 探す
- 途
- 影を背中につけた動物たち
- 言葉について
・わが母音
- わが母音
- 見えないものを見る
- 絶望の色を切離す
- 森の色
- 一つのものに近ずく夜
- 荊のとげ
- 誰が孤独だといつて…
- 子供の領地
- 不幸に耐える人々
- 試練
- 種子
- 聖火曜
- 詩人の魂
- 風が吹いたら
- 青空が遠くまで
・ミクロコスモス
- (水の磁石は)
- (雨があがると虹が立ち)
- (ふしぎにすべてが似かよつてくる)
- (ぼくらは大勢で歩いて行つた)
・われわれにとつてのことば
- われわれにとつてのことば
- われわれにとつてのことば
- 夜の洪水
- 騒がしい鎮魂歌
- 日の光
- 変身
- ある朝に
- 暗
- ひとに
- 一九五六年十月十一月
- ある夕景
- ひとに
覚え書