1984年2月、七月詩の会から刊行された高木なお(1920~)の詩集。装本は倉本修。七月叢書。著者は北海道未唄市生れ、刊行時の住所は大阪市阿倍野区。
大阪文学学校の存在を息子に教わったのは七年も前のことでした。私にはものごとを書いて表現するなど思いもよらぬことでしたが若い頃からなんとなく文学に対して淡い憧れをいだいていました。三井葉子先生の教室で始めて詩を書くことを教わりましたが何をどのように書いてよいのかわからなくて表現のむずかしさに悩みました。けれども三井先生のお話はとても新鮮で魅力に満ちていました。合評会で作品の批評をして頂いても言葉の意味が理解出来なくて戸惑いながらも、詩を書く作業は心のときめくものでした。詩はなつかさだと安西先生からうかがいました。なつかしさとやさしさ。なんというやさしくなつかしい言葉でしょう。
おもいがけず詩集を編むにつきまして「七月」同人の方々にお励ましをいただきました。三井葉子先生からは暖かいお言葉をいただきました。装幀下さった倉本修さま、版元の文童社にも心からお礼を申し上げます。
(「あとがき」より)
目次
- 花
- カーキ色の帽子
- 餅を焼く
- 白いクリーム
- コロン水
- 洗濯
- 写真
- 夢の中で
- 小夜着
- 店
- 老い
- なじむ
- 鏡
- 詩集
- 少女
- 占い
- 関係
- 在処
- 塩
- 桃が池公園
- 沢庵漬
- 誕生
- 瞼に
- ソナタ
- 土
- 寒い朝
- 蝉しぐれ
- 塀の中で
『餘燼のように』に寄せて 三井葉子
あとがき