1993年9月、富士見書房から刊行された西村和子(1948~)の第3句集。装幀は熊谷博人。「俳句研究」句集シリーズⅡ17。著者は横浜生れ、刊行時の住所は大阪府池田市。
昭和六十年から平成三年までの作品を纏めて、第三句集とした。
夫の転勤で関西に移り住むことになった時、この地は私にとって他郷だった。だが西の風土に生活し、人々と出会い、古典のふるさとを訪ね、この地に馴染むにつれて、ここは私にとってかりそめの場所ではないと思うようになった。
句集名は、
ひととせはかりそめならず藍浴衣
から取った。清崎敏郎先生の「わが俳句鑑賞」にも取り上げていただいた、愛着の一句である。
ちょうどこの句稿を清書している時、第四十回若葉賞の受賞の知らせをいただいた。この地での歩みが認められて、こんなに嬉しいことはない。
(「あとがき」より)
目次
- 初暦 昭和六十年~六十二年
- 鳥雲に 昭和六十二年~六十三年
- 朱夏 昭和六十三年~平成元年
- 雁渡し 平成二年
- 落葉踏む 平成三年
あとがき