2004年10月、思潮社から刊行された三角みづ紀の第1詩集。写真は著者。付録栞は、福間健二「魅惑に満ちた苛酷な世界」、池井昌樹「パンドラの函を破って」、井川博年「切り札登場」、田野倉康一「意外に健全である」。第10回中原中也賞受賞作品。
日本語とはとても自由なものだと思います。ひらがなやカタカナや漢字、どれも素晴らしく締麗です。それらの文字を使って、詩は綴られてゆきます。私にとって、詩は書いた(或いは詩に書かされた)時点で全てノンフィクションに成ります。痛くて泣いて仕舞う時もあります。それでも私は書き続けなければなりません。酸素を吸い込んだら二酸化炭素を吐き出す様に。
(「あとがき」より)
目次
- 私を底辺として
- 快晴の過程で
- 低空
- 新世界
- ソナタ
- 冬のすみか
- ケモノ道
- 八月十五日
- パレードのあと
- イマワノキワ
- マグノリア
- 雷鳴
- 妄想癖
- はじまり
- 残像
- ヒューストン
- 地平線が見える
- 回想電車
- 乾いた隙間
- こおりおに
- アリバイ
- 理由
- 帆をはって
- ただれた世界
- きす
- 休日に
- 夜鷹
- 私達はきっと幸福なのだろう