MELOPHOBIA 安川奈緒詩集

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 2006年11月、思潮社から刊行された安川奈緒(1983~2012)の第1詩集。写真は著者。附録栞は福間健二「映画日記、安川奈緒『MELOPHOBIA』のための」と和合亮一『優美で暴力的で華麗で過激で繊細で猥雑で未来的な詩人が隣の車両で虹になる』。第12回中原中也賞候補作品。

 

 中学、高校、大学と朝から晩までテレビばかり観ていた。それ以外何もなかった。明石家さんまの輝く歯を見つめながら、「空耳アワー」のタモリのサングラスの向こうにある目を想像しながら、音楽と詩は無関係だと思った。紙面から囁きかけてくるような詩は下劣だと思った。音楽的快楽から身を引き剥がした詩以外は信じられないと、いつでも甘くなろうとするナルシスティックなリズムを殺した詩以外は信じられないと思った。音韻論とかそういう難しいこととはまた別の次元で、詩の内なる敵は何よりもまず音楽なのではないかと思った。だからMELOPHOBIA(音楽恐怖症)、有言実行できていたらとてもうれしい。この世は音楽を愛しすぎている。
(「あとがき」より)


目次

玄関先の攻防
women under the influence

  •  96.9.12Friday Sunny
  •  夏至を恨む
  •  週末のおでかけ
  •  ボンボンボンボンスイート
  •  戦時下の生活
  •  今夜、すべてのメニューを
  •  背中を見てみろ バカと書いてある
  •  神代辰巳のナンバースリー
  •  マッケンジーのピンク
  •  ANTIFLOWER
  •  MELOPHOBIA

太陽黒点を抱擁する「ヘイ、そこのイカロス」

  •  鬱病デートコース
  •  耐えられない川
  •  雨粒万歳
  •  サンドペーパーに描かれた自画像

《妻》、《夫》、《愛人X》そして、《包帯》

あとがき

 

書評等
詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)
 

関連リンク

中尾太一詩集 現代詩文庫203
「強靱な精神なら、たしかにこのへんで、もういいのかもしれない〜詩の存在論的倨傲について(抄) 」 が収録されている。
安川奈緒( 柔ら雨(やーらあみ)よ 欲(ぷ)さよ )


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