2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

攻撃の切尖 平出隆評論集

1985年8月、小沢書店から発行された平出隆の第二評論集。 最初の評論集『破船のゆくえ』(一九八二年)に収めそこねたものと、『破船』以降に書かれたものとから一冊をまとめることになった。ご覧のとおり短めの時評的な文章が中心となる。取捨・構成を長谷…

季節の子 生路洋子詩集

1966年8月、桑文社から発行された生路洋子(1933~)の第2詩集。表紙イラストは八木啓輔。1964年から1966年までの作品を収録。 生路洋子さんの作品について 前川知賢 結論から先にいえば、彼女の詩の本領は、中江俊夫氏も指摘していられるとおり、ひとの思い…

破壊と幻想 萩原恭次郎私論  高橋秀一郎

1978年6月、笠間書院から発行された高橋秀一郎の評論。 私が、はじめて萩原恭次郎について書いたのは、十年ほど前のことで、その頃の私は、東京の巷間の雑踏の中を漂い疲れていた。なぜ私が恭次郎という詩人に興味をもち、文章を書くことになったのか、その…

焼け跡 望月遊馬詩集

2012年7月、思潮社から発行された望月遊馬の第2詩集。第18回中原中也賞候補、第4回鮎川信夫賞候補作品。 目次 (焼け跡) 地球儀のように行きだおれたい プチトマトがえくぼに見える日 ポルカ 家具の音楽 アキレス腱の憂鬱 非日常 生活 体温計の下に僕らはい…

小さな町 山本沖子詩集

1995年10月、踏青社から発行された山本沖子の第五詩集。 昭和二十二(一九四七)年に、三好達治先生のご尽力で、大阪創元社より最初の詩集『花の木の椅子』が出版されましてから、半世紀近くが経ちました。そのあいだに数冊の詩集を出してきましたけれども、…

真夏、まぼろしの日没 渡邊十絲子詩集

1995年11月、書肆山田から発行された渡邊十絲子の第三詩集。挿画はパウリ・ヴンダーリヒ。 目次 結婚(女神の午後) (女神の転倒) (針箱) (時の列車) (金星) (彗星の日) (蕩児のゆくえ) 天の波 地の波 時の棲家 開花前夜 流域の音 両岸 新月まで…

Fの残響 渡邊十絲子詩集

1988年10月、河出書房新社から発行された渡邊十絲子の第一詩集。 美しく季節に君臨するためにわたしは来た時代の薄明に対峙するあえかな言語の閃光。80年代詩に訣別し、来たるべき詩への扉をひらく大型新人による注目の処女詩集。(帯文) 目次 水族館 誘蛾…

あたらしいぞわたしは 荒川洋治詩集 

1979年9月、気争社から発行された荒川洋治の第四詩集。 目次 梅を支える 傘を持つのはどうだろう タカベを買う日 叶えてやろうじゃないか そこを褒めてやれ 広尾の広尾 東京雑記 鳥の日に 懐かしんで 清らかでまじりけのないさま 大衆の国 庭を見ながら多く…

愛の発生 井坂洋子詩集

1984年5月、思潮社から発行された井坂洋子の第四詩集。 目次 夜の羊達 声 愛の発生 「すましや」の愛撫 促成栽培 シャンプー 電柱 さといも畑 親の頭 血を流しているとき 悲劇よ 薄日 花道 きのうのドア 図面 シドーと海 鈴 親しい者の名前 結婚 水着の紐 不…

詩的想像力 堀川正美評論集

1979年6月、小沢書店から発行された堀川正美の評論集。装幀は若林奮。 これはわたしの<全評論集>といって差し支えないものである。評論のほかにエッセイ、講演記録、同人誌の後記などをふくめて、思考の流れがあらわれるように作為なく年代順に配列した。…

川から来た人 高橋順子詩集

2000年、ふらんす堂から発行された高橋順子の第8詩集。 川にたとえれば、この本の本流を形成しているのは、一九九七年六月二十二日から八月十七日までの「朝日新聞」日曜版に、「川のことば」として十回連載したものです。私は荒波の押し寄せる海辺で育ちま…

芦の里から 小柳玲子詩集 

1976年11月、花神社から発行された小柳玲子の第3詩集。装幀は林立人。 目次 芦の里から* 芦の里から** 芦の里から*** 芦の里から**** 芦の里から***** 祭り 家* 家** 望郷* 望郷** 望郷*** 望郷**** 五月 練習曲 シェリー洋装店…