2001年11月、思潮社から刊行された宮本むつみの第7詩集。装画は堀研。
これは、私にとって七冊目の詩集である。
一九九一年、九二年と、つづけて二冊の詩集を出して以来、ほぼ十年ぶりの出版である。
しかしその間、ただ無為に、空白に過ごしていたわけではない。ふり返れば、詩と私は、いつも〈見えない回路>でむすばれていて、泣き笑いの現実の中でも、豊かな何かを貰った気がする。
ここに納めた十九篇は、「方舟」、「白亜紀」、「詩学」、「詩と思想」、「詩と創造」、「立」の詩誌に発表した作品からのものである。
久々に本をつくるよろこびと共に、遠くから、近くから、今日まで私を支えて下さった多くの詩の仲間たち、また、この出版に際してお力を添えて下さった小田久郎氏、並びに、装画のご厚情をいただいた堀研氏に、心からのお礼を申し上げたい
(「あとがき」より)
目次
Ⅰ
- 手
- 百合族
- 新年 198
- 幻――ヴィジョン
- サイレンス
- 転写
- ネガからポジへ
- 日は昇り 日は沈む
- 目蓋いちまいの
- 問い
- 匂い
- 過客
- 墓参
- 〈うち〉と〈そと〉
Ⅱ
あとがき