異神 中世日本の秘教的世界 山本ひろ子

 1998年3月、平凡社から刊行された山本ひろ子(1946~)の評論集。装幀は中垣信夫。撮影は並河萬里。

 

目次

プロローグ

第一章 異神と王権 頼豪説話をめぐって

Ⅰ 『平家物語』頼豪説話の構成とモティー

  • i 頼豪怨霊譚の位相
  • ii 史実と虚構のあいだ

Ⅱ 呪殺された王 後三条天皇崩御

  • i 神は「鳴動」した
  • ii 王家と山門・寺門

Ⅲ 頼豪説話の成立

Ⅳ 鼠の秀倉譚

付論Ⅰ 赤衣と老翁・赤山明神

付論Ⅱ 新羅明神来臨考 縁起と秘法をめぐって

付論Ⅲ 新羅明神の幻像を追って

  • i 「御本国」での四つの本名 嵩山王・朱山王・松菘王・四天夫人
  • ii 「素髪の老翁」とスサノオ 疫神としての新羅明神

第二章 摩多羅神の姿態変換 修行・芸能・秘儀

序 謎の神・摩多羅神

Ⅰ 叡山常行堂摩多羅神

Ⅱ 秘儀と摩多羅神 摩怛利神法と玄旨灌頂の世界

  • i 摩怛利神法 七母天供養法と七鬼の呪言
  • ii 玄旨灌頂と摩多羅神 「ふるまい」の本尊

Ⅲ 修正会のなかの摩多羅神 秘法相伝摩多羅神の「顕夜」 

付論 日光山の延年舞と常行堂

第三章 宇賀神 異貌の弁才天

はじめに『渓嵐拾葉集』と二種の弁才天

Ⅰ 宇賀神経と荒神祭文

Ⅱ 『弁才天修儀』の儀礼宇宙 行法と口伝をめぐって

  • i 弁才天修儀への誘い
  • ii 『弁才天修儀』の行法と口伝
  • iii 表白の段
  • iv 結願作法

Ⅲ 弁才天灌頂 戒家相承の弁才天と如意宝珠をめぐって

終わりに 「如意宝珠王」の彼方に

付論 戒家と大黒天 大黒天法と戒灌頂をめぐって

  • i 弁才天修儀と大黒天法
  • ii 戒灌頂の儀礼世界
  • iii 合掌印の授与 「三重合掌」と師資冥合
  • iv 「三種法華」と大黒天

資料

  • Ⅰ 弁才天三部経
  • Ⅱ 最勝護国宇賀耶頓得如意宝珠王修儀
  • Ⅲ 弁才天修儀私

第四章 行疫神・牛頭天王 祭文と送却儀礼をめぐって

はじめに 「牛頭天王島渡り」祭文と祇園縁起

Ⅰ 「牛頭天王島渡り」祭文の世界

  • i 牛頭天王の出生と龍宮行き
  • ii 蛇毒気神の物語
  • iii 津島への鎮座と疫病の造立 本復
  • iv 古端一族の殲滅
  • v 釈迦との問答譚
  • vi 護符の授与と天王祭

Ⅱ 津島の牛頭天王信仰と御葦流し

  • i ふたつの護符 柳簡と立符
  • ii 津島の牛頭天王縁起 「牛頭天王講式」を読む
  • iii 流される疫神たち 御葦放流神事

終わりに 「みさきたなびく牛頭天王……」

エピローグ

 

引用資料所収一覧

あとがき
人名・書名索引
事項索引


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