2007年6月、私家版として刊行された久保田穣(1934~2014)によるハンセン病詩論集。編集はノイエス朝日企画編集部。第9回小野十三郎賞特別賞受賞作品。
目次
- 海抜三千尺―陸の中の離島―栗生楽泉園 加藤三郎詩集『僕らの村』
- ユーモアと向日的な明るさ 小林弘明詩集『ズボンの話』
- 人生の再生への道をうたうアリランの歌 香山末子詩集『草津アリラン』
- ユーモアと哀しみの情感 香山末子詩集『鶯の啼く地獄谷』
- 生地津軽への望郷 桜井哲夫詩集『津軽の子守唄』
- 雨よ降れ どしゃぶりに降れ 越一人詩集『違い鷹羽』
- 汚濁の歴史の ぼくらの顔よ/強烈な人間への讃歌 谺雄二詩集『鬼の顔』
- ライがぼくの詩の元手だ 小林弘明詩集『元手』
- 生きることへの渇望と関心 藤田三四郎詩集『出会い』
- 精神の癒しの心情 越一人詩集『白い休息』
- 少年期からの生の軌跡をうたう 桜井哲夫詩集『無窮花(ムクゲ)抄』
- 追悼 小林弘明さん
- 透明な美しいことば コンスタンチン・トロチェフ詩集『うたのあしあと』
- 人間のいのちへの限りない讃歌 桜井哲夫詩集『タイの蝶々』
- おおらかな人生への眼差し 小林弘明詩集『リンゴの唄』
- 水晶体の眼に輝やく星たち 田中梅吉詩集『あんた 大丈夫かい』
- 義眼の中に花が散る 古川時夫詩集『ながれ』
- 韓国への謝罪の旅 桜井哲夫詩集『鵲(かささぎ)の家』
- むくげの花の持つ一日の完結性と美しさ 島田等遺稿集『花』
- 原郷・朝鮮と亡母への切実な思い 韓億洙詩集『恨(ハン)』
- 現実への関心と人生的意欲 島田等詩集『次の冬』
- もっとも人間らしいもの、希望 詩集『いのちの芽』
- 新しい詩の方法の探求 合同詩集『草津の柵』
- 最後のライ詩人でありつづける 合同詩集『くまざさの実』
- 事実の持つ人生的主題 加藤三郎詩集『いいよ いいよ』
- 見えないものを見えるように 越一人詩集『朝顔に』
あとがき