1983年11月、書肆季節社から刊行された木津豊太郎の第2詩集。装幀は政田岑生。刊行時の著者の住所は清瀬市中清戸。
「詩とは何か」とは私にとって長いこと、それは「私とは何か」と問い直すことによって可能な命題だった。ここに収めた作品の大概も、それらを私はほとんど「私自身」のために書いた。敢えて「内なる他者」のためにという気負いはなかった。このようなひそかな営みが、一巻の詩集として上梓されることは怠惰な作者にとって望外のよろこびであり、機会を与えてくださった政田岑生鈴木漢両氏の好意と尽力に負うものであることを記し、お礼を申し上げる次第である。
(「付記」より)
目次
- 見えない男
- 見えない男
- 室内
- 室内
- 室内
- 始めそれは火の点いたいっぽんの煙草であった
- 詩法もしくは飲料の秘密
- 不意に現われてくるアドルム氏
- ソレハ存在スルコトノ青イ月夜デアル
- ぼくは、静かな…
- 彼の生活
- 付随する短い詩
- 「普通」と「特別」
- 無い歌
- 無い歌
- 木馬廻らずギタ鳴らず
- ある収集家の日記
- だあく・こおなあ
- 新しい数
- 物質抄
- 運河の気分
- 見える女
付記