1992年7月、書肆山田から刊行された鈴木志郎康の第26詩集。装画は若林奮
この詩集に収めた詩は、一九九〇年四月から一九九二年一月までの間に書かれ、「飾棕」「叙情文芸」「midnight press」「現代詩手帖」「読書人」「朝日新聞」「詩学」「ユリイカ」「早稲田文学」「ビューティ」に発表された。後に、大幅に改稿されたものがかなりあるのをお断りしておきたい。この二年の間に、詩を書く意識が少し変わって来た。その変化の現時点での意識に合わせるべく改稿されたというわけである。いくらか、差し迫ってきたかな、という思いがある。詩を書くことを、敢えて極端に狭めて、自分だけの喜びに止めて置きたい、と一種の断念を持ちながら、木戸は開けて置いて、出入りの融通に期待して、詩集の刊行を願った。(「あとがき」より)
目次
- 眉宇
- 闇喩の手
- 形兆
- 軟玉
- 歯角
- ソリュブル
- 繁瓠
- 色白
- 胡桃
- 漣ノ目
- 朱ノ身
- 零余
- 笑役
- 終止
- 青玉
- 戸限
- 遠方
- 宿夕
- 光点
- 暗線
- 石榴
- 憎悪論
- 厄介
- 青藍
- 山桃
- 橋上
- 初紅
- 兆見
- 唯唯
- 水畔行